文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.283

公開日: 

日本大学藝術学部文芸学科     2016年(平成28年)4月11日発行

 

文芸研究下原ゼミ通信No.283

 

BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN

編集発行人 下原敏彦

4/11 4/18 4/25 5/9 5/16 5/23 5/30 6/6 6/13 6/20 6/27 7/4 7/11

熊谷元一研究

 

4・11下原ゼミ

 

 

2016年度の文芸研究Ⅱ 下原ゼミ開講

 

「2016年 読書と創作の旅」を前に

 

皆さん、こんにちは! 桜も散り、いよいよ新学期がはじまりました。所沢校舎での一年間、早いと感じた人、長かった人、さまざまと思います。が、ことしは最後の所沢です。

二年時は、大学生活で大切な学年です。自分は、なにをすべきか。なにを学びたいのか、目標をしっかり立てて自分に合ったゼミを選んでください。

下原ゼミは、毎年「読書と創作の旅」と銘打って、読むことと書くことの日常化・習慣化をススメてきました。が、一昨年より併せて「熊谷元一研究」にも取り組んでいます。旅立ってから、自分の目指すものとは違った。そう悔やむことがないようにゼミ説明を、しっかり観察して決めましょう。

2016年、読書と創作の旅が楽しく有意義な旅になるように祈願します !

 

ゼミ希望調査日は、4月15日(金)10時~18時迄です。

 

  締め切り後、「ゼミ希望カード」に希望理由と自己PRを書いて提出してください。

 

下記、写真は、熊谷元一の故郷 長野県、伊那谷にある昼神温泉郷

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自己紹介 下原敏彦 (しもはらとしひこ)

 

1947年、長野県の伊那谷にある阿智村に生まれる。

 

阿智村の紹介

 

・昼神温泉郷 ・星空がきれいに見えると話題

 

・満蒙開拓平和記念館 (満州とは何かを知ることができる)

 

・熊谷元一写真童画館 写真の村として有名 岩波写真文庫『一年生』展示

 

・歴史的には武田信玄終焉の地(文学的には作家森田草平終焉)

 

・古典 源氏物語にでてくる箒木(ははきぎ)の「箒木」がある 万葉集、古事記

 

・映画「望郷」日藝出身の内藤剛志さんが主演 満州開拓団の悲劇を描いた実録映画。

一昨年話題に。現在も、地方各自治会で上映中

 

創作・編集活動

 

『伊那谷少年記』子どもの頃の話

 

「コロスケのいた森」フクロウのヒナを飼った話。公立高校入試問題(埼玉・大阪府)

「ひがんさの山」 山で猟師たちとうさぎ追いした話。四谷大塚テスト(有名中学問題)

「山びこ学校」  話し方教室に通ったときの話。

 

『山脈はるかに』椋鳩十記念特別賞受賞作品

高校を卒業したばかりの谷蕗子は、学校の事情で、いきなり山村の小学一年生の担任になっ

た。が、わんぱくたちに手をやき、孤軍奮闘するが、学級崩壊となる。

 

『ドストエフスキーを読みながら』「読書会通信」

 

1970年~2004年までドストエフスキー全作品を読む会 偶数月、東京芸術劇場で開催

 

『ドストエフスキーを読みつづけて』

 

2004年~2010年までのもの 偶数月、東京芸術劇場で開催

 

写真集編纂『黒板絵は残った』 テレビ・ゼミ風景撮影

 

1953年(昭和28年)~1956年(昭和31年)

小学1年~小学3年まで、熊谷元一が写真に撮った教室の黒板絵。

下原が編纂、江古田校舎・日藝アートギャラリーで写真展ひらく

 

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2016年度の目標

 

「読むこと」「書くこと」の習慣化、日常化を身に着ける

 

将来、といっても3年後、あるいは7年後、皆さんは社会に出ているはずです。そのとき何をしているか。どんなところで働いているのか。

入試の面接では、殆どの受験生は、将来なりたいものとして作家や、ジャーナリストをあげています。いわゆる物書きを希望しています。卒業したとき、はたして、その夢が実現できるかどうかわかりません。が、ものを書くということは、どんなときでも必要とされます。

その意味で、すぐにものが書けるということは重要です。ものが書くことは、よりものを読んでいなければ書くことはできません。両者は、常に連動しています。

そんなわけで、「読むこと」「書くこと」の習慣化をゼミの目標としました。が、自分は、既に習慣化できている。そうした人でも熊谷元一研究に興味ある人は、歓迎です。

 

◎「読むこと」

 

テキストは、主に志賀直哉の作品、車内観察作品をとりあげます。

 

なぜ志賀直哉か。小説の神様といわれているから。

 

テキスト外(主に観察をテーマにしたもの)

 

・『空中ブランコに乗った大胆な青年』自分観察  ・『透明な存在の正体』精神観察

 

・『生きている兵隊』戦地観察   ・『にんじん』家族観察

 

※読むことの総決算 ゼミ合宿でマラソン朗読会

 

◎「書くこと」ゼミ終わりに提出 メール可

 

・ある日の自分の一日の記録(日記可) ・車内観察(ルポタージュ風、創作可)

 

・日本国憲法 第九条について (評論)

 

◎【熊谷元一研究】DVD「追悼」「黒板絵」観賞 NHK「教え子たちの歳月」

 

下原ゼミでは、通常授業の他に「熊谷元一研究」をすすめています。熊谷が実践した写真・童画・自由教育は何だったのかを検証し、現代に役立たせることを目的とします。

主な授業活動は以下の通り。

 

・岩波写真文庫『一年生』の感想   ・小学生時代の思い出

 

・熊谷元一写真展見学

 

※「書くこと」「熊谷元一研究」の総決算、ゼミ誌に掲載。

 

 

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ゼミ誌について

 

『熊谷元一研究 No.3』の発行 特集・遊び

 

掲載 → 提出作品「一日の記録」「車内観察」「憲法九条」についてなど

 

熊谷元一研究 → ・写真展見学ルポ(あれば) ・小学生時代の学校の思い出

 

・自分の故郷についてのエッセイ ・岩波写真文庫『一年生』感想

 

ゼミ誌作成手順

 

1.4月18日(月)編集委員 2名選出

2.4月中旬 ゼミ雑誌ガイダンス出席

3.9月初旬~原稿整理編集作業

4.10月下旬 校正作業

  1. 印刷会社へ

6.2016年12月9日(金)納品

 

ゼミ雑誌の納品は、2016年12月9日(金)です。

 

例 これまでに発行してきたゼミ誌紹介

 

『背中に人生を』『柔』『サンサシオン』『ドレミフア空しど』『旅路報告』

『COCO Den』『懐古』など

 

一昨年から『熊谷元一研究 創刊号』『熊谷元一研究 No.2』を発行。

 

 

 

なぜ「熊谷元一研究」をはじめたか

 

3・11以来、日本の未来は暗い。2020年のオリンピックが決まっているのに、なぜか希望がもてない。終わらぬ原発被害、ひろがる格差社会、高齢化問題、金権主義にみる心の荒廃。テロにおびえ戦火と難民やまぬ世界も同様である。

いま私たちに必要なものは何か。懐かしいと思う心だと思う。故郷を懐かしいと思う心、家族を懐かしく思う心、誰かを懐かしく思う心、子ども時代を懐かしく思う心。

人生に懐かしい思い出があれば、その人の人生は幸福だったといえる、といったのはロシアの文豪ドストエフスキーだが、熊谷元一の作品には、それがあると思う。

一つの山村を70年間撮りつづけた写真、消えゆく子どもの遊びを描いた童画、実践した自主・創造の教育。いまの、これからの日本に必要なものは、まさにこれらにある。そう思うからである。このような理由から「熊谷元一研究」をはじめることにしました。

 

 

 

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実践的投稿術

文章力修業として投稿も、その一つの手段といえます。投稿は、投稿者が多ければ多いほど採用される確率は低くなります。が、そのことは即ち投稿作品の質の向上にもなります。様々なものへ観察・興味を抱く要因ともなるので、投稿は一石三鳥ほどの価値があります。

もっとも投稿といっても、小説・論文投稿から標語まで多種多様です。が、ここでオススメするのは新聞投稿です。新聞は、毎日投稿できます。政治・社会・生活観察・自分の意見と幅もあります。また、時流や出来事のタイミングも重要となり自然、書くことの日常化・習慣化が身につきます。文章力研磨にもってこいの場ともいえます。

編集室では、文章力を磨く目的はむろんですが、社会への疑惑や自分の意見・感想を伝えるために新聞「声」欄に投稿をつづけている。なぜ「声」欄かというと、500字という字数は、人が飽きなく読む字数であるということと、文体を簡潔にできるからである。

編集室の投稿きっかけは、文章修業ではなく知人に相談されたあることと、そのことにたいする疑問と関心からだった。掲載されたことで、多くの反響があり、投書の力を知ると同時に文章修業の場になることがわかった。以後、今日まで、自分の意見・感想を投稿している。たとえば、こんな相談をされたときは、下記の投書を書いた。

「こんど病院に入院することになった。手術しなければならないのですが、そのときは、担当の医者にいくら払えばいいだろうか」

「退院のときでいいのではないか」

私は、答えた。知人は、家内がある医大の職員というのを知っていた。それで、話のついでにだいたいの入院費用のことを聞いたのだろうと思った。が、違った。

「病院費とは別に担当医師医者に払う謝礼金のことなんだ」

「えっ!?」私は、絶句した。この日本で、ありえない話と思った。「そんなバカな」

が、知人は、謝礼は、患者社会の常識という。私はまったく知らなかった。

入院費のほかに、医者に謝礼を払う。開発途上国ならともかく。もし本当なら、あってはならぬことだ。しかし、知人は断固そうだという。中元、お歳暮の類と反撃する。

議論しあったが知人は謝礼するとのこと。私は、納得できず投書してみた。採用された。

 

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◆ 1994年2月2日付 朝日新聞「声」欄 下原敏彦

 

医師への金品 規制できぬか

手術で入院する時、担当医の付け届けは何とかならないだろうか。先日、大学病院への入院を控えた知人から「執刀医に、いくらぐらい包んだらいいだろうか」と相談された。相場を教えてくれというのだ。

入院費の中には手術代も含まれているはずだが、手術前に個人的に担当医に一封を渡す。そんな慣例があるという。礼状でいいのではと薦めたが、知人は「周りは皆そうしているから」と謝礼の必要を説いた。

むろん規定にはないことなので、受け取る医者と受け取らない医者がいるという。渡さないからといってメスさばきに加減があると思えない。

だが患者や家族の立場は弱い。普段は無用な事と思っていても、いざ患者の立場になると「一応、なにがしかの金品を手渡さなければ」と腐心してしまうのだ。渡す側が悪いのか、受け取る側が悪いのか、人間の同義的基盤には限界がある。

患者が安心して入院するために何らかの規制があればと思う。寄付金を断ったために入学できなかったニュースに、この国にはびこるあしき習慣を痛感する。ゼネコン汚職糾弾も、政治改革も、我々一人ひとりが日常生活にある不条理を断っていかない限り、達成できないのではないか。

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熊谷元一研究 2015年ゼミは、熊谷元一研究の一環として、熊谷が撮った黒板絵の写真展を江古田校舎のアートギャラリーで行った。

62(火)16(火)日芸アートギャラリー AM1000~PM1800

 

展示風景

戦後70年で注目、黒板絵写真展

 

熊谷元一撮影の黒板絵は、戦後70年という節目の年もあって注目された。

以下、マスメディアで紹介された黒板絵。

 

□朝日新聞 秋田 2012・7・10 「教え子撮った瞳 温厚」

 

□読売新聞 2013・3・23 芥川喜好編集委員「時の余白に」皆さんは私の目標でした

 

□毎日小学生新聞 2014・4・10 「60年後の1年生」教室の1年生を撮影

 

□読売新聞 2015・4・25芥川喜好編集委員「時の余白に」無心という時間があった

 

□長野朝日放送 2015・5・21 戦後70年特集 黒板絵は残った放映

 

□毎日新聞インターネットニュース 2015・6・9 黒板絵は残った

 

□信濃毎日新聞 本・『黒板絵は残った』2015・6・21 教育の力を信じたくなる1

 

□南信州新聞 本・書評「『黒板絵は残った』出版」 2015・6・26

 

□南信州新聞 2015・6・26コラム「偶然の出会いを楽しみながら」

 

□朝日新聞 夕刊 2015・7・3 「思い出の黒板絵」

 

□朝日新聞 インターネットニュース 2015・7・5 「黒板の落書き絵」

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日藝アートギャラリーで、自分が描いた黒板絵を説明する下原。

 

 

掲示板

 

・「熊谷元一」について興味を持った人、もっとくわしく知りたい人は下記HP「熊谷元一写真童画館」を検索してください。

 

長野県阿智村山村合併60周年事業

 

19回熊谷元一写真賞コンクール募集

 

2016年のテーマは「阿智村」・「祝う」です。

 

テーマ「阿智村」は、阿智村に来て、阿智村を撮ってください。風景、行事何でも可。

テーマ「祝う」は、どんな祝い事でも。「祝い事」ならなんでも。

 

締め切りは、2016年8月末 選考会は同年9月末東京で最終選考会 授賞式11月

―――――――――――――――――― 編集室 ――――――――――――――――

 

〒274-0825 船橋市前原西6-1-12-816 下原ゼミ編通信・編集室

メール:toshihiko@shimohara.net 携帯 090-2764-6052 ℡047-475-1582 下原

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