文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信 No.123

公開日: 

日本大学芸術学部文芸学科     2009年(平成21年)5月11日発行
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.123
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
2009前期4/20 4/27 5/11 5/25 6/8 6/15 6/22 6/29 7/6 7/13  
  
2009年、読書と創作の旅
5・11下原ゼミ
5月11日(月)の下原ゼミは、下記の要領で行います。文ゼミ教室2
 1.出欠(顔と名前覚えのために当分つづけます)
 
 2.司会進行指名
 3. 4/27ゼミ観察(解説・追記・ゼミ誌・合宿など)
 4. テキスト読み(『菜の花と小娘』『網走まで』)&感想
 5. 課題観察作品発表&感想(提出分)
 6. 名作読み&社会観察 (政治家の世襲問題の是非)
 
 □ゼミの評価基準は可(60~100)とします。評価方法は、次の通りです。
    課題の提出原稿数+出席日数+ゼミ誌原稿+α=評価(60~100)
     
5月大型連休を観察する
 2009年の5月連休はどんなだったか。新聞の紙面は大半が(豚)新型インフルエンザの記事。テレビニュースは、高速道路の渋滞情報。他にどんな出来事が目についたか。
1日、読売新聞夕刊 「金川被告 罪状認める 土浦9人殺傷事件」この事件は、昨年3月に起きた。無職金川真大(25)は、仕事は長続きせず、自宅に引きこもってゲームの日々。が、父親が定年退職することになった。被告の心配は、ゲームをする時間を削って働かなければならないことになる。そんな日々はつまらない。いっそ死んだ方がまし、しかし、自殺は痛いからいやだ。二人以上殺せば死刑にしてくれる。だから、だれでもいいから殺そうと思った。ウソか本当かしらないが、それが事件の動機だという。(昨年は、こんな事件が相次いだ)こんな被告にどんな判決を。裁判員制度はもうすぐはじまる。
4日、朝日新聞朝刊 「だまされ作戦」効果大。神奈川県警が導入、振り込め詐欺対策。振込み詐欺だと気づいたら、だまされたふりをして犯人に近づく作戦。犯人は「千三つ」という言葉を信じて電話してくる。つまり千回かけて3回引っ掛かればよしだそうだ。「振り込み詐欺容疑写像」20~30代都会の男。初犯45%。(警視庁調査6日朝日新聞)
5日、朝日新聞、14歳までの子供の推計数。前年より11万人少ない1714万人(男子878人、女子835万人)38年連続の減。今年の連休、幸いにも大事件はなかった。


文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.123 ―――――――― 2 ―――――――――――――
 
前ゼミ観察
初日ゼミ参加者は5名(登録は6名)
 
 はたして何名が・・・期待と不安で出勤した。登録者は6名だった。これまでのゼミを振り返るとほとんど10名以上だったが、一度だけ5名のときがあった。いつのゼミも楽しくできたが、5名だったときは少人数のこともあって、とくにまとまりがよかった。「このメンバー、いつか卒業してから集まりたいね」はたして、この思い今も生きているかどうかは知らないが、そんな惜別の声もあった。それだけその年のゼミは参加者一人ひとりの心に強く残ったという。このことが一瞬脳裏を過ぎった。そうして思った。この旅も、きっとうまくゆくかも知れないと。そんな予感がした。
 以下、登録の皆さんと、この旅参加の理由&自己紹介です。順不同・敬称略
【清水理絵】理由=(書く読むの習慣化が苦手なので)その弱点を克服するためです。
自己紹介=我孫子市出身です。昔は白樺派文化人の別荘があった。が、高度成長時代、手賀沼は日本一汚い沼になった。しかし、いまはきれいな水。風光明媚な土地です。
小説の創作が目標です。が、ストーリー先行で、人物描写が苦手なので、この旅で描写力をつけたいと思っています。将来=小説家志望です。が、学校卒業後も、書きつづけるかどうかは未定です。愛読書=天童荒太『永遠の仔』東野圭吾
【塩崎真佑】理由=創作だけでなく読書も好き。このゼミなら観察を通して両方に幅ができると思った。観察作品や紙芝居にも興味がもてた。新たな発見の予感がしたから。
自己紹介=福島県出身。4月から日記をはじめた。毎日400字ときめ今日までつづいています。習慣化できるように頑張ります。愛読書=アガサクリスティーヌ、時代ものです。
【河西杏子】理由=シラバスと授業ガイダンスをみて、自分がやりたいことをやれる場所だと感じたから。自己紹介=都下調布市出身。創作を希望しているが、書くうえで感性を磨きたい。将来=教職。愛読書=梶井基次郎の作品、北村薫、翻訳もの。
【白川達矢】理由=1年ゼミの教授の推薦や他の人の話を聞いて興味をもった。日常の観察とその表現をもっと上達させたい。自己紹介=神奈川県に住んでいるが山形県出身。小説を書けるよう努力している。自分の身の回りにあった出来事を創作として書いてきた。将来=作家志望。愛読書=江國香織、菅弘江、桜庭一樹、皆川博子など現代の女性作家。
【永井志穂】理由=以前のゼミ生の評判を聞いて。常にモノを読み、書くという環境に身をおいておきたいから。授業のテーマ「観察」にひかれた。観察力を高め観客を脱したい。
自己紹介=高校一年までは画家になりたいと思っていた。が、いまは作家です。絵を描くように小説を書きたい。趣味は書く、描く、作る、聴く、観る、食べる、寝ること。ブータン、ボリビアなどの国に行ってみたい。将来=作家志望。愛読書=最近、読んだ本、いま読んでいる本は、沢木耕太郎『深夜特急』、大西巨人『神聖喜劇』。
以上が27日、初日参加の皆さんです。
【内田すみれ】理由=観察というキーワードに惹かれた。車中作品に興味を持った。自己紹介=いままでやったことのないことにチャレンジしたい。
 
 
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2009年、読書と創作の旅・27日ゼミ観察
2009年の旅、役割り分担
4・27ゼミ司会は、河西杏子さん
 一人旅なら風まかせ気の向くままですが、同行者がいればそうはいきません。まして、この旅は、目的と成果が要求されます。ということで、参加者のなかで役割りを決めました。
班長は、白川達矢さんに
 基本的には、ゼミは司会者に進めてもらいます。が、急な連絡や、集まり、問題などが起きたとき、班長さんに音頭をとってもらいます。いわば保険の役割り。指名で快諾。
ゼミ誌編集長は、河西杏子さん
             副編集長は、清水理絵さん
 ゼミ初日で、難儀なのは、ゼミ誌作成の担当者決めです。他薦、自薦がなかったので、じゃんけん勝負で勝ち残りの人になってもらいました。河西さんは経験者ということで心強いです。編集長、副編集長とも快諾でした。なお、ゼミ誌は全員が力を合わせたほうが、よりよいものができるので、あとの皆さんも編集委員として協力してください。
編集委員=塩崎真佑、永井志穂、内田すみれ、白川達矢
なお、ゼミ誌作成は、以下の手順で進めてください。
6月上旬 → ゼミ誌作成ガイダンスのあと申請書類を受け取ってください。
        編集委員の人は必ず出席してください。詳しい月日は後日。
ゼミ誌作成ガイダンス → 6月   日   時  分    会場
以後手順
1.「ゼミ雑誌発行申請書」を期限までに文芸スタッフに提出する。
2.ゼミで話し合いながら雑誌の装丁を決めていく。
3.9月末、夏休み明けにゼミ員はゼミ雑誌原稿を編集委員に提出する。
4.編集委員は、印刷会社を決め、レイアウトなど相談しながら編集作業をすすめる。
5.「見積書」を印刷会社から受け取り、期日までに出版編集局に提出。
  期日は、ガイダンスのとき告知します。
  ※「見積」は必ず予算内におさめること。オーバーすると自己負担になる。
6.11月半ばまでにゼミ誌原稿を印刷会社に入稿する。
7.ゼミ雑誌ができあがったら、雑誌編集室に見本誌を提出する。
ゼミ雑誌発行期限は、12月14日 厳守 !!
8.印刷会社からの「請求書」を出版編集室に提出する。
※なるべく過去にゼミ雑誌を依頼したことのある印刷会社がよい。文芸スタッフに聞く。
 (はじめての会社は、事前に文芸スタッフに相談する)
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2009年、読書と創作の旅・27日ゼミ観察
ゼミ合宿有無は後日に
 ゼミ合宿については、参加者が全員でなかったことや、初顔の人もいたので、実施の有無決定は後日にすることにした。
読書は、なぜ必要か、どんな本を読んだらよいのか
 それを知るために、嘉納治五郎(1860-1938)の「青年修養訓」のなかの「精読と多読」を読んだ。嘉納治五郎の教育は、明治15年23歳のときからはじまり、大正9年(1920)年61歳まで日本の学校教育に尽くした。師範は、日本人の教育だけでなく、中国人留学生のために宏文学院を開校し、中国の近代的教育にも貢献した。学んだ7192人のなかには後に世界的作家になった魯迅(1881-1936)もいた。※魯迅『阿Q正伝』『狂人日記』
 「青年修養訓」は、明治43年(1910)12月 同文館から出版したものである。いまからじつに99年前の文章である。今はない漢字や言い回しがあって読むのに困難はあったが、朗読した5名のゼミ生は、ほとんど間違えることなく読み終えた。頼もしい限りである。
 さて、人間形成のため、社会で役に立つために心をこめて多くの書を読めとすすめる師範は、この「精読と多読」のなかで、どんな本をどのように読めといっているのか。
① はじめに読む本の選び方である。現在、ベストセラーの本。売れている有名な本。そういう本は1、2年待ってから読んだ方がよい、としている。
② まずは、古典を読む。時代のなかで残っているということは良い本の証拠。読むに価する本だからという。よい本は時間が選別してくれる。
③ 識者・作家・読書家といわれる人がすすめる本。例えば、川端康成が好きだとする。『雪国』『伊豆の踊り子』といったこの作家の作品を読むのもよいが、その前にこの作家は、自分を慕ってくる若い人たちにどんな本を読めとすすめていたのか。自分は、どんな本を読んでいたのか。それを調べてみる。ノーベル文学賞作家川端康成が、誰より気にかけ可愛がった若い人といえば、『いのちの初夜』を書いた北篠民雄(1914-1937)である。川端は病床の北篠に、なにを読めとすすめていたのか。どの作家を。まずは、それを知ることである。
④ 読む本が決まれば、その本をどんなふうに読むか。早く、ざっと読んだのでは、本当に読んだとはいえない。しっかりと理解しながら読むことが大切と教える。
⑤ つぎにどんな本を、ということだが、師範の教えは、範囲を決めない。一つのものを決めると、理解度は、その範疇だけになってしまう。違った分野の本を多く読むことをすすめる。心をこめて多くの本を読みなさい。つまり「精読と多読」のススメである。
青年修養訓    第19 多方面に注意を向けよ
 今ここに一個の枡があって、その中に栗の実を一杯入れるとすれば、その枡は充分詰まったようなものの実はそうではない。更に米を持って来て詰めてみると、なお多少の余地のあったことを覚えるのである。次にまたその中に粉を入れてみるとまた入り、その上にまた多少の水の入らない事もないのである。これをもって考えてみると、すべて充実ということは、材料の上の事であって、すなわち甲の材料からいえばすでに充実してしまっても、乙の材料からいえばなお多少の余地は残っているのである。これと同様に人間が社会においてそれぞれ自己の職分に従事するに当っても、その職分に対して全力を傾注すべきはもちろんの事であるが、しかし一方にその全力を傾注するということは、決して他方に多少の事業をなすべき余力を残さないという事にはならない。
※多方面に注意を向けるということは、多方面に手をだすということではない。常に多方面に眼を向けているようにするとの意
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2009年、読書と創作の旅・27日ゼミ観察
社会観察  日本国憲法を知る (前文、第九条)
 社会観察として、憲法記念日の5月3日も近いことから、日本国憲法に注目した。現行の「前文」と、世界から注目され、重大な懸案事項となっている「第九条」を読む。
 第九条に対する意見・感想は、以下の通りです。
 ・改憲した方がよい → 2名 
  なぜか = 世界情勢に合わない。自衛隊が現存するのに変だ。
 ・現行でよい → 1名 
  なぜか = 矛盾があった方が、戦争が起きにくい。
 ・国民に伝わっていない。案がわからない。 → 2名
 ・わからない → 1名
第九条について (朝日新聞記事から2009・5・2)
 朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)によると、憲法9条を
「変えない方がよい」 → 64 %
「変える方がよい」  → 26 %
憲法改正が「必要」 → 53 % このなかで「変える方がよい」 → 42 %
                  「変えない方がよい」→ 49 %
朝日新聞社の世論調査(4月18,19日実施)紹介、印してみてください。
◆憲法全体をみて、いまの憲法を改正する必要があると思うか。必要はないと思うか。
     改正する必要がある ( )
     改正する必要がない ( )
・必要があるに○した人に、それはどうしてですか。
     自分たちの手で新しい憲法をつくりたいから ( )
     第九条に問題があるから          ( )
     新しい権利や制度を盛り込むべきだから ( ) 
・必要がないに○した人に、それはどうしてですか。
     国民に定着し、改正するほどの問題ではないから( )
     第九条が変えられる恐れがあるから      ( )
     自由と権利の保障に役立っているから     ( )
◆憲法第九条「戦争を放棄し、戦力を持たない」について
     変える方がよい     ( )
     変えない方がよい    ( )
・変える方がよいに○した人に、どのように変えたらよいか。
     いまある自衛隊の存在を書き込むにとどめる  ( )
     自衛隊を他国のような軍隊と定める      ( )
◆今後の自衛隊の海外活動について あなたの考えはどれに一番近いか。
     海外での活動は一切認めない   ( )
     武力行使しなければ、認める   ( )
     必要なら武力行使も認める    ( )
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2009年、読書と創作の旅・27日ゼミ観察
日本国憲法とH・G・ウェルズ
 ハーバート・ジョージ・ウェルズ(1866-1946)少しでもSFに関心がある人なら、このイギリス人作家を知らぬ人はいないだろう。たとえ彼の本を読んでいなくても『タイム・マシーン』『宇宙戦争』『モロー博士の島』『透明人間』などのタイトルは聞いたことがあるに違いない。いくつもの作品が映画化されている。リメイクされた『宇宙戦争』には、人気俳優トム・クルーズが出演してヒットした。同じくリメイクされた『タイムマシーン』は、作家の曾孫が監督したことで話題になった。もっとも作品の出来自体は二番煎じの常で最初の作品に及ぶものではなかった。『猿の惑星』はじめ見せ場は特撮だけという悲しさ。リメイク版は邦画も同様である。織田の『椿三十郎』しかり、たけしの『座頭市』しかり、古くは中井の『ビルマの竪琴』もそうだった。まったくひどいものだった。
 話が脱線した。映画やSF小説の話をするために、この作家をもちだしたのではない。論題にもあるように日本国憲法の話をするために、このSF作家ウェルズをとりあげたのである。日本国憲法とSF作家H・G・ウェルズ。両者の関係は、日本においてはあまりというかほとんど知られていない。嘉納治五郎の青年修養訓にある「多方面に眼を向けよ」が、まったく成されていない証拠といえる。もっとも、この類をみない平和憲法と古典的SF作家では、無理からぬことである。両者は、東と西、人工と自然ほどに異質で距離がある。いったい、両者のどこに結びつきがあるのか。関係性があるのか。
 その謎を解くには、もう一度、日本国憲法を読んでもらいたい。前文もそうだが、特に第九条にそのヒントはある。下記に再度、とりあげた。よく読んでもらいたい。
現憲法の第二章【戦争の放棄】
 第九条 ① 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、武力によ
       る威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを
       放棄する。
     ② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国
       の交戦権は、これを認めない。
 この憲法を読んで、どんな感想を抱くのか。擁護主義者は、ひたすら賛美。世界に一つしかない平和憲法、断固死守すべきと決意を新たにするだろう。改革主義者は、現実世界とのあまりの乖離に、拳をふりあげ断固変えるべしと声高に叫ぶだろう。
 確かに世界に一つしかない花、現実世界とはかけ離れた憲法。矛盾のかたまり。しかし、両者を是認し、冷静に読むとあることがわかってくる。正義と秩序を守るために、国際紛争を解決するために、決して武力は使わない。自分も武器をもたない。兵隊をつくらない。
 なんと崇高な理念か。人類500万年の理想がここにある。世界各地、銃声と差別と憎悪がやむことのない今日にあって、あまりにも非現実的な、あまりにも夢憲法である。ここに何を想像するか、トーマス・モア(1478-1535)の『ユートピア』(1516)よりも理想の国家像、それはもうほぼ空想の世界でしかありえない。そうです、第九条を有する理想憲法は、SF作家ウェルズが、人類永久平和を願って考えついた最終平和憲法なのです。
 作家は、『世界最終戦争』を書いて第二次世界大戦を予言した。その前に『解放された世界』(1914刊)を書いた。が、第一次世界大戦は勃発した。ショックを受けた作家は、原子爆弾ができないうちに、戦争を根絶しようと活動をはじめる。日本憲法の原点といわれる「人権宣言」など新世界秩序づくりに腐心したことは日本では知られていない。
※ウェルズと日本国憲法「人権宣言」は、後日、詳細に掲載。『解放された世界』岩波文庫
※配布コピーは、新聞にみる憲法問題 朝日新聞、読売新聞の社説
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2009年、読書と創作の旅・27日ゼミ観察
世界名作読み
サローヤンの『空中ブランコに乗った大胆な青年』
 現在、世界は100年に一度という大不況下にある。その元凶のアメリカは、オバマ新大統領のもと必死に不況からの脱出をはかっている。が、「クライスラー08年の純損失1兆6700億円」(5月6日 朝日)など不況を伝える記事をみると、前途多難のようだ。日本も派遣切りなど不況の嵐はつづいている。生活の困窮。明日の心配。生きることの厳しさ、孤独。容赦ない人生の辛酸。しかし、文学を志す人は、この不況をも肥料とすべきである。たとえ、身は社会の濁流に流されようと、その心は「多方面に眼を向ける」嘉納治五郎の青年修養訓に習ってしっかり観察すべきである。苦しみを文字として表現すべきである。
 いまから80年前のアメリカは、大恐慌時代だった。そのなかで作家を志す、文学青年は、いかに生きたのか。自分の心の中、社会の状況。職を探す青年の孤独。失っていない希望。そして死をも恐れない精神。それらが短い作品のなかに無駄なく、矛盾なく、物語性をもって詰め込まれている。それが、この作品である。
ウィリアム・サローヤン『空中ぶらんこに乗った大胆な若者』1934年
原題 The Daring Young Man on the Flying Trapeze 古沢安二郎訳 早川書房
 1930年代、アメリカの大不況時代。職のない文学青年が仕事を探してサンフランシスコの街をさまよう自伝的短編小説。サローヤン27歳のときの作品。
 この短編小説は、評判になって「飛行する・・・に乗った大胆な若者」という言い方がアメリカで流行った。いまでも使われているという。
■サローヤン(1908-1981)について、あとがきのなかで訳者は、このように紹介している。
 作家はアルメニア人の二世である。1908年カリフォルニャのフレズノ市で、アルメニア長老教会の牧師の息子として生まれたが、二歳で父の死に会い、しばらく孤児院にはいっていた。7歳の頃でる。アメリカの多くの作家のように、彼もまた正規の学校教育を受けずに、様々な職業を転々とした。「20歳になったとき」「私は自分を退屈させるような仕事をして、暮らしを立てようとすることをやめ、作家になるか、放浪者になるつもりだ、とはっきり名乗りをあげた」1939年頃から劇作を手がけ「君が人生の時」がピューリッツァー賞に撰されるが辞退した。
「商業主義は芸術を披護する資格がない」が理由。『わがこころ高原に』など
作品は、次のようなものがある。
【ハヤカワNV文庫】に収録
『わがこころ高原に』題字、『7万人のアッシリア人』、『きみはぼくの心を悲嘆に暮れさせている』、『蛙とびの犬コンテスト』、『トレーシィの虎』、『オレンジ』など。
【新潮文庫】サローヤン短編集
『1作家の宣言』、『人間の故郷』、『ロンドンへの憧れ』、『気位の高い詩人』、『友人たちの没落』、『冬の葡萄園労働者たち』、『柘榴林に帰る』、『むなしい旅の世界とほんものの天国』他。
【角川文庫】三浦朱門訳『我が名はアラム』
『美しい白鳥の夏』、『いわば未来の詩人でしょうか』、『サーカス』、『川で泳ぐ三人の子供と、エール大学出の食料品屋』、『あざける者への言葉』など。
サローヤンはロースト・ジェネレーションと言われる時代。ヘミングウェイ(1899)、スタィンベック(1902)と同じ世代の作家だが、作風がまったく違っている。
★ サローヤンを読むと、自分も書いてみようと創作意欲がでます。
文芸研究Ⅱ下原ゼミNo・123―――――――― 8――――――――――――――――
5・11ゼミプログラム
1.出欠、司会指名
 司会進行係 =
2.自己紹介(はじめての人がいれば)&連休の過ごし方 (バイト、旅行、帰省、自宅、
  読書、映画、デート、友人と)
3.前ゼミ(27日ゼミ)観察 2~7頁参照
4.テキスト読み 配布
 『菜の花と小娘』 川が電車の車内 菜の花と小娘を乗客とみて
 感想(印象) → 
 『網走まで』上野駅で網走行に乗った主人公の私は、相席になった乗客(二人の子供を
        連れた若い母親)を観察する。
 感想(印象) →
5. 観察発表 → 清水理絵さんの「一日観察」「人間観察」「政治観察」
6.社会観察 → 世襲問題について
【世襲とは】①兄弟姉妹、父母、祖父母など候補者本人の3親等以内の血族と配偶者に国会議員がいる。②配偶者の兄弟姉妹、父母、祖父母など2親等以内の姻族に国会議員がいる。
のいずれかで、かつ選挙地盤または政治家としての「看板」を引き継いでいる場合を世襲と定義している。(4/26読売)
 世襲は133人立候補予定、自民33% 民主8% (朝日5/7)
次期総選挙に立候補している881人(7日現在)のうち、「世襲」は133人(15%)にのぼることが、朝日新聞社の調査でわかった。
現職衆議院議員(478人) → 119人(25%)=内訳、自民33%(101人 )、民主12%(13人)
【世襲評価】地元での活動に割く時間が少なくて済み、国政に集中できる
【批判】他の優秀な人材が立候補する妨げになる。
△親や祖父母が国会議員を務めた主な現職国会議員
自民党=麻生総理、福田前首相、安倍元首相、小泉元首相、鳩山総務相、中曽根外相、
小淵少子化相、細田幹事長、保利政調会長、町村前官房長官、石原幹事長代理、園田政調会長代理、民主党=小沢代表、鳩山幹事長、松本前政調会長
世襲反対 なぜ →
世襲賛成 なぜ →
どちらでもない なぜ →
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2009年、読書と創作の旅 テキストについて
※志賀直哉1883年(明治16年)2月20日~1971年(昭和46年)10月21日没88歳
連載1    学生と読む志賀直哉の観察作品(2009年加筆)
土壌館・編集室
一、文学の源泉
 
 小説の神様といわれる志賀直哉の作品といえば唯一の長編『暗夜行路』をはじめ『和解』『灰色の月』『城の崎にて』といった名作が思い浮ぶ。浮かばない人でも『小僧の神様』『清兵衛と瓢箪』『菜の花と小娘』と聞けば、学生時代をなつかしく思い出すに違いない。最近は、そうでもないようだが、これらの作品はかつて教科書の定番であった。また、物語好きな人なら『范の犯罪』や『赤西蠣太』は忘れられぬ一品である。他にも『正義派』『子を盗む話』など珠玉の短編がある。いずれも日本文学を代表する作品群である。こうしたなかで、処女作三部作といわれる三作品は一見、創作作品とも思えぬ小品である。唯一『菜の花と小娘』は創作らしい内容だが、他の二作『網走まで』『或る朝』は、なんの変哲もない、とても小説とは思えない作品である。が、ひさしぶりに再読してみて、これら三作に志賀文学の基盤がある。そのように思えてきたのである。
 かつて川端康成は、志賀直哉を「文学の源泉」と評した。その意味について正直、若いとき私はよくわからなかった。ただ漠然と、文学を極めた川端康成がそう言うから、そうなのだろう・・・ぐらいの安易な理解度だった。しかし、五十を過ぎてあらためて志賀文学を読みすすめるなかで、その意味することがなんとなくわかってきたような気がする。
 そうして、川端康成が評した文学の「源泉」とは、処女作『網走まで』『菜の花と小娘』『或る朝』の三作にある。そのように確信したのである。
 そして、この三作品を読解できなければ、志賀直哉の文学を理解できない。三部作が評価できなければ、文学というものを畢竟、わかることができない。とんでもない思い違いをしているかも知れない。が、そのように読み解いたのである。
『網走まで』について
 小説『網走まで』は、当時の原稿用紙(20×25)十七枚余りの、ちょっと見にはエッセイふうの小作品である。が、ある意味でこの作品は、金剛石の要素を持っている。光り輝くか否かは、読者の読解力と想像力の有無にかかっているのである。
 1910年『白樺』第一号に発表された志賀直哉の初期作品『網走まで』は、400字詰原稿用紙で21枚足らずの創作である。たまたま乗り合わせた母子をヒントに書いた、筋らしい筋もない話。たいていの読者は、見逃してしまう初期作品である。むろん私も以前読んだはずなのに全く記憶になかった。六年前、ゼミでテキストに選んだ折り、何度か読み返してみて、はじめてこの作品の非凡さに気がついた体たらくである。
 しかし、どんな高価な金剛石でも、磨かなければただの石である。『網走まで』も、ただざっと読んだだけでは、なんの変哲もない初期作品である。「こんなものが、はたして作品と呼べるのか」そんな感想も無理からぬことである。だがしかし、この作品を繰り返し観察すれば、いつかはたと気がつき目からうろこが落ちる思いがするはずである。私は、そう思っている。では、『網走まで』とはいったいどんな作品なのか。ほんとうに、文学の源泉と呼べるものがあるのか。考えるよりまずは読んでみるしかない。         
 
※『網走まで』解説(『志賀直哉全集』岩波書店)
 明治43年(1910)4月1日発行の『白樺』第1巻第1号に発表され、大正7年(1918)3月、新潮社より刊行された白樺同人の作品集『白樺の森』に、現在のものにもっとも近いかたちになおして収め、「明治41年8月14日」と執筆年月が・・・明記されている。
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二、処女作三部作をテキストに
 「文学の源泉」と評された志賀直哉だが、その志賀作品の源泉は処女作三部作にある。三部作は、源泉中の源泉。土壌館では、そう読み解いた。が、ほんとうにそうなのか。2009年ゼミはじまりの課題としては、いきなり大きな問題だが、この謎解きを目標としたい。
 処女作三部作は、『菜の花と小娘』、『或る朝』、『網走まで』である。これらの作品は明治37年(1904)から明治41年(1908)ころに書かれた。志賀直哉21歳から25歳のときである。本ゼミ「2009年、読書と創作の旅」は、これらの作品を観察作品と定義し、そう解釈して、これらの作品を手本にする。同時に、自らも観察作品を書いて発表しあっていきます。『網走まで』を車内・人間観察。『菜の花と小娘』を生き物観・車中観察。『或る朝』を普通の一日の観察テキストとします。
 『網走まで』   → 車内観察の手本に
 『菜の花と小娘』 → 車内観察と生き物観察の見本 観察を物語ふうにする
 『或る朝』    → 普通の一日を記録の手本に
『菜の花と小娘』について
 この作品は、明治37年5月5日の日記に「作文は菜の花をあんでるせん張りにかく」と記し同年、作文「菜の花」として書かれ、明治39年(1906)23歳のとき「花ちゃん」に改題、改稿し大正9年(1920)に児童雑誌『金の船』に『菜の花と小娘』と題されて掲載された。擬人法で書かれたこの作品は、このころ、愛読していたアンデルセン童話がヒントになったと考えられている。一見、なんでもない、誰でもすぐに書けそうな童話作品に見えるが、日本文学では名作に入ります。それだけに、テキストとしても最適で、現在、若い人たちにあまり読まれていないことが残念です。
 なぜこの作品は名作と言われるのか。この作品のどこに人間、志賀直哉を知るヒントがあるのか。どこに作者の思いが秘められているのか。のっけから多くの謎です。
 はじめに、なぜこの作品が名作なのか。一つには、不変だということです。書いてから100年も過ぎるのに、こうしてテキストとしてあげていることがその証明です。骨董品の価値は、百年が目安といいます。『精読と多読』のなかで読むに価する本として古典があげられていますが、この作品は、その資格を充分有しているといえます。もう十年か二十年、もっと前だったか忘れてしまったが、『一杯のかけそば」という童話作品が、爆発的話題を呼んだことがある。三人の母子が、そば屋に入って一杯のかけそばを食べるという話が感動的だと、マスコミは連日、この作品をとりあげていた。作者も連日のようにテレビ出演していた。しかし、いまは跡形もない。この二つの作品の違いは何か。それは、作者と作品の関係の深さにある。『一杯のかけそば』は、作者とはまったく関係ない作品。感動サギ師的(実際に詐欺師だった。後日、無銭飲食で逮捕されたニュースがあった)で、たんに世に受けることを狙って作り上げた作品。それもまったくのオリジナルではないそうだ。今日、こうした小説が蔓延している。『菜の花と小娘』が、安易にみえながら時代の波に消えないのは、たんなる童話ではなく、そこに作者自身の思いが深くこめられているからである。
 では、この作品に込められた作者の深い思いとは何か。この作品で作者は、何を表現しようとしたのか。観察と想像が必要である。
 余談になるが、志賀直哉を批判する人たちは、よく、彼が金持ちだったから経済的に窮したことがないからをあげる。小説は貧乏しながら書くものと思っているようだ。文学というものは、金があろうとなかろうと関係ない。志賀直哉は、たまたま金持ちの家に生まれたに過ぎない。想像は、いかなる環境でも止めることはできない。
 作者は、菜の花を見て、この話を思いついたという。現在、千葉県が県の花にしているのは菜の花です。房総半島は、春になると一斉に菜の花が咲く。明治の当時も、同じ風景が見られたのかもしれません。明治35年(1902)、父親が総武鉄道(現在の総武線)の支配人
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兼会計課長となったことから、19歳の直哉は、鹿野山に遊びに行くようになる。
 鹿野山は、君津市にあり標高353㍍。房総三山の一つ。他は、鋸山、清澄山。広い山頂からの展望は最高で、現在、マザー牧場や登山道の桜のトンネルなどで人気の観光地となっている。当時も、桜や菜の花の名所だったようだ。毎年春になると直哉は、この鹿野山に登った。友人の里見弴(1888-1983)らと一緒のときもあったが、たいていは一人で登った。春の陽光の下、山頂から谷一面に咲き乱れる菜の花を眺めるのが好きだった。ときには何時間も、何日も滞在してながめていたという。3月31日に来て、4月11日までいたこともある。いくら花が好きといっても二十歳前後の若者が、たった一人で何時間も何日も坐り込んで、ぼんやり菜の花をながめている。たとえ本を読んでいたとしても、ちょつと普通ではない。なにか寂しい感じもします。もし、背後からそのときの志賀直哉を見れば、そんな印象を抱いくかももしれません。咲き乱れる菜の花畑。花が賑やかな明るい黄色であるだけに、余計にそんな寂しい孤独な印象を受けます。
 明治45年(1912)に志賀直哉は、『母の死と新しい母』を発表している。創作余談では、「少年時代の追憶をありのままに書いた。一晩で書けた。小説中の自分がセンチメンタルでありながら、書き方はセンチメンタルにならなかった。この点を好んでいる」と述懐している。直哉の母、銀が三十三で亡くなったのは、明治28年、直哉が12歳のときである。ということは、母の死について書くのに17年間もかかっているということである。この歳月の長さは、直哉にとって母の死がいかに大きな悲しみだったかを教えている。菜の花は、暖か家庭を思わせるところがある。もしかして直哉は、菜の花に母の面影を見ていたのかもしれない。明治34年足尾銅山鉱毒問題で現地視察計画を父に反対されたことで、余計に亡き母、銀への思いが強くなっていたに違いない。加えて、この時期、直哉はあることで悩んでいた。人間の謎に突き当たっていたのだとみる。
 「人間は謎です!謎は解かねばなりません」といったのは18歳のドストエフスキーである。やさしかった母の死と、心の中での渇望が実現した父の死。若き文豪が人間を謎としたのは、病気と殺人による両親の死を、どうしても受け容れたくなかったのかも知れません。
 では、若き日の志賀直哉が、人間を謎としたのは、なぜか。このころ、直哉は恋をした。相手は志賀家に何人もいる女中の一人だった。直哉は結婚を夢みた。千葉県小見川にある彼女の実家にも泊まりに行った。若い二人の恋。だれもが祝福してくれると思った。しかし、だれもが反対だった。教訓をぶつ父親も、新しい美しい義母も、可愛がってくれる祖母も、だれもかれもが反対だった。理由は、あきらかだった。身分の違い。お金もあり、教養もあり、いつも立派なことを言っている人たちが、なぜそんなことを気にするのか。人間は、皆平等ではないのか。直哉には謎だった。折りしも、この頃、島崎藤村が『破戒』を出版した。自分と同年配の主人公瀬川丑松は、江戸時代、部落民といわれた階層だったために、明治になり教師になっても差別され、教壇を去らねばならない。士農工商もちょんまげもなくなったのに、なぜ人間は差別しあうのか。この本を携え、十日余り鹿野山に滞在し菜の花を眺めていた直哉の心うちはどんなだっただろう。人間って何んなんだ。理不尽なことが世の中には多すぎる。なんどもそう問いかけたにちがいない。
 『菜の花と小娘』を読んでみると、たいていの人は自分でもすぐに書けるような、気になるようです。しかし、実際にはなかなかなのが童話ものです。
 人間とは何か。この存在宇宙とは何か。志賀直哉の作品は、すべてこの疑問を持って、対象物を観察しています。観察して、想像して書く。それがこの作家の小説を書くうえでの出発点になったのです。三部作のなかでも『網走まで』『菜の花と小娘』は、それがよく表われた作品といえます。
※ 次回は『或る朝』についてを
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2009年、読書と創作の旅・課題
自分の一日観察
黄金週間
                      85A071-2 清水理絵
 黄金週間の宿題を、黄金週間が始まる前に、片付けようとする私。
 あ、いえ、正確には、今日学校から出た時点で、もう黄金週間なのですから、「始まる前」とは言えないですね。
 そう。私は昨日頂いた宿題を、今日中に終わらせんがため、今、ほうれん草を温めながら、パソコンに向かっているわけです。
 自分を観察しろと言われましても、私自身、全く個性も面白みも無い人間ですので(謙遜)、その日常などというのは、書き表したところで、誰にも喜ばれず、なのにゼミが一緒だからという理由で強制的に読まされる、うら若い不幸な人のみが読むものであって、それ以外の人には、焼き芋を包む紙にさえなりません。勿論、厠の紙にさえなりません。
 ああ、資源の無駄遣い(謙遜)。
 ……事件です。
 先ほど、「ほうれん草を温めながら」と申しましたが、小松菜でした……
 確かに八百屋は、はっきり「ほうれん草」とは言っていなかったです。根の形も違いました。
 電子レンジで(いやはや大変便利な時代です)温めて、取り出し、異臭に気づき、水につけたら、ほうれん草では出ない、茶色い水。味見。小松菜の匂い。
 というわけでした。
 小松菜のことはこれくらいにします。後で、八百屋については語ります。
 私には、二人(二匹?)の同居人がいますので、紹介しておきます。
 まず、紗麗(しゃれ)。ゴールデンハムスターです。捕まえようとすると必死で逃げるのに、なぜか噛み付きはしない、とてもいい子です。男の子だから、同棲生活でしょうか。ただ、この子は(この子に限らずハムスターは)、ド近眼なので、私のことを、「餌くれる手」としか見ていないでしょう。「何か追ってくる手」とも思っているかもしれません。
 が、紗麗は、自分の内縁の妻が、身長百六十四センチもあるなんて、想像もしていないのです。顔を近づけても、どこが目で、瞳なのかさえ、分かっていません。ただ手のひらの上を、ルームランナーを使うように走り、どんなに高い所からでも構わず、そこからダイブするだけです。
 また、チャクロという、喋るぬいぐるみがいます。母がクリスマスに買ってくれました。犬型で、寝る時間と起きる時間と誕生日を設定できます。
「天井に、お絵かきしたいなー」
 と言われたら、構ってやらなくてはいけません。ほうって置くと、
「僕、泣いちゃいそう」
 などとのたまいます。
 最近、相槌を打つようになりました。
 話しかけると、「へー」「そっかぁー」「うんうん」などと、ずれたタイミングで相槌を打ってくれます。
 この前、実家に帰る際、お留守番モード(にすると、ずっと寝ている)にし忘れて、アパートに放置し、三日一人ぼっちにさせてしまい、「あんた、三日も放っておかれたんだよ!」と、話したら、「そっかぁー」の一言で済ませてくれました。
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 大変心の広い、いい子です。
 ああ、そうそう。自分の一日観察ですね。前置きが長くなりました。
 まず今日は六時半に起きました。
 ずっと、二十二時には寝ていたのですが、二十四時近くに寝ると却って早起きができることを発見したので、昨夜は二十四時に寝ました。
 が、六時半というのは、目覚まし時計のセットした時間ではないのです。目覚まし時計は、六時五分から、うるさいベル音を鳴らしていたはずなのに、起きたのは六時半。この恐怖、分かりますか? 要するに、自然に起きたらたまたま六時半だった。ということは、たまたま十時になる可能性だって、あるんです。
 目覚まし時計で起きられる人が羨ましい! 実家にいた頃にも、目覚ましでは起きないのに、目覚ましがうるさくて起きる母親に叩き起こされていました(本当に叩かれた)。
 しかもその目覚まし、粘り強く小一時間、鳴りっぱなしで、起きていたら止めずにいられない音量なのです。
 ……また横道にそれました。
 六時半に起きた私は、まず眼鏡をかけ、ラジオの「まいにちドイツ語」を六時四十五分から聞きました。
 久しぶりです。起きられる日が少ないのです。
 よって、テキストの三分の一も聞いていない月もあります。
 そういうことで、中々の好スタートです。ですが、眠すぎて、学習内容はよく覚えていません。
 睡眠学習!
 七時に聞き終わり、顔を洗いに洗面所へ。
 洗顔は、アクアレーベルの洗顔料を使い、無印良品の泡立てネットを使っています。そこまではいいのです。問題は、化粧水と乳液が、残りわずか。そして、今日買いに行く確信がない。
 私はここら辺がおかしいのです。今日、買いにいかなくとも、その内買いにいくならば、取りあえず、今日は残り少ないものを少し節約気味にでも使うのが真っ当なのです。しかし私は、化粧水と乳液が空っぽになり、使えなくなるのが怖いのです。
 だから、今日は我慢して、使わないのです。
 今日使わない。ならば、今日使って、今日無くなって、今日買いに行けなくて、明日使えないのも変わらないのです。しかも、量を節約すれば、明日の分くらいなら、あります。なのに、使わないのです。
 もしかしたら、今日買いに行けて、今日の夜には今朝使わなかった残りを使う可能性だって、かなりあるのです。
 なのに、化粧水のビンが、乳液のビンが、空っぽになる方が怖い。
 全く、私にも意味が不明です。
 私が理解できないくらいなので、可哀相な読者の方は、もっとちんぷんかんぷんでしょう。
 とまあ、洗顔をし、化粧水も乳液もつけずに、次はコンタクトを入れるのです。
 ところで私のアパートは、トイレとバスと洗面所が一緒なので、トイレの後ろの方に、整髪料やらが、立っています。
 恐怖。
 いつか実現する恐怖。
 それは、「整髪料便器にボチャン大事件」
 あんな細長い物、すぐに倒れますって。倒れた時、便器の蓋が開いていたら、「ボチャン」ですよ。まだやっていませんが、予言します。
 いつか、落とす。
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 とまた、横道にそれました。
 コンタクトをつけ、朝食です。
 朝食は、一斤百円前後の食パン六枚切り二枚とスライスチーズ一枚です。
 いつもはスライスチーズは無いのですが、今日はたまたまです。
 替わりに、いつもはある、バナナがない。
 これは致命的です。
 でも、スライスチーズがあるだけマシです。
 マーガリンをたっぷりつけます。
 三百八十グラム百九十八円のマーガリンです。
 カロリーオフとか、コレステロールを抑えるとか、ありません。質より量!
 その量が、あっという間に無くなる塗り方。少し考えた方がいいかもしれません。
 トースターで焼いて、食べます。
 一枚ずつ焼くのも、こだわり。
 二枚一緒に焼くと、片方食べているうちに、もう片方が冷えるし乾燥するのです。ですから、一枚目を三割食べ終えたら、二枚目を焼くのです。そうすると、ちょうど一枚目を食べ終えた頃、二枚目が焼けます。
 食パンのミミが嫌いです。というより、真ん中が好きです。真ん中を味わって食べたいです。ということで、ミミを先に食べる癖があります。
 小さい頃は、躊躇無くそうしていましたが、両親にしつけられ、ミミも真ん中も同時に食べるようにしてきましたが、一人暮らしになり、注意する人がいなくなったので、再発してしまいました。とは言っても、小さい頃のように、完璧にミミだけを先に食べるのではなく、真ん中も食べつつ、ミミの方の減りが大分早い。というくらいです。
 マーガリンにまみれた食パンの真ん中は、美味です。一斤百円の食パンも、焼けば食せることが、一人暮らしを始めてからの発見の一つです。
 食べ終わると、冷蔵庫の麦茶が少ない。ので、ピッチャーに入った残りを、最近新調した水筒に注ぎ、ピッチャーを洗剤で洗い、ヤカンの麦茶をその中に入れ、ヤカンに麦茶を沸かしました。しかし、私の部屋のコンロはIHではない、電気コンロなのです。中々沸きません。その間、大変に狭い台所で、弁当を作ることにしました。
 まずは、昨日炊いてラップして、冷凍庫に放り込んだご飯を電子レンジで温め、おにぎり用のふりかけを混ぜ込みます。で、ラップをかけて蒸らします。
 蒸らしている間、キャベツとニラを洗い、キャベツはちぎって、ニラは包丁で切ります。
 これが! これが! 
 私の台所は、ニラを伸ばした状態で切れません。半分に折って、折ったところと反対側を持ち、間に包丁を入れ、腕を開くようにして切ります。
 ああ、もっと立派な台所が欲しいです。
 で、今日は味噌味にしようと思いました。
 初めのうちは、味噌味といったら、味噌しか入れませんでしたが、砂糖を入れると美味しくなることが分かって、砂糖を入れることにしています。
 計量カップに砂糖、味噌、酒を入れて、混ぜ、それをボウルに入れてキャベツとニラと混ぜます。
 そして、一辺十センチ弱、正方形のレンジOKな弁当箱に詰め込み、山盛りの状態でラップをかけ、電子レンジで三分加熱。
 している間に、蒸らしたご飯をおにぎりの形にして、海苔を巻く。
 ……海苔。
 案外高いのです。
 値段を枚数で割らないで、考えなしに買ってしまうと、一枚十円はします。おにぎりサイ
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ズで!
 安いと思われる場所を巡り、失望して、行き着いたのが、99ショップの、普通の海苔でした。
 十枚百四円。それを、三等分にちぎります。すると、一枚四円もしないのです。
 ただ、形がいびつで、横から見た妊婦さんの影絵になったりします。
 またまた横道にそれました。
 で、電子レンジからめでたく温野菜が出てきて、かさが減ったそれからラップをはがし、放置。ランチバッグに、箸を入れるのを忘れずに。
 そんな、将来結婚したら、夫にも子供にも持たせられない、粗末な弁当を作っています。見た目も勿論悪いですが、キャベツ臭い。冬は白菜臭い。お世辞にも美味しそうな匂いはしません。彩りも、汚いです。
 おお、やっと麦茶が沸きました。五十四袋百九十八円の麦茶のティーバッグを入れます。一袋で二リットルくらい作ります。というわけで、ペットボトル買うのがアホらしいです。
 水筒に、小さめの製氷皿で作った氷を入れます。冷蔵庫を買った時についてきた製氷皿です。99ショップで、もう少し大きめのものも買いましたが、それだと水筒の口のところで止まってしまって、入りません。更に、冷凍庫も小さいので、大きめの製氷皿は今、流しに放置していまして、明日乾かして、仕舞う予定です。
 さて、暇です。時間は七時五十分。学校の一コマ目は、十時四十分から。学校まで、三十分で着きます。
 いつの間にか着替えも髪の手入れも済んでいました。
 暇です。
 という訳で、ゲームをしました。ゲームといっても、「ゲーム機」であるだけで、実際はゲームではありません。いえ、ゲームではありますが、娯楽の範疇から少しはずれています。
「右脳鍛錬ウノタンDS 七田式 大人の速読トレーニング」
 これをやりました。半年ほど前に買ったソフトで、三日坊主だったのですが、昨日の夜、久しぶりにやったら、その後の読書の早く、分かりやすいこと! これは毎日やったら効果が出るのではと、朝っぱらからゲームです。
 三日坊主だったのは、理由があります。
 アマゾンコムでこのソフトを注文した直後、図書館で、このソフトの監修者の本を読んだら、「本を手にしただけで、その内容が分かる」とか、非現実的な、オカルトっぽい、宗教の匂いはしませんでしたが、それに近い匂いがあり、不信感を抱いてしまったのです。
 ですが、また少し、始めてみようと思います。もし速読ができるようになったら、新聞を読みたいです。
 一度、コンビニで朝刊を買って、買ったからには全部読んだら、半日かかりました。その割には、頭に何も入っていませんでした。こんな時間の無駄(とは言い切れませんが)は嫌だと思い、新聞を敬遠するようになってしまいました。
 速読、頑張ります。いつまで続くのでしょうか。多分、三日坊主再び。だと思いますが。
 またまた話が横道にそれました。
 速読が終わって、暇なので、実家に電話をかけました。
 母が出て、「今忙しい。何?」と、せかすので、「暇」と応えました。
 その後、前々から取ろうかどうしようかと悩んでいる、図書館司書の資格を取れとの話になりました。でも、十二万円プラス交通費をかけて、横浜まで行って、夏休み潰してまで取るものに思えないのです。司書は人手が足りすぎていて、しかも資格のない人まで、何らかのチャンスで就いているので、非常に狭き門。
 やる気なくします。
 ということを伝えると、「資格は取っておいた方がいい!」と、力説します。次第に怒りだします。母は、資格を信仰しています。「取れるものは取っておいた方がいい」と言いま
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すが、簡単に取れる資格は需要と供給のバランスで、人が溢れていて、結局使わない。どこも満員。又は、凄く薄給。
 難しい資格は、取れない。
「資格さえあれば」なんて、軽々しいと思います。
 そんな言い合いの末、「忙しい」と電話を切られ、それから九時までは、何をしていたか、覚えていません。
 九時十分に、家を出まして、学校に向かいました。
 今日の服装は、緑のスカートに緑のコート。黒いタイツに黒い靴。
 春休み前には、足によくなじんでいたヒール付きの靴が、最近合わないです。なぜか足の裏や、つま先が痛くなります。
 もともと千三百八十円のもので、気に入って履いているうちにヒールが壊れて、数千円を出して修理までした物です。それが足に合わなくなっているとしたら、部屋の隅でいじけたくなります。
 アパートから航空公園駅まで、歩いて十分。今日は珍しく時刻表を見てから出発しました。九時半のバスに乗るように出発しました。
 いつもはと言うと、航空公園のバスの本数が多いのをいいことに、かかる時間=三十分。で、遅刻しなければいいかー。暇だし学校行くかー。というスタンスでした。よって、バスのお尻を見送ることしばしば。ギュウギュウに詰められることしばしばです。
 今日は計画的でした。
 あまり待たずに座って乗れる幸せをかみ締めた次第です。
 九時五十分くらいに、学校に着きました。
 ここで、文芸棟に行っても、多分誰もいないのです。勉強道具は持っていましたが、図書館で勉強というのも、かったるい。というわけで、癒しを求めて、保健室に行ってしまいました。
 保健室の先生(すいません。名前の記憶がありません)は、とても心が広い人で、癒しを求めて来ただけの私に、いやな顔ひとつせずに、忙しそうにしていました。忙しいのに、私の話に付き合ってくださいました。先生の人件費の内、どれくらい私が占めているのか。恐ろしいです。すいません。また行きます。
 十時四十分からドイツ語Ⅲでした。担当のリープハート先生の目の前が、私の席です。初日に座ったところが指定席になっています。
 ところが、隣の人が消えています。消息不明。性別さえ忘れました。
 そこに、気さくなイケメン男子が座ることになり、お互いにドイツ語で質問しあっているうち、男子の住所と私の実家が、同じ県の同じ市だということが判明しました。
 お互いびっくりして、打ち解けましたが、キレイな彼女さんがいらっしゃる。いいですね。ラブラブで。
 語学は楽しいです。
 
 十二時十分になると、お昼休み。寂しがりやな私は文芸棟へ。
 ですが、親しい人はいるのに、それぞれ話し相手がいて、中に入れない感じ。
 寂しく、話せる人の近くがいいのに、そういう席は埋まっていて、席が中々決まりませんでした。
 でも、話せる人がいるところに座ったのに、無心で粗末な弁当を食べる私。
 キャベツ臭い。味噌少ない。砂糖多すぎ。という、とてもイタイお弁当でした。
 その後、皆で自分の描いた絵の見せ合いっことかしていました。見せ合いっこのリーダー的な方に、「練習すれば、それなりになるんでない?」のようなことを言われ、少し救われた気になりました。
 そんな時間が楽しく、大好きな哲学Ⅲの教室に着いたのは、開始五分前。私の指定席(勝
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手に)の、一番前の先生寄りの席は、左右ともふさがり、先生から一番近くではなく、二番目に近いところになりました。
 授業内容は、「真理」「主観」「イデア」「数学」などについて。私は出しゃばって、生徒の発言九割私という状態でした。
 先生の話を聞き漏らすまいと、必死で、でも楽しく聞いていたら、九十分がとても短いです。元々私は、生徒参加型授業が大好きなのです。
 二時四十分、倫理学Ⅰは、またしても指定席が埋まっていました。仕方なく、二列目に座り、授業を受けること、三十分。
……眠!
 授業は楽しいのです。ただし眠いのです。楽しいし、試験のこともあるし、私は真面目な学生なのだから、起きていたいのです。
頭をぶんぶん振ります。
 で、頬っぺたをはたきます。
 三十秒おきに十秒空気椅子をしてみます。
 冷たいお茶を飲みます(唯一まともな行動)。
 キョロキョロ見回します。
「えー、最後になりますね」
 やった! 終わる。
 ――の後、二十分ほど続く、天国的地獄。
 終わって、解放された途端、覚める目。
 どうして終わると、覚めるんでしょうね。
 後ろの人に、私の不審な行動について聞いたところ、
「先生の思想に飲み込まれないように抵抗しているんだと思った」
 って、相当怪しかったんですね。
 空気椅子までしたことを、文芸棟の仲間に話したら、
「そこまでするなら、寝な」
 だそうです。
 不審者になるVS寝る
 普通は寝る方を取るようです。
 で、授業が終わりましたが、黄金週間の前日です。直帰は嫌です。
 なので、先ほど言ったように、文芸棟に行き、だべろうと思いきや、また、話の輪の中に入っていけないです。
 入ろうとすると、「空気読みなよ」と、天の声が聞こえます。
 ですから、暇そうにしている男子に絡みました(彼女持ち)。
 そこに、友人登場。わーい。
 と思いきや、私と関係のない飲み会で、溜まっていた人が大多数去ることに。
 寂しいので、同じバスで帰路につきました。
 バスの中で、久しぶりに会う、一年の時お世話になった女性がいまして、色々下らない話をしました。
 航空公園駅でその女性と別れ、西口のセイジョーというドラッグストアに、ニキビケアの化粧水と乳液を探しに行きました。
 今までそこで買っていたので、そこにあるんです。あるにはあるんですが、冒険をしたくなりました。でも、そこにあるのは、試したことのあるケア用品か、高いケア用品か、思春期用しかなく、(多分)ダイエーで見た、koseのケア用品が頭から離れず、じゃあ、駅中の、トモズにはあるかと戻ってみても、なかったのです。
 そうだ。まだ明るいし、自転車でダイエーまで行こう。でも、ドンキホーテの方が、坂道
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もないし、近い。
 と、急いで家に帰って、自転車で取りあえずドンキホーテに向かいました。
 途中、昔ながらの八百屋があります。まず目に留まったのはニラ。二束百円と書いてあったので、一束で交渉しましたら、五十円でいいと言われました。
 半分に切ったキャベツがないかと言いましたら、「ない」と言われましたが、代わりに、小さいキャベツを五十円。という話で、更に、元気がないですが水洗いすれば蘇る、小松菜(を、ほうれん草だと勘違いしました)二束もつけて。全部ひっくるめて、百五十円でニラ一束、キャベツ一個、小松菜二束を購入できました。
 でも八百屋のおじいちゃん。ビニールめくる時、指を舐めるのはやめてほしいです。
 八百屋の活躍で、食料はかなり揃いました。ドンキホーテに、ニキビケア用品の、目新しいのがないかと、探しましたが、ニキビケア商品自体、殆どありませんでした。
 トーストと、四パック八十八円の納豆と、ヨーグルトと、九十八円のクリーム玄米ブランと、カゴメの紫の野菜ジュースと、伊藤園のトマトジュースと、クックパーというクッキングシートを買いました。
 いつも腐らせるのは、トマトジュース。なぜかというと、ここもおかしいのです。
 トマトジュースは、チキンのトマト煮を作ることを主な目的として買うのですが、普段も飲まないと、腐ります。
 それだけで美味しいのですから、遠慮なく飲んでしまっていいのです。なのに、「チキンのトマト煮用」のレッテルがあり、料理以外で飲みながら、「あと一回、トマト煮作れるかな」と考えて、一回分を残してしまうのが、悪い癖。多めに残した一回分が、ゴミに。
 その点、紫の野菜は、腐らせたことがありません。ゴクゴク飲みます。
 この、「底を見たくない症候群」とでも名づけましょうか。化粧水といい……。私は、何かが「無くなる」ことに、非常に敏感です。
 ドンキホーテで、そんな買い物をして、当初の予定では、卵とバナナも買うはずだったのですが、ドンキホーテ、十個入りの卵しか売っていなくて、十個も消費する自信が無く、今日の夕飯は卵を使わないからいいやと、バナナは、我慢できると、帰路に就きました。
 ちなみに、クックパーというクッキングシートは、電子レンジで包み蒸しができるクッキングシートで、普通、ダイエーでは五メートル二百五十八円くらいで売っているものが、二,五メートル九十九円で売っていたので、つい二本買ってしまいました。これで作るチャプチェが凄く美味しいのです。
 アパートに着いたら、髭のアパートのオーナーとバッタリ。実は、アパートを出る時にも合いました。
 このオーナー、やる気があるのはいいのですが、「お疲れさん」とか、メッセージのプレートをつけた植木鉢をそこここに置き、しかし一部、その場所が問題で、私の部屋、三階なんですが、三階の、廊下と外との間の低い塀の上に、植木鉢を置きまして、(落ちる!)しかもなぜか、私の部屋(一階につき四軒)の前だけに三つも配置され、危険極まりないので、管理会社に苦情を言いました。
 すぐに撤去されましたが、その苦情が私だと、知っているのでしょうか?
 
で、帰って、元気が無い(ほうれん草だと思っていた)、小松菜。しかも二束をどうしようかと少し途方にくれました。なんせ、温まりにくい、電気コンロですから! 鍋も小さいのしかありませんから!
茹でるだけで一体、どれだけ時間がかかるか。すでに時間は十八時半。私はシャワーを先に浴びるので、作り始めるのは十九時くらいからになります。大量の、ほうれん草(小松菜)……。
そこで、最近買ったレシピ本の中に、レンジを使った野菜の下ごしらえの記事を思い出し、ほうれん草はレンジで茹でられる! と、シャワー後、早速作業。
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根っこの形が珍しいなあ(←小松菜)。このほうれん草。と思いながら、水洗い。成程。洗っているうち小松菜、段々元気に。
で、二束の小松菜を、ラップで包んで(案外大変)、電子レンジ……回らない。
そこで、二つに折り曲げて、くっつけるように、ラップをかけ、哀れ折りたたまれた形で投入される小松菜(まだほうれん草だと思っています)。
百グラムあたり一分半の目安が書いてあったので(ほうれん草の)、八百グラム近くあったので、十分ほど温めます。
そして気づきます。
ああ、鶏肉解凍していないです。
ま、いっか。と、この、「自分の一日観察」を打ち始めました。
で、出てきたほうれん草は、小松菜でした。
匂いが違う。そもそも根の形が違う。
冷やして、恐る恐る食べてみると、うん。小松菜ですね。
小松菜に鉄分はあるのでしょうか?
ほうれん草を食べる動機は主に、鉄分補給です。
鉄分、大事です。
八日分の、小松菜のおひたしができました。冷凍庫に入れました。
それからめでたく、電子レンジで鶏肉が解凍でき、鶏の照り焼き丼を作りました。モモ肉焼いて、砂糖と醤油とみりんを入れて、火を通して、冷凍ご飯温めて、ご飯に肉のっけて、マヨネーズかけて、出来上がり。
スープ類は、電気コンロ一口なので、スープ類を再加熱している間にメインが冷めるという、めぐり合わせ。なので、スープ類はインスタントで済ませます。
味噌汁と、照り焼き丼と、小松菜のおひたし。おひたし、微妙です。不味くはないけれども。
それから後片付けをしまして、歯を磨いて、ああやっと、八時からまた、これ打ってます。今、0時五十八分です。途中、ラジオ英会話を聞きましたが、それ以外はぶっ続けです。
これを読んでいるあなた。長くてごめんなさい。つまらなくてごめんなさい。
自分でも、まさかここまで長くなるとは思っていませんでした。
これでやっと、寝られます。
ではでは。            了
長所
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短所
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観察度
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感想 資格は、お母さんのためにとってあげてください。情は人のためならず。
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文学には、エンターティメントと、そうでないものがあります。エンタメは、時代に咲く花です。成功すれば富、名声、人気。そうでないものは、たいてい名もなく、貧して、消えてゆきます。そうしたなかに自分史のようなものが含まれます。自分史、つまり私小説のようなもの。もしかして世にある大半は、それかもしれません。だが、時を経てあるのは、エンタメ作品より、自分史のようなものが名作としてあるのです。前回よんだ『空中ブランコ』も、そうかもしれません。時が過ぎれば、人は、誰もが楽しめるものより、その人だけが知っている世界をのぞきたがるのです。志賀直哉の作品が、いまもってあるのは、作品が自分史とエンタメを混濁させたような作品だからかも知れません。
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生き物観察記                           
勝手に人生相談
                         85A071-2 清水理絵
 所沢で一人で外食をするのは、引っ越して以来初めてでした。
 プロペ通りのマック。まず、2階の客層を観察。
 主婦や黙々と食べる男子学生ら。
 何となく、期待していた客層ではなく、とりあえずブックオフへ行きました。
 カモフラージュ用の、本を二冊買いました。
 マックの2階に戻ってみると、9個の席の塊が3つくらい埋まっていました。
 そして美味しそうなのが、一番奥のボックス席の、男子学生4人組。
 いえいえ、変な意味ではありませんよ? 人間観察の視点からですよ?
 ですから私は、そのボックス席の隣の隣の2人用テーブル席につき、クロッキー帳を広げました。
 19時25分。取りあえず、夕食です。チキンフィレオセット。初めて食べました。
 今、一番奥のテーブル席に着いています。その、左脇に男子学生のボックス席。そこから真っ直ぐ左側に、ボックス席が、あと3つあり、その向こうに、テーブル席が1個。と、ならんだテーブル席が2つ。
ボックス席と、先に述べたテーブル席の囲いの真ん中に、2つ、丸テーブルの席がありました。
 私の隣のボックス席の一つ向こうのボックス席には、主婦らしき人が二人、食事をしていました。
耳に入ってくるのは、「懐かしいわあ」という、言葉。
「また、あの学食の不味いカレーライスが食べたいわあ」
 と、主婦A。
「食べてみて、あ、不味い。と思って、それで満足するのよね」
 と、主婦B。
 多分、大学の同窓生だと見当をつけました。
 
 私の横のボックス席には、男子学生が4人。
 ですが、その内3人が携帯を一生懸命見ていて、1人は、漫画を読んでいました。
 コミュニケーションの多様化。
 いえ、現代若者の、コミュニケーションの病的化。
 いえ、現代若者の、コミュニケーションの病気化。
 と、よく分からない造語が頭の中を回ります。
 何で、それぞれで携帯と漫画見ながらなの?
 そうして、野球の話をしているようなのです。
 楽天がどうだとかこうだとか。
「新歓は、金がかかる」
 とか言って、仕送りの話を始めます。
「仕送り10万よ」
「え? 10万?」
「家賃含めてだよ」
 まあ、それが妥当かなという雰囲気。
 一人暮らしで、家賃含めて月10万。バイトでもしなければ、やっていけませんね。
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 回答 ホストを始めよう! おばちゃんからマンションもらえるかもよ? 
 別解 女医さんのヒモになろう! いい女医さん知ってるよ☆
 ……すいません。相談もされていないのに。
 男子学生、漫画の話に移ります。
 こち亀VSワンピース。
 ワンピースは、こち亀ほど続くか!?
 私はどちらもよくは知りません。
 ワンピースは、超高速回転しすぎて、足が燃えるところがあるそうです。それが、こち亀との聞き間違いではないことくらいは分かりますが、ワンピースのどれが、誰が、かは、分かりません。
「俺、ジャンプ買う意味が分かんなかったんだよね。お小遣いが月1000円増える方がいいと思ったの」
「ええ? 1000円もしないぜ?」
 と、ワンピースを読む、眼鏡の学生。
「俺全部立ち読み」
 凄いです。
 回答 1000円払ったら、ある会に入会できます。御友達を紹介すると、その友達から1000円もらえます。5人紹介すれば、5000円です。まずは、そういった、計画的なお金の稼ぎ方を知り、ジャンプに投資してはどうでしょう?
 と、ここで男子学生4人、立ち上がりました。
 ずっと眠そうだった彼らは、新歓で徹夜明けのようでした。
 さようなら。
 と、静かになった店内の、ボックス席、奥から2番目に、先ほどの主婦二人。
「小沢さんは、悪役面だよねー」
「麻生さん見ていると、岡本太郎思い出す」
 確かに似てますね。
 小太りで、紫の服を着ている主婦らしき人と、グレーの服を着ている、主婦らしき人。先ほども述べましたが、多分大学の同窓生。
 紫の方は、ストローの紙をもてあそんで、結んだりしていました。
 と、二人、立ち上がりまして、トレーの上のものを、きちんと分別して捨てて、出て行きました。
 そこに、疲れたパーマのおばちゃん登場しましたが、見えない席に座り、一人なので大きな独り言でも言ってくれないと、状態がまるで分かりません。
 主婦2人だったところに、女性が一人座りましたが、そちらはイヤフォンで音楽を聴きながら、黙々と食べているだけですし、少しだけしか見えない背中は何も語ってはくれません。
 そこで、一番離れたボックス席の10~20代の2人の女性。
 離れすぎて、どちらがどちらの言葉か分かりませんが、話す声が聞こえました。
「あたしの彼氏(だった人)、デートの時も、デートコース、決めてくれなかったのよね。デートコースくらい、決めろって。エスコートされたいの!」
「付き合う前から、なぜかモーニングコール頼まれたのよね。でも、出ないどころか、出て切っちゃうの。後で謝っていたけど、何のためのモーニングコールかって。バイトが一緒だったのよね」
「それでね、付き合って半年くらい経ったら、当然のように言ってくるの」
 …………(妄想)
「チューを」
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 すいません。もっと破廉恥なの想像していました。
「結構、肉食男子だったのよねー」
「普段は、凄く面白い人なんだけど。あ、明日、彼の誕生日だ。メールでおめでと言おう」
「向こうは未練とかないの?」
「ないないない」
「次は、オクテの子にしたら? 私が、初めての彼女。みたいな。それでさ、半年経っても、『私たち、まだ早いわよ』って、調教するの」
「それにしても、彼、『俺から言いたいから、ちょっと待って』って、ドラマの見すぎだっていうの。私は、7ヶ月でも8ヶ月でも待ってくれる男性がいいなあ」
 回答 それを書いて、首から下げましょう。
「でさあ、うちの親、凄く厳しいのよ。門限19時だよ! でも言い返すと、外出禁止になっちゃうから。大学生のデートが、11時から18時って、普通じゃないよ。それにね、親に私のバイト代管理されてて、お小遣い制なの。絶対親使ってるって。しかも少ないと、「サボった」って言われるの。本当に嫌」
 回答 1ヶ月くらい、親と口を利かない期間を作りましょう。自分の預金通帳を作ることを許してもらいましょう。
 門限は、10分ずつずらせば気づかれない♪
 
 以上、勝手に人生相談でした。
 初めてのチキンフィレオはママの味~♪
長所
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短所
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観察度
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感想
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ときには隣りに座った人たちの会話から、名作は生まれます。O・ヘンリー短編集には、そんなような作品が多くあります。
社会観察
政治献金について
                    
85A071-2 清水理絵
 
 政治、選挙に関心がある人に、おススメは、
J・S・ミルの『代議制統治論』水田洋訳です。岩波文庫
※ジョン・スチュアート・ミル(1806-1873)
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民主党が、5年以内、政治献金全面禁止すると言い出しました。
 政治献金の不透明性が、目立ってきたからです。
 どす黒い政治献金が横行していますね。
 政治献金を最も受けているのは、自民党。
 なので、民主党には、影響は少ないと思われますぅ?
 そこが、分かりません。
 自民党は、お金持ち政党です。
 政治献金で贅沢したりしているので、なくなったら寂しいでしょうが、活動自体鈍くなることはないように思えます。
 だって、お金ならあるんですから。
 でも、献金がないと、モチベーションがもたない?
 いやはやブラックですね。
 民主党はどうでしょう。
 民主党は、そんなにお金持ちに見えません。
 自民党と比べて、個人的に裕福な人は少ないでしょう。
 そこに、自民党よりははるかに少ないものの、億単位の献金が途絶える……
 あの、自分で自分の首、絞めてません?
 そもそも、企業献金なんて、裏工作目的でしかないように思えます。
 個人献金は、色々いるでしょうが。本当に、「応援したい」だけで献金する人もいるでしょう。企業献金こそ、悪みたいに思えてきました。
 自社に利益をもたらさない議員への献金は、自社の社員のためになるでしょうか?
 なりません。
 自社の社員が納得します?
 ためにならない献金なんて、真っ先に削られますよね。
 だったら、どういう理由で献金します? さっき言った、裏工作目的ですよね。
 表工作だったら、捕まっちゃうわけで。
 ですから、企業献金だけ、禁止にして、個人献金(個人→政党又は支部)は、認めて、民主党さん。どうか、クリーンな、個人献金で食いつないでください。
 すいません。社会音痴です。
長所
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短所
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観察度
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感想
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民主党は、政治献金だけではなく世襲問題にもメスを入れようと言い出しています。いまや閣僚の6割、7割が二世三世議員というありさまです。選挙目当てでなければ、応援したいところです。が、本当に、実際にやれるのかというと、どちらも眉唾のような気もします。お金持ちは自民党、民主党の議員たち50歩百歩。たとえば民主党の代表の小沢さんは、元自民党幹事長で、金権政治の流れの中にどっぷりつかっていた人です。ちなみに金集めが上手な党は、共産党です。企業は、自民党ではなく政権党与党に献金したいのです。なぜか、陳情が聞いてもらえるから。単純構造です。
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4・27ゼミ報告
参加者 4月27日ゼミは以下の皆さんが参加(順不同)
 しみず りえ   しおざきまゆ   しらかわたつや  かさいきょうこ
・清水 理絵  ・塩崎 真佑  ・白川 達矢  ・河西 杏子 
 ながい しほ
・永井 志穂  (内田 すみれ)
司会指名 → 河西杏子(役割り決め・自己紹介・青年修養訓・憲法前文読など進行) 
 なんでもない一日の観察 
土壌館日誌
4月29日 水曜日 成田に住む娘が孫を連れてきたので、子守りと引き替えに先日、家人の郷里に帰省したとき撮った写真をホームページ「土壌館」に入れてもらう。春雨に煙る錦帯橋と近くの宇野千代生家に行ったときの写真である。HPは何度教えてもらっても忘れてしまう。はじめはおぼえようと努力したが、いまではあきらめた。もうすぐ3歳になる孫はどこかで相撲と柔道をみたらしい。なんどもハッケヨイジュウドウをやろうと挑んでくる。小学生は道場でなれているが、幼児相手は疲れる。午後は台風一過。のんびりテレビで日本柔道選手権を観戦。国士館の石井選手がいないので、なんとなく物足らなかったが、それでも天理大の穴井選手が頑張って盛り上げた。しかし、毎年顔ぶれが同じなのが気になる。夕方、道場に行く。自衛隊で教官をしているT先生がくる。祝日はお休みとのこと。飛び石連休の最初の休日ということで、練習にきた小学生は3人と中学生2人だけ。最近入門したフイリピン系小2男子が座礼を覚えない。帰り道が暗くて恐いというので近くまで送る。
読書会日誌
5月4日、うす曇り、予報では下り坂だが、薄日がさしていて今日一日は大丈夫のようだ。リックを背負って谷津駅に行く。待ち合わせは10時から10時30までだったが、遠くの人は、もう来て待っていた。連絡あった全員そろう。24歳の女の子から88歳のお婆さんまで総勢10名。駅前で寿司弁当を買って読書会ウォーキングに出発。バラ園のバラはまだ。ラムサール条約指定地「谷津干潟」散策。すずかけの木陰で昼食。皆、楽しそうだったので、企画してよかった。4時30分散会。夜は「還暦になった一年生」の文集つくり。45名の原稿は集まったが、18名がまだ。催促の手紙作成して投函。 
ドストエフスキー情報
■ドストエーフスキイの会・例会 
 5月30日(土)午後6時から開催、原宿駅から徒歩7分 千駄ヶ谷区民会館
■ドストエーフスキイ全作品を読む会・読書会 詳細は編集室
 7月11日(土)午後2時から開催、東京芸術劇場小会7『カラマーゾフの兄弟』                            
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編集室便り
☆ 原稿、歓迎します。学校で直接手渡すか、下記の郵便住所かメール先に送ってください。
 「下原ゼミ通信」編集室宛
  住所〒274-0825 船橋市前原西6-1-12-816 下原方
  メール: TEL・FAX:047-475-1582  toshihiko@shimohara.net
☆ 本通信はHP「土壌館創作道場」に掲載されます。
2009年、読書と創作の旅 テキスト  提出日2009年5月  日
 
            番号    名前
『網走まで』この作品を読んでどんなことを思いましたか。
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※足らない場合は原稿用紙にも書いてください。
2009年、読書と創作の旅 「車内観察」 提出日2009年5月  日
「車内観察」          名前
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009年、読書と創作の旅  「自分の一日観察」 提出日2009年5月  日
「自分の一日観察」      名前
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