文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.220

公開日: 

日本大学藝術学部文芸学科     2013年(平成25年)6月24日発行
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.220
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                             編集発行人 下原敏彦
                              
4/15 4/22 5/6 5/13 5/20 5/27 6/3 6/10 6/17 6/24 7/1  7/22
                 「2013年、読書と創作の旅」の皆さん
6・24下原ゼミ
 1.連絡事項 郊外授業、ゼミ合宿補足事項
 2.課題報告・合評(観察&熊谷元一研究)
 3. テキスト読み『正義派』 and 世界名作紹介
        
郊外授業・岩波書店創業百年展見学 
 
 岩波書店は、今年、創業百周年を迎えることから、6月23日(日)から7月8日(月)まで銀座・教文館にて、創業百年展を開催する。下原ゼミでは、7月7日に郊外授業を計画している。
『五十歳になった一年生』展示 『還暦になった一年生』も紹介か
 中心となる展示物は、岩波写真文庫の写真集。なかでも『一年生』は、その後の人生を追った写真集『五十歳になった一年生』も展示される。
下原ゼミでは、観察をテーマに志賀直哉の小説作品と熊谷元一の写真作品をテキストに文芸研究Ⅱをすすめている。折り良いことから百年展の見学授業ができれば幸いである。
郊外授業実施計画、本日24日届け出提出
 郊外授業実施計画は、本日、24日、書類提出する。うっかりで2週間を割っていたため、許可承認が懸念される。が、よい方向にいくことを祈る。
提出中 8月2日(金)~ 3日(土)時空体験の旅、
~きみは、タイムスリップする19世紀ロシア、白夜のペテルブルグから帰還できるか~
集合場所 : JR軽井沢駅改札周辺  集合時間 : 午後1時


文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.220 ―――――――― 2 ―――――――――――――
6・17ゼミ報告 課題合評&『出来事』読み・名作詩篇
課題評、ポケモン話題で沸く
 6月17日ゼミは、課題提出作品の合評と『出来事』と名作読み(ベルレーヌ詩篇)読みでした。全員参加でした。
 課題合評では、ポケモンの歌、披露もあり大いに盛り上がりました。
齋藤真由香さん   嶋津きよらさん   加藤未奈さん  南海洋輔さん
ゼミ司会進行は、加藤末奈さんでした。お疲れさまでした。
合評
【テキスト】
南海作「頼まれた葉書の宛先」→ 男への1枚は夫   女への1枚は姑
創作の中身 → 浮気が原因の北帰行
南海作「『網走まで』感想」→ カナ使いの読み方 → 想像力を要求
作者の意図がつかめている表現(感想)となっている。
【熊谷元一研究】
南海作「牛乳瓶のふた」→ 校内で10年前流行った
府中の小学校の思い出だが、船橋の齋藤さんの出身小学校でも流行った。
南海作「ポケモンの思い出」 → 現在も進行形の思い出
保育園の頃、流行っていた。が、いまもつづいている。
歌に感動した。この合評を楽しみにしていた。感想
1.
2. ポケモンとは何か !?
―――――――――――――――――― 3 ――――― ☆文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.220
課題報告  車内観察・テキスト感想・熊谷元一研究
【車内観察】
齋藤真由香           堂々とした居眠り
 かの有名な宣教師のような、愉快な禿げ頭が揺れている。正面で眺めている私は、すごいなあ、光っているなあ、なんて呑気に構えているけど、当然隣に座ったお姉さんは、これでもかと不愉快そうな顔をしている。私だって、あんなにテラテラ光った禿げ頭が肩口をかすめ続けるのは御免だ。脂ぎってちぢれた黒髪の中央で禿げを光らせた男性と対象的に、豊かな茶髪を胸まで伸ばした彼女に密かに道場した。
 やがて電車が止まった。お姉さんが立ち上がる。ああ、丁度下車駅だったのか、良かったね、と思うが、どうやら違うらしい。大きな舌打ちと共に立ち上がった彼女は、禿げ頭の枕になるよりも目的地まで立ち続けることを選んだようだった。空席に座る者は無い。ガクガクと身を揺らし続けた男性は、やがて横倒れになって、いびきをかきはじめたのだ。ここはお前の家ではないぞ、禿。
□ 時刻はいつだったんでしょう。よほど眠かったのか。その人、脳卒中かも。
【車内観察】
嶋津きよら             由香さん
 困ったこともあるもんねえ、と、由香さんは、云った。ボックス席で向かい合って乗車する前に購入した菓子をつまむ。この車内には、私と由香さんの二人しか居ないため、文句を云う者はいない。窓の外の動かない景色を眺めながら
「ぎりぎりの時間まで、あなたが仕度をしないのがいけないんでしょう」とぼやくと、
ごめんなさいねと由香さんはげらげら笑った。九段下までの道のりは遠く、入学式には間に合いそうもない。
 自分よりも2年上の彼女は今まで通っていた大学を辞め、獣医になるための勉強ができる大学へ入り直した。周囲からの反対を押し切り、自分の意思を貫いてしまうほど芯の通った性格をしている。しかし、時間にだらしないのが玉に傷で、今回のこともそれが原因であった。入学式の当日になって、スーツを探し始め化粧をしている間に電車を逃し、挙げ句の果てには、
「もう行くのやめにしましょうよ」とまで言い出した。待たされているこちらは、たまったものではない。なんとかなだめすかして出発し、電車に乗ってみれば、先の駅で発煙していると止まってしまう。散々である。
 やっぱりやめておけばよかったわね。と、ため息をつくので、「最初に行きたいと云ったのはあなたなのだから文句ばかり云わないでください」と、云ってやる。はあい、と間の抜けた声で返事をすると、由香さんは窓に寄りかかり、目を閉じた。しばらくして寝息が聞こえ出した頃、ガタンと音がして電車が動き出す。入学式の開始時刻であった。
□ 面白い友人観察のようですね。
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.220 ―――――――― 4 ―――――――――――――
【テキスト感想】  『出来事』を読む
南海洋輔      志賀直哉のリアリズムを支えている
出来事」における志賀直哉の文章は、題名通り起こった「出来事」とそれに対する「気分」のみで構成されている。「出来事」は絶え間なく目の前にやってきて、志賀直哉はそれに「気分」で応えていく。
 文章と文章の間に意図的な「論理」らしきものはない。全てにおいて彼の視覚と気分は一致している。なぜなら志賀直哉は余計なものを見ないからである。それは常にやって来るものであり、志賀直哉は見ることを強いられている。柄谷行人はそれを「絶体絶命」と表現したが、まさに世界による必然である。
 「出来事」を正確に描写しようとする志賀直哉のリアリズムを支えているのは、志賀直哉の精緻な「記憶力」と「観察力」である。おそらく「出来事」を観たその場で、思考として記憶をまとめて上げているのだろう。だから細部まで鮮明で、いつになってもその時の「気分」を損なわない文章が描ける。
 文章自体でも「菜の花」や「夫婦」では気づかなかった点が見えた。多用していた句読点を廃し、最小限にとどめ、リズムを読者にゆだねたような印象を受けた。下手な音楽家は何度もリズムをとって短いフレーズしか扱えないが、上手い音楽家は長いフレーズでも一つのリズムで演奏できると言う。「出来事」は後者の演奏に入るのではないか。
□ 意識したにしろ、無意識にしろ、名作への予感というものがあるとすれば「気づかなかった点が見えた」は、観察の鋭さと思います。まさに、この作品は、心境小説の名作『城の崎にて』に繋がったのです。
熊谷元一研究 岩波写真文庫『一年生』を読む
南海洋輔           ケンカの元
一年生のころは、けんかやイジメはなかったように思う。
そもそもけんかやイジメというのは、たいてい余力があって、周りが見えるようになってくると起こるものだ。そのころはまだ、学校や周りの友達に慣れるのに精一杯で、余力がなかったから平和だった(と思う)
 しかし学校にもすっかり慣れて、二三年生にもなってくると、話は違ってくる。リーダー格の子が二人三人と出てきて、教室の構図は一変する。教室の中で派閥が生まれ、各々好きな奴と嫌いな奴の区別もつくようになる。
 そうすると必然的にリーダーとリーダーの気に入らない子との間で、けんか以上イジメ未満みたいなことが起こるようになる。
 けんか以上イジメ未満のキッカケは、たいてい「リーダーの言うことを聞かなかった」とか、「リーダーより目立ってた」とか、そんなことだ。
あいにく一年生のころの私は無闇に反発するほうでも目立つほうでもなかったのでイジメられることはなかった。
もちろん、けんかは人並みにしたが、すぐに謝ったので許してもらえた。
 今改めて振り返って考えてみると、人間関係は何事も一年生ぐらいの気構えでいたほうが上手くいくのかもしれないなと思った。
 
□ けんかは年齢が上にいくほど醜くなります。嫌ですね。人間は困ったものです。
              
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嶋津きよら         ミヤシタ事件
 けんかは、よくあった。くだらない理由から始まることが多かったように思う。その中でも、記憶の中に強く残っているものがある。
 図画工作の時間である。版画の授業で、皆、木の板を彫っていた、作業をしていると、途中であきてしまったN君が、隣の席のMさんにちょつかいを出し始めた。最初は、木の板をずらしたり、手を出していたりしたものの、Mさんがそれを無視しているので
「反応がないって、つまんないなア。Mはつまんない女」
と、大きな声で云った。
すると、今まで無反応だったMさんが彫刻刀を握り直したかと思うと
「ふざけるな、散々、邪魔しやがって ! 」
と云って、そのままN君に襲いかかったのである。
 N君は、驚いて教室の外へ逃げ出し、Mさんもそれを追った。そして、この追いかけっこは三十分以上続いたという。六年間を通しても、これ以上、ひどいけんかは見たことがない。このけんかは、後に、「ミヤシタ事件」と呼ばれることになる。
□ 大事件ですね。三十分以上も続いたという、先生たちはどうしていたのでしょう。
熊谷元一研究【どんなマンガ、どんなテレビ、どんな歌を覚えているか】
齋藤真由香         私が好きだったドラマ
「あなたのうしろに誰かいる」というテレビドラマがあった。B’2による沢田研二の「勝手にしゃがれ」のカバー楽曲を主題歌としたサスペンス・ホームドラマで、当時の私はオカルト趣味だったこともあり、夢中になった。気付けば「あ~あ~あ~あ~あ~ああ~~~♪ 出て行ってくれェ~!」と口ずさみ、傍から見れば古い楽曲を口ずさむ奇妙なマセガキだったに違いない。内容はというと、詳細に覚えているわけではないが、要するに「殺したはずの元恋人が生きていた!」こんな感じだ。この殺された筈の元恋人を演じた北村一輝が最高だった。殺しても死なない、粘着質で異常な愛情で主人公たち家族を惨殺しようと迫る異形の美男子。ひとならざる者の抱える色香をこれ以上なく不気味に演じる様子に、当時9歳の私が、すっかりほれこんでしまっていたのを覚えている。
□ 10年前ですか。随分、おマセな子どもだったのですね。サスペンス劇場好きとは。
熊谷元一研究【教室での遊び】
齋藤真由香         反発少女
 私の仲良しの女の子は、画を描くのが好きだった。私は、彼女が大好きだったから、休み時間はいつも、彼女が絵を描くのを眺めるか、真似をして自分も何か描くかをしていた。しかし、これを良しとしなかったのが、当時の担任の先生である。
「子供は元気に、外で遊ぶもの!」と声高に宣言したかと思えば、私たちをたちまち教室から追い出してしまった。彼女が素直に外へ遊びへ行ったのに対し、ふてくされていた私は図書館へ逃げ込んだのだった。
□ 熱血先生タイプかな。なにがなんでも外で。そんな先生今でもいそうですね。
文芸研究Ⅱ下原ゼミNo・220―――――――― 6―――――――――――――――
以下は、下原が一年生のときの文集ですが、下原はまったくおぼえていません。担任だった熊谷元一先生がとっておいてくれたので幸いでした。
『一年生』の声 1953年の小学一年生は、毎日どんなふうにして過ごしてい
たのでしょう。当時の文集を紹介します。担任の熊谷元一先生が作ってくれた文集です。
 60年前の子どもたちの遊び、家での様子、自分の気持ちが書かれています。言葉づかいも、どうでしょう。いまのこどもと比べてみてください。
文集 こどもかけろよ ひのてるほうへ②
作成 熊谷元一(くまがいもといち)昭和29年(1954年)3月
みんながはじめて がっこうへ来たときは   まだ じはあまりかけなかった
それが 一がつき 二がっきと たつうちに  じもかけるようになり ぶんもつづれるようになった   ここにあつめたのは    みんなが一ねんのときにかいた
さくぶんです しずかに  おうちの人といっしょによんでみてください
             1594年(昭和29)熊谷元一
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            おつかい               男の子
学校から かえっていって うちのいくこを じてんしゃにのしてやりました。そして、おったら おかあちゃが いそがしそうに おちゃをわかしておったので ぼくが おちゃをわかしておってやれかってゆったら いいよってゆって ぼうや こまんばの こうじゃへいってきてくれんかって ゆったので いってくるっていいました。そしてから ぼくは こうじやへ さとうをかいにいきました。
みせやさんに ごめんください といって五ひゃくめ かってきました。かえってきたら おかあちゃが よくいってきてくれたなあと いいました。そして おだちんに あめをくれました。そして あめをたべてからあそびにいったら したのあきちゃが きんまに のしてくれました。うちのいくこものしてくれました。そして きゅうどうまでいったら かっちゃと いくとまねっくりをかきました。そして とんでいったら またまねっくりをかきました。
けんか
女の子
 あにいちゃとわたくしと けんかをしました。けんかをしてから くるいやっこをしてあそびました。
 ながたのおばあちゃんがきて さけをかってきてくれんかと いいました。あにいちゃが いやだといったので わたくしがかいにいってきてやりました。こうぞうと おかあちゃがかえってきて さんまを かってきました。
     ※毎号、紹介します。家族の様子や言葉づかいなどに注目して読んで下さい
この文集観察から推理・想像できること
子どもの性格・家庭環境・どんな成長を
 
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熊谷元一研究 『一年生』の被写体も見学
岩波書店創業百年記念展
本づくりの熱気、再発見!
 〈岩波写真文庫〉とその時代
2013 年 6 月 23 日(日)~7 月 8 日(月) 会期中無休
午前 11 時―午後 7 時(入場は午後 6 時半まで・最終日は 5 時閉場)
会場:銀座 教文館 9F ウェンライトホール 
入場料:大人 500 円、高校生以下無料(*「こねこのぴっち絵本原画展」に本展の半券をお持ちいただくと200円引きでご入場いただけます。)
岩波書店・教文館 共催  〔お問合せ〕銀座教文館 ℡ 03-3561-8446
現場の担任教諭だからこそ撮れた、当時の子どもの自然な姿がほほえましい『一年生――ある小学教師の記録――』(写真:熊谷元一)、
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.220―――――――― 8 ―――――――――――――
ゼミ雑誌について
 ゼミ授業の実質的成果は、ゼミ雑誌発行にあります。が、毎年、刊行日の遅れが指摘されています。また、編集段階でいろいろな問題が生じることもあります。1年間の大切な授業成果なので、しっかり守って、よい雑誌を作りましょう。
 刊行までの要領は、下記の通りです。厳守しましょう。
1. ゼミ雑誌編集委員は、齋藤真由香編集長
  編集委員=南海洋輔さん 加藤末奈さん 嶋津きよらさん(『熊谷元一』カタログ)
2. 6月末までの段階は 
  【①ゼミ誌発行申請書】を提出。提出場所=所沢/出版編集室
3. ゼミで話し合いながら雑誌の装丁を決めていく。
  仮題&「熊谷元一研究 創刊」、内容は課題作品+創作作品
※「熊谷元一研究」は、課題を載せる。60年前の子どもたち、学校教育の様子から自分たちの子どものころの遊び・学校の暮らしを比較する。
4. 7月下旬、夏休み前、原稿依頼と課題のまとめ
5. 9月末 夏休み明け、創作原稿提出、課題作品選別
6. 10月上旬 印刷会社から【②見積書】をもらい料金を算出してもらう。
7. 10月~末日 編集委員は、印刷会社と、希望の装丁やレイアウトを相談しながら
   皆と協力して編集作業をすすめる。
8. 10月末までに、出版編集室に見積書を提出する。編集作業をすすめる。
9. 11月中旬までに印刷会社に原稿を入稿してください。
10. 12月6日(金)はゼミ誌納品期限です。厳守!!
11. 12月12日までに見本誌を出版編集室に提出してください。
12. 12月下旬までに印刷会社からの【③請求書】を出版編集室に提出してください。
注意事項!!
◎ ①【ゼミ誌発行申請書】、②【見積書】、③【請求書】以上3種類の書類が提出されない
  場合はゼミ誌の発行はできません。補助金の支払いも認められません。
◎ 予算金額は、ゼミ雑誌作成ガイダンスで発表される。
◎ 過去にゼミ雑誌の印刷を依頼したことのある主な印刷会社の連絡先は、文芸学科スタッ
  フまで問い合わせる。それ以外の印刷会社を利用したい場合は、必ず事前に学科ス
  タッフに相談すること。厳守。
◎ 外部(一般の人)と関係しない。(インタビュー、依頼原稿など)
『熊谷元一研究』誌
2012年ゼミⅢで発行予定でしたが、事情で刊行できませんでした。研究進行の都合から土壌館(下原)扱いで2013年に刊行予定です。創刊号はカタログとなります。
嶋津きよらさんが編集・編纂を引き受けてくれましたのでお願いしました。齋藤さんと、相談し合ってすすめてくれれば幸いです。
熊谷元一に関する資料の他に岩波写真文庫『一年生』の感想などを掲載。熊谷元一という無名な写真家、童画家、教師は、その作品、写真や童画、教育のなかで、なにを残そうとしたのか。未来に何を伝えようとしたのか。創刊号では、熊谷と作品を紹介することによって、その人となりを広く知ってもらうことを狙いとします。
こちらの見積書は、土壌館(下原)に提出してください。期限は相談で。
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土壌館・実践的投稿術のススメ No.1~2
 文章力修業として投稿も、その一つの手段といえます。投稿は、投稿者が多ければ多いほど採用される確率は低くなります。が、そのことは即ち投稿作品の質の向上にもなります。様々なものへ観察・興味を抱く要因ともなるので、投稿は一石三鳥ほどの価値があります。
 もっとも投稿といっても、小説・論文投稿から標語まで多種多様です。が、ここでオススメするのは新聞投稿です。新聞は、毎日投稿できます。政治・社会・生活観察・自分の意見と幅もあります。また、時流や出来事のタイミングも重要となり自然、書くことの日常化・習慣化が身につきます。文章力研磨にもってこい場ともいえます。
 土壌館では、文章力を磨く目的はむろんですが、社会への疑惑や自分の意見・感想を伝えるために新聞の投稿欄に寄せつづけています。なぜ投稿欄かというと、投稿欄は字数制限があるからです。「声」欄が多いのは、規定が500字だからです。この字数は人が飽きなく読む文章です。500字のなかに主張、出来事などを簡潔に入れる工夫が必要です。
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 投稿は、予期せぬ副産物もある。バックナンバーNo.6では、見知らぬ夫婦が道場を見せてほしいと訪ねてきた。No.12では、カエルの歌を作ったと言う人からCDをプレゼントされた。No.8では、知人の中学教諭、高校校長らから電話をもらうなどなどいろんな反応があった。No.1の「医師への金品」は、社会問題として新聞紙上で大きな論争となった。No.21の「子どもが集う道場は街の灯」は、実質的実のある投稿となった。この投稿が新聞に載ったのは5月8日。この記事を見たと5月20日、日本テレビから電話があった。オンボロ道場をリフォームさせて欲しいとの依頼。廃屋同然で無理と思ったが、なぜかテレビ局はやる気。ボランティアの若者を募ってオンボロ道場を直したいという。善意を受けることにした。6月1日から工事開始、16日に終了。この間、朝8時から夜8時まで撮影継続。2002年6月23日、30日、7月7日の3連続日曜日、昼12時30分から30分間、日本テレビ番組「パワーバンク」で放映。話題を呼んだ。以下は、記憶にあるもの。
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投稿術バックナンバー
No.1 「医師への金品 規制できぬか」   1994・2・2   朝日新聞「声」欄
No.2 「カラー柔道着 いいじゃないか」  1994・5・17  朝日新聞「声」欄
No.3  「勧誘の仕方 改められぬか」   1994・10・15 朝日新聞「声」欄
No.4 「団地建替え 住めぬ人びと」   1995・9・24 朝日新聞「声」欄
No.5 「教師の創意で 生徒に楽しさ」  1995・3・15  朝日新聞「声」欄
No.6 「地域に必要な 子供たちの場」  1996・11・5   朝日新聞「声」欄
No.7 「柔道の変化は 自他共栄実現」   1996・8・7   朝日新聞「声」欄
No.8 「50歳の1年生 師の撮影行脚」   1996・9・16  朝日新聞『声」欄
No.9 「燃える家々に 戦争を実感」MoMo 1999・4・3   朝日新聞「声」欄
No.10 「時は流れてもやっぱり先生」    1999・6・4   朝日新聞「声」欄
No.11 「町道場の灯を支える教え子」    2000・4・2   朝日新聞「声」欄
No.12 「故郷で童話賞 恩師の手から」   2000・11・17  朝日新聞「声」欄
No.13 「子どもが集う道場は街の灯」    2002・5・8   朝日新聞「声」欄
No.14 「『罪と罰』で正当性立証か」     2003・12・27 朝日新聞「私の視点」
No.15 「振動は困る 町道場に難題」    2003・12・8   朝日新聞「声」欄
No.16 「今でも励まし黒板の落書き」    2008・7・8   朝日新聞「声」欄
No.17 「朝稽古の住宅街でカエル見つける」 2006・3・19  朝日新聞「声」欄
No.18 「カエル飼って子供ら変わる」    2006・7・28  朝日新聞「声」欄
No.19 「嘉納」の理念 世界に発信を」   2009・3・10  朝日新聞「声」欄
No.20  「立会人が見た 活気ある投票所」  2009・9・2    朝日新聞「声」欄
No.21 「児童の作文大切にした恩師」    2011・1・8   朝日新聞「声」欄
文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.220 ――――――――10――――――――――――――――
投稿バックナンバー 
No.22  「バッタ君、どこから来たの」   2012・2・11 朝日新聞「声」欄
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ゼミ合宿について
ゼミ合宿担当:南海洋輔班長(皆さんで協力して、楽しく有意義な合宿にしま
しょう!)合宿ゼミ授業の計画予定は
○軽井沢駅改札午後1時集合、一緒に昼食 徒歩で 3時半開始、自彊術体操 → 授業
○合宿授業は、マラソン朗読会(中編書簡小説読破)に挑戦。
 「読みはじめたら止まらない」それは真実か?!若き詩人と作家の体験を再体験する。
 世界文学最高峰の作品は『カラマーゾフ』なら世界一面白い作品は ? この本がそうだ! が、真相は読んでみなければわからない。夏の夜を徹して挑戦します。
タイムスリップで1845年のロシア白夜のペテルブルグに降りてみます。 そこには、どんな試練が。はたして君は、何ページまでもつか?!
2013年読書と創作の旅・旅日誌
4月22日 参加=加藤、齋藤、南海 読み=嘉納治五郎「読書のススメ」「憲法九条」と「前文」、書くこと=第九条の感想。
5月 6日 参加=齋藤、嶋津 報告=尾道と志賀直哉 議論=憲法改正問題・アンケ
ート 観察発表&合評=「車内観察」齋藤 司会進行=齋藤
読み=テキスト『菜の花と小娘』 書く=『菜の花』感想 課題
 5月13日 参加=加藤、齋藤、嶋津、南海 司会進行=嶋津 課題発表「社会観察」「車内観察」「テキスト感想」
 5月20日 参加=齋藤、嶋津、南海 司会進行=南海 社会観察「従軍慰安婦問題」
       課題発表「熊谷元一研究 思い出」読み『空中』、テキスト『夫婦』
 5月27日 参加=加藤、齋藤、嶋津、南海 司会進行=加藤 社会観察「母さん助けて詐欺」 課題提出評・南海「車内観察」齋藤「うたたね」
      【熊谷元一研究】子供時代=南海「はじめての一人登校」南海「コッペパン」
       齋藤「レイコ先生」南海「クラティ―」
      ※ゼミ誌ガイダンス報告=齋藤
 6月3日 参加=齋藤、嶋津、南海 司会進行=南海 「社会観察」柔道について、振り込め詐欺の記事 
課題=「車内観察」嶋津、南海。テキスト読み『網走まで』
  6月10日 参加=齋藤、嶋津、加藤 司会進行=嶋津 「社会観察」6月の事件簿
        課題合評、『網走まで』研究解説報告。
  6月17日 参加=加藤、齋藤、嶋津、南海 司会進行=加藤 ゼミ合宿結果報告
        少年A事件簿、校外授業について、標語応募について、新聞投書について
        課題報告合評(南海さん作品4点)『出来事』
  6月24日 
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課題提出記録(「書くこと」の習慣化)
       社会観察    車内観察    テキスト   熊谷元一研究
齋藤真由香   1       4        1       6
加藤 未奈   2       1                2
南海洋輔    2       1        4       6
嶋津きよら           3        3       6
文芸研究Ⅱ下原ゼミNo・220―――――――― 12――――――――――――――――
読むことの習慣化(これまで読んだ作品名)
「嘉納治五郎『青年訓』」「日本国憲法」『菜の花と小娘』『空中ブランコに乗った大胆な青年』『夫婦』『網走まで』『出来事』「サンサシオン」「谷間に眠る者」「忘れた小曲」
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土壌館日誌・玉虫
23日、私が住んでいる町の市長選挙があった。午前中は、朝から忙しかった。8時半に道場を開け、玄関付近の草むしりをした。梅雨の季節は、雑草が早い。ツタの蔓もちょっと油断をすると、ヘビのようにのびている。玄関わきに足長バチの巣があって、いつのまにか蜂が4,5匹になっていた。獲ろうかどうしょうか迷っている。今日は、そのままにしておくことにした。子どもたちに注意する。掃除をすませたところに、F師範代がきたので、地代を支払いに最寄りの金融機関へ。地主が経営するコンビニで、厚生省が配布している「熱中症対策」をフルカラーコピーして道場に貼る。11時半までF師範代の指導と子どもたちの稽古見学。11時45分、鍵閉めて家に戻ると正午。「六会会」(生物自然科学部同期会)の暑気払いの日程を決めて、会員に連絡。そのあと選挙に行く。投票会場は、近くの小学校。15%少ない ! 立会人頼まれなくてよかった。スパーで食品を買って帰る途中、路上にグリーン黄金色に光るもの。玉虫だった。拾い上げてみるとじっとしている。生きているのか、死んでいるのか不明。しばらく手で持っていると、もぞもぞ動きだした。死んだふりをしていたのだ。街路の桜の葉をとってやるが、見向きもせずごそごそやっている。家に帰りベンジャミンの鉢植えに放すと繁れる葉の中にはいっていった。夕方、見るとどこにいったのか姿はない。が、室内にいるのは確か。一昨年のバッタもそうだったが、腹が減ればでてくるに違いない。踏み潰さねばと心配している。
お知らせ
6月29日(土)8月17日(土)ドストエーフスキイ全作品を読む会・読書会
作品『死の家の記録』時間、午後1時半開場 午後2時~5時前
会場 東京芸術劇場第7会議室 ※詳細は、「下原ゼミ通信」編集室まで
平成25年度11月「児童虐待防止推進月間」標語募集
応募先のメールhyougoboshu@city.beppu.oita.jp  メール題名は「標語の応募」
締切2013年7月5日(金)発表は9月以降通知か厚生労働省HP
熊谷元一写真コンクール 作品募集  締切8月31日
詳細は、「熊谷元一写真童画館」HP
・・・・・・・・・・・・・編集室便り・・・・・・・・・・・・・・
□住所〒274-0825 船橋市前原西6-1-12-816 下原方『下原ゼミ通信』編集室
  メール: TEL・FAX:047-475-1582  toshihiko@shimohara.net
課題22.【熊谷元一研究】 2013・6・24
岩波写真文庫『一年生』感想 OR 子ども時代の思い出
名前
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課題23.テキスト『正義派』感想 2013・6・24
名前
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課題24.車内観察Or自分観察 2013・6・24
名前
自分観察は、自分の一日のこと、自分がおもっていること
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