文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.225

公開日: 

日本大学藝術学部文芸学科     2013年(平成25年)10月7日発行
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.225
BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                             編集発行人 下原敏彦
                              
9/30 10/7 10/21 10/28 11/11 11/18 11/25 12/2 12/9 12/16 
1/20  1/27 
                 「2013年、読書と創作の旅」の皆さん
10・7ゼミ
 1.9・30郊外授業報告、ゼミ誌編集報告、夏休み報告
 2. テキスト読み
         
〈9・30郊外授業報告〉 
第16回熊谷元一写真賞コンクール審査会見学
 下原ゼミⅡ、Ⅳは、9月30日(月)に郊外授業を実施した。授業内容は、第16回熊谷元一写真賞コンクールの最終審査の見学。会場は、新宿にあるホテルグランドヒル市ヶ谷・琵琶の間。審査時間は、午後1時00分から4時30頃迄。5時からホテル内の居酒屋で審査員を囲んで主催の熊谷元一写真童画館・阿智村役場職員、参加の28会、下原ゼミの皆さんと親睦会。楽しいひとときを過ごした。
参加者は、ゼミⅣの大野純弥君
 
 今回の郊外授業に参加したのは、ゼミⅣの大野純弥君、1人でした。大野君は、昨年の秋田角館で開催された写真展見学にも参加しているので、写真童画館の職員の皆さんとは、懐かしい再会となった。ゼミⅡの皆さんは、会場からは遠い所沢で、しかも前後に授業があったことから、残念ながら見送りとなった。
 写真賞選考は、この日、出席された5名の審査員のもと午後2時00分から開始された。
審査員の皆さんは郷土写真家、新聞社の写真部・記者、写真評論家ら写真界のエキスパート。
日芸の飯沢耕太郎先生が新しく審査員に
 今回から審査員に写真評論家で日芸講師の飯沢耕太郎先生が加わった。先生は、『日本の写真家17 熊谷元一』(岩波書店 1997.10.24)の序文で、「一人のアマチュア写真家のまなざし」と題して熊谷元一の写真を高く評価している。


文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.225 ―――――――― 2 ―――――――――――――
〈第16回熊谷元一写真賞コンクール審査会報告〉
テーマは「働く」
新審査員・飯沢耕太郎氏の挨拶
3・11以降、熊谷元一の写真作品の意義は、おおいに強まった
 審査に先駆けて、新しく審査員になられた飯沢先生は、挨拶で、「3・11以降のいまの時代にこそ熊谷元一の写真作品が求められている」と話された。氏が、参加されたことで、熊谷元一写真賞コンクールに新しい輝きを予感した。そのような印象を得た。
最終写真審査は、ときに和気あいあいと、ときには厳粛にかつ順調に進んだ。
第16回の応募状況 応募数、応募者共、昨年より下回る 高校生以下激減で深刻
応募数=845点(昨年1278点) 応募者数=305人(422人)
高校生以下は7人と、最少。写真甲子園と重なった為とみられるが、対策が必要。
※第1次審査9月24日(阿智村) 最終審査9月30日(東京市ヶ谷)
コンクール審査で選考される写真賞  審査では以下の写真賞が選考された。
≪テーマ部門≫ 順調に決定
・元一写真大賞        1点     賞状・賞金10万円・副賞
・阿智村賞          1点     賞状・賞金 5万円・副賞
・信毎賞(信濃毎日新聞社賞) 1点     賞状・賞金 5万円・副賞
・JAみなみ信州賞       1点     賞状・賞金 5万円・副賞
・優良賞           2点     賞状・賞金 2万円・副賞
・佳作            10点     賞状・賞金 5千円・副賞
・飯田信金賞(高校生以下)  5点     賞状・記念品
≪阿智村内≫
・阿智村輝き賞       10点     賞状・記念品
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年代別(20歳~80歳)応募状況 総数305人
         男性     女性    計
80歳代以上    25人     0人    25人   男性のみ 趣味は男性が多い
70歳代      67人     13人    80人   男性が多いが女性も 
60歳代      93人     31人   124人   団塊世代でどちらも増える
50歳代      22人      7人    29人   女性激減
40歳代      10人      4人 14人   働き盛りでか、男女とも減
30歳代       9人     10人    19人    男女が逆転、若いママ増す
20歳代       0人      6人 6人   若者は、女性の方が活動的か
高校生以下     3人     4人    7人    
不明1+                  305人
―――――――――――――――――― 3 ――――― ☆文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.225
地域別集計845点はどこから ? (熊谷元一写真賞コンクールの知名度を知る)
  地 域   人 数   点 数        地 域   人 数   点 数
長野県   114人    318点       京都府    1人   3点
北海道    4人     12点       奈良県    3人   12点
青森県    1人     5点       兵庫県    8人   20点
岩手県    2人     6点       岡山県    6人   18点
秋田県    5人     19点       広島県    2人    8点
山形県    4人     7点       山口県    3人    3点
宮城県    2人     3点       島根県    0人    0点
福島県    2人     6点       鳥取県    1人    3点
新潟県    2人     6点       愛媛県    3人    6点
石川県    1人     2点       徳島県    1人    2点
福井県    0人     0点       高知県    3人   15点
富山県    1人     5点       香川県    8人   24点
茨城県    3人     9点       福岡県    5人   12点
栃木県    1人     2点       佐賀県    1人    1点
群馬県    3人     13点       長崎県    0人    0点
千葉県    2人     7点       大分県    0人    0点
東京都    14人     35点       宮崎県    1人    1点
埼玉県 9人     22点       熊本県    5人    5点
神奈川県   12人     42点       鹿児島県   1人    1点
静岡県    15人     48点       沖縄県    0人    0点
山梨県    1人     3点
愛知県   19人     41点
岐阜県    8人     15点
滋賀県    5人     14点
三重県    8人     28点
和歌山県   4人     15点
大阪府   11人     28点
1位、長野県の114人  2位、愛知県の19人  3位、静岡県の15人  
4位、東京都の14人  5位、神奈川県の12人  
応募は北海道から沖縄まで、多い少ないはあるが、いつも満遍なくきている。が、今回は、最南端の沖縄県からは0通だった。
審査会次第の議案、第17回テーマは「かんどう!」に
 はじめの次第で、二つの懸案事項があった。
1.第16回までつづいてきた写真コンクールの今後について
2.第17回コンクールのテーマについて
1.の議案について → 熊谷先生の撮影手法(人間主体)を守って継続していく。
2.の議案について → はじめ、前回とおなじ「働く」がだされたが、もっと枠を広げて「かんどう」は、どうかの提案があった。全員一致で、「かんどう」に決定した。
 ※2014年写真賞最終審査月日も、9月30日(火)に決まる。会場は同ホテル市ヶ谷。
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.225 ―――――――― 4 ―――――――――――――
「熊谷元一写真賞コンクール」について
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「熊谷元一写真賞コンクール」創設の趣旨
 阿智村(長野県)は、当村出身の記録写真家・童画家で第1回毎日写真賞始め日本写真協会功労賞・毎日新聞出版文化賞ほか数々の賞を受けられ、名誉村民でもある熊谷元一氏の功績をたたえ、その功績を現代に生かし発展させることを願い、また、熊谷元一氏の撮影された農村記録写真を通して、心豊かな生活文化創造のために、「農村記録写真の村」を宣言しており、その実現の一つとして、平成10年に信濃毎日新聞社の共催をいただき、『熊谷元一写真コンクール』を創設いたしました。
 『熊谷元一写真賞コンクール10周年記念』から 平成20年7月31日発行・阿智村役場
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入賞・入選作品集
『熊谷元一写真賞コンクール10周年記念』2008・7・31
この写真集には、第1回~第10回までに応募(一般の部)された写真で、入賞・入選作品が収められている。参考のため大賞作品を順次、紹介していきます。
第1回(平成10年)題・「働く」応募点数731点/応募者数275人
☆元一写真大賞「いまだ現役」伊原耕作(長野県)
撮影地:長野県飯田市 カラ―作品
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お題「働く」の見本となる熊谷元一の作品
「下肥を背負って山畑へ」1955年(昭和30年)撮影地:下伊那軍内の開拓地
雑草が生い茂る道なき道を婦人が肥桶を背に黙々と登っていく。写真から伝わってくるのは、背中でタブタブと揺れる下肥の音と臭い。夏草の草いきれと汗。田舎でも水洗が普及した現代、こんな光景は日本のどの地方においても見かけることはないだろう。が、下原にとって、この写真は、子どものころ見慣れた懐かしい風景の一つ。糞尿は、農家にとって大事な宝だ。便所から汲み出した糞尿を一旦、肥溜めに貯蔵する。糞尿は腐って肥料となる。農家は、それを田畑にまき、よい土壌をつくる。写真の下肥は、肥溜めからのものか。(普通、肥溜めは、山の上には作らない。利用度から家に近から遠からずの場所にある。)
 この写真は1955年に撮影された。この年は、熊谷にとって輝かしい年となった。1953年に受け持ちの一年生を一年間撮った。その写真は3月に岩波写真文庫『一年生』として出版され、9月に、第一回毎日写真賞を受賞した。そのせいか、写真は自信に溢れている。
文芸研究Ⅱ下原ゼミNo・225―――――――― 6―――――――――――――――
他の「働く」写真
上の写真は、子どもを子守りながら、刈り取っておいてある稲穂を束ねる。
下の写真は、足踏みの脱穀機で稲穂を脱穀している。
熊谷は、農家の婦人を多く撮った。その写真は、1954年に岩波写真文庫から
『農村の婦人 -南信濃の― 』として出版された。
「――― レンズを通してみた世界はややもすれば現実より美しく見え勝ちである。しかし、ともかくこれだけいろいろの面から、農村婦人の生活を伝えたものはなかったように思われるわれわれはこの本を、特に都会の人々にささげたいと思う。」
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後期ゼミ&ゼミ雑誌について
ゼミ雑誌刊行計画
 ゼミ授業の実質的成果は、ゼミ雑誌発行にあります。齋藤編集長を中心に皆で協力してよい雑誌を作りましょう。刊行までの要領は、下記の通りです。
1.  9月末 夏休み明け、創作原稿提出、課題作品選別
2.  ゼミで話し合いながら雑誌の装丁を決めていく。
  「仮題&熊谷元一研究Ⅱ」、内容は課題作品+創作作品
※「熊谷元一研究Ⅱ」は、課題を載せる。60年前の子どもたち、学校教育の様子から自分たちの子どものころの遊び・学校の暮らしを比較したもの。
3.  10月上旬 印刷会社から【②見積書】をもらい料金を算出してもらう。
4.  10月~末日 編集委員は、印刷会社と、希望の装丁やレイアウトを相談しながら
   皆と協力して編集作業をすすめる。
5.  10月末までに、出版編集室に見積書を提出する。編集作業をすすめる。
6.  11月中旬までに印刷会社に原稿を入稿してください。
7.  12月6日(金)はゼミ誌納品期限です。厳守!!
8.  12月12日までに見本誌を出版編集室に提出してください。
9.  12月下旬までに印刷会社からの【③請求書】を出版編集室に提出してください。
『熊谷元一研究 創刊号』
平成24年度出版予定だった『熊谷元一研究 創刊号』、嶋津さんに編纂作業をお願いしました。嶋津さん → 特集『熊谷元一と「一年生」』に、提出課題で、「私が子どもだった頃」(ゼミ誌で掲載されなかった分)を通信から転載したいと思います。
※ 創刊号に、6月郊外授業した「岩波書店創業百年展」のチラシも追載
文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.225―――――――― 8 ―――――――――――――
これまでの郊外授業 (熊谷元一研究)
下原ゼミでは、熊谷元一研究の一環として郊外授業を実施していきます。写真展、童画展写真童画館見学や熊谷元一研究発表(28会主催)などが主な授業内容です。研究の目的は、熊谷元一という一人の写真家・童画家の生涯と作品検証です。研究は、継続的になります。熊谷の写真、童画、学校教育に関心ある人は、ご参加ください。
これまで実施した郊外授業は、以下の通りです。見学は28会含む()はゼミ生
□2011年9月23日~24日 山形県酒田市美術館「近くて懐かしい昭和展」見学4名
□2012年7月8日(日)~9日(月)秋田角館ぷかぷ館「熊谷元一写真展」見学5名(1)
□2013年7月5日(日)銀座・教文館「岩波書店創業百年展」見学9名(2)
□2013年9月30日(月)市ヶ谷「熊谷元一写真コンクール選考会」見学5名(1)
後期ゼミについて   志賀直哉の事件作品を読む。法廷場面に脚本化
  
後期ゼミは、主に以下の事件作品です。
『兒を盗む話』父親との確執から、家を飛び出し、瀬戸内海の港町の借家に住む主人公は、寂しさと鬱した気持ちから幼女誘拐を実行する。
『剃刀』腕のよい理髪師は、疲れと微熱と苦悩からひげそりの最中、手元が狂って若い兵隊のノドを切って死に至らしめてしまう。
『范の犯罪』ナイフ投げ師の范は、曲芸の最中、不仲の妻のノドにナイフを投げて殺してしまう。過失か、故意か。12月最終ゼミ、三ゼミ発表会のだしもの。
ゼミ日程・テキスト読み計画
10月 7日 ゼミ誌会議  テキスト読み『兒を盗む話』 子ども時代
10月21日 ゼミ誌会議  『兒を盗む話』脚本化、裁判、判決について
10月28日 テキスト『剃刀』読み 感想報告 子ども時代発表
11月11日 『剃刀』模擬裁判
11月18日 『范の犯罪』読み 
11月25日 『范の犯罪』脚本発表 模擬裁判(『高瀬舟』読みも)
12月 2日 『范の犯罪』脚本、寸劇稽古他
12月 9日 3ゼミ合同、発表会
上記は、(都合により変更もあります)予定です。
お知らせ
◇10月26日(土)、ドストエーフスキイ全作品を読む会「読書会」
会 場 東京芸術劇場小5会議室   時 間 午後2時 ~ 4時45分迄 
作 品 『虐げられた人々』     報告者 國枝幹生
・・・・・・・・・・・・・・・・編集室便り・・・・・・・・・・・・・・・・
□住所〒274-0825 船橋市前原西6-1-12-816 下原方『下原ゼミ通信』編集室
 メール: TEL・FAX:047-475-1582  toshihiko@shimohara.net
       携帯 090-2764-6052

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