文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.320

公開日: 

日本大学藝術学部文芸学科     2017年(平成29年)7月7日発行

 

文芸研究下原ゼミ通信No.320

 

BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN

編集発行人 下原敏彦

4/10 4/17 4/24 5/1 5/8 5/15 5/22 5/29 6/5 6/12 6/19 6/26 7/3 7/10 

テキスト作品読み(志賀直哉他) &熊谷元一研究

 

2017年読書と創作の旅

 

2017年夏、校外授業、決まる

 

熊谷元一研究で南信州・昼神温泉郷へ

 

ドストエーフスキイ全作品を読む会も同行か

 

下原ゼミは、今年のゼミ合宿について、先ごろ実施する方向で決定した。校外授業地は、研究をすすめている熊谷元一の故郷、長野県阿智村。今年で3回目となる。

なお、ドストエーフスキイ全作品を読む会「読書会」・会員も希望者あり、参加すれば賑やかな旅になります。(現在不明)実施の日程は、下記の通り。

 

月 日 2017年8月16日(水)~ 17日(木)

 

宿 泊 長野県下伊那郡阿智村 昼神温泉郷「阿智の里ひるがみ」(元年金)

 

集 合 8月16日(水)AM7:30 新宿パスタ2階

 

熊谷元一の故郷、長野県伊那谷 昼神温泉郷

 

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.320 ―――――――― 2 ―――――――――――――

 

日 程 南信州への旅

 

【8月16日(水)1日目】

 

□  高速バス「飯田行き」乗車

 

朝8時00分発 → 10時双葉(休憩15分) → 正午 伊賀良下車

 

□  送迎車に乗り換え → 阿智村へ・昼食

 

□  2時00分 満蒙開拓平和記念館・長岳寺(森田草平)見学 → 昼神温泉郷

 

4時30 熊谷元一写真童画記念館 見学

 

□  6時00 昼神温泉郷「阿智の里ひるがみ」夕食・風呂

 

□  8時30分 ~ 11時20分 バス → ロープウェイで、日本一星空見物

 

 

【8月17日(木)2日目】

 

□  6時00分 ~ 朝市見物

 

□  7時30分 朝食

 

□  9時30分 → 古代東山道の散策 ははき木(源氏物語に登場)

 

□  正午 昼食 予定 五平餅&焼肉

 

□  3時30分 りんごの里 お土産店

 

□  4時19分 新宿行き高速バス

 

□  8時30分 新宿南口「新宿パスタ」着 解散

 

 

■宿泊 「阿智の里ひるがみ」(元年金会館)0265-43-2255

 

■費用 高速バス往復8000+宿泊8850+星見物3200=20050+その他

 

 

―――――――――――――――――― 3 ―――――文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.320

 

8月16日(水)に見学する満蒙開拓平和記念館

 

※映画「望郷の鐘」で話題になった満蒙開拓。昨秋、天皇皇后両陛下が訪問された。

 

 

昼神温泉郷にある熊谷元一写真童画館

 

 

温泉ホテルに挟まれて建つ熊谷元一写真童画館

 

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.320 ―――――――― 4 ――――――――――――

 

昨秋 熊谷元一の故郷「阿智村」、天皇両陛下ご訪問に沸く

長野県伊那谷にある熊谷元一の故郷「阿智村」は、2017年11月17日、満蒙開拓平和記念館を見学された天皇、皇后両陛下ご訪問に沸いた。

 

 

満蒙開拓平和記念館の展示をご覧になる天皇、皇后両陛下(17日午前10時51分、長野県阿智村で)=菅野靖撮影

 

天皇・皇后両陛下は、16日、17日、熊谷元一写真童画館がある昼神温泉に連泊されました。

 

満蒙開拓平和記念館の話 (副館長・専務理事 寺沢秀文)

 

両陛下は11月17日午前、記念館にお越しになりました。両陛下の今回の行幸啓(ぎょうこうけい)は公務等としてではなく私的なご旅行として行われるもので、16、17日と阿智村にある昼神温泉に連泊され、17日午前に記念館をご訪問、その後、飯田市内の天竜峡、りんご並木等を訪問されました。
地元紙に拠れば、今上天皇がこの飯田・下伊那(飯伊)地方にご来訪されるのは天皇即位以来初めてのことで、皇太子時代の昭和44年8月に飯田市などをお二人で訪問されており、それ以来、実に47年ぶりのご来訪になります。これも地元紙に拠れば今上天皇、先代の昭和天皇も含め、明治以降では初めての当地方へのご来訪になるとのことです。
 

―――――――――――――――――― 5 ―――――文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.320

 

 

17日(木)古代東山道を歩く 9時30分 ~ 11時20分

 

 

 

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.320 ―――――――― 6 ――――――――――――

 

古代東山道の紹介

 

 

―――――――――――――――――― 7 ―――――文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.320

 

2015年6月2日~16日迄日本大学芸術学部アートギャラリーで開催された黒板絵写真展は、この年の秋、熊谷元一の故郷、昼神温泉郷の「熊谷元一写真童画館」で展示された。

平成27年11月24日~平成28年3月7日迄、下記事は、南信州新聞

 

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.320 ―――――――― 8 ―――――――――――――

 

下原ゼミⅡ、ゼミⅣ合同校外授業について

 

ゼミⅡ 参加 島袋美咲さん

 

ゼミⅣ 就職活動・卒論のため不参加 須川藍加さん 漆畑一真さん

 

聴講生 参加 浦上透子さん  引率 下原敏彦講師

 

ドストエーフスキイ全作品を読む会・「読書会」同行

現在参加 下原康子 他1~5

 

※ 映画「望郷の鐘」(監督・山田火砂子)阿智村が舞台。主役・山本慈昭さん役は、日芸出身の内藤剛志さんです。

 

日本一星空が綺麗に見える村、阿智村

 

上絵は熊谷元一画    熊谷元一写真童画館

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――― 9 ―――――文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.320

 

課題報告  前期最後の課題

 

【社会観察】東京都の都議選ニュースを見て

 

選挙に行く人が、前回よりも増えたらしい。若者の選挙離れが、問題視されている世で、このニュースは喜ばしいこととして捉えられているのではないかと思う。

 

□昔、平将門は、風が変わって破れたといいますが、選挙も風ですね。2009年、立会人をやったとき、ものすごい風をみました。

 

【テキスト感想】 志賀直哉の『濠端の住まい』を読む

 

殺された猫に対して、そういう風に、それは自然なこととして考える前に、猫の蓋を閉め忘れた為に襲われたのだから、忘れた物の落ち度と見る方が、本当なのだという作者の考え方が面白かった。

 

□人間は、いつでも神になれます。他の生き物の生殺与奪を握ったとき、その生き物の全宇宙は、手中にあるのです。

 

【なんでもない一日の記録】本当に欲しい写真集

 

ジュンク堂で写真集を眺めていた。いろんな種類のものがあった。アラーキーの『センチメンタルな旅』を見つけた。欲しいと思ったが、また今度にした。3日後も、また5日後も、ずっと欲しかったから、本当に欲しいものだと思うから。

 

□欲しい本があるということは、羨ましいことです。

 

【郵政営業マン観察】かんぽ勧誘の仕方 「下原ゼミ通信」編集室

 

郵政民営化が実施されてからおよそ10年になる。「国民のためになる」との公約。怒涛の小泉人気で成就したが、現在、その業務はどうなっているだろうか。聞こえてくるのは、あまりよい評判ではない。お年寄りを言葉巧みに騙して新規契約をとっているというのだ。本当だろうか。民営化したといえども庶民からみれば局員は公務員と同じである。姑息の手段で、営業活動などしないだろう。先日、その営業マンが我が家にきた。払っている保険額が多くて大変なら半額にしてやる。そう微笑んで、電卓をパチパチたたいて、数字をみせる。減額なら、それにこしたことはない。そう思って見ていると、書類を作成しはじめた。

これは怪しいと観察していると、ちゃつかり新規契約書をつくりあげていた。半額は、ほんの微々たる減額になった。まさに名人芸、騙しのテクニックと感心するほかなかった。お年寄りは、赤子の手をひねるより簡単だろう。

 

 

 

 

 

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.320 ―――――――― 10 ―――――――――――――

 

土壌館制作・日本大学異聞 創作ノート校正しながらすすめる。

 

昭和元禄水滸伝①

 

土壌館・編集室

日大生起つ

 

1968年5月、フランスで燃え上がった学園紛争の炎は、たちまちのうちに全世界の大学に燃え移った。日本も例外ではなかった。その炎は、枯野に放たれた野火ごとく勢いよく日本全土に燃え広がった。六十年安保騒動を凌ぐほどの過激でーー。

しかし、そのなかにあって一人日本大学だけは、学園紛争と無縁だった。「ポン大生がデモなどやるか」如何なる確証からか、そんな悪口が公然と囁かれた。

ところが、その年の夏、突如、日大は燃えた。日本一の学部数、学生数を有し各地に校舎数を誇る日大だが、各地から一斉に火の手があがったのだ。世間もマスメディアも驚いた。「あの日大生が?!…」誰もが唖然とした。容易に信じなかった。が、真実だった。学部ごとに各地に聳える日大城は、次々に落城、占拠されていった。

大学も政府も、対策には、なぜか機敏だった。香港帰りの警視庁公安部警視正佐々淳行警備第一課長を、鎮火すべき日大校舎に向かわせた。彼は、後に東大安田講堂攻防戦や連合赤軍浅間山荘事件で警備幕僚長として活躍、名将として名を馳せた。その彼とて「日大生起つ」の報に接したとき、容易に信じられなかった。どうせ他大学の学生運動家が、宿り木のように巣食ったに違いない。そう思った。

それもそのはずである。当時、彼の知る日本大学はこのようだった。

「日大は徹底した商業主義に基づくマンモス教育であり、その放漫きわまる経営方針ゆえに私立大学紛争の最高峰となったのである。そもそも学生の総数すら日大当局の誰にきいてもはっきりしない。あるいは十二万人、あるいは十五万人という。・・・・二部や通信教育をいれると三十万人ともいう。(『東大落城』文春文庫)」

学生の大量生産化は、学生たちを無気力、無関心にした。また応援団や右翼勢力によって問題意識の徹底的な排斥おこなってきた。それにより向こう100年、日本大学には、学生運動は起きない。そんな風にさえ思われてきた。

それだけに日大生の反乱は、市井の人々にとって驚きであった。そして、或る種の感動でもあった。あの日大生が、ついに起った。不正に怒りの狼煙をあげた。

この物語は、昭和元禄と呼ばれた時代の青春群像である。そこには山田市之充の青春と重なるものがあったかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

神田の新撰組

 

場面 一九六八年(昭和四十三年)6月。神田三崎町界隈。宵の飲食街、大衆酒場を一軒一軒偵察する軍団。桜の花と日本大学の文字が入ったそろいのジャンパー。彼らは、浪人狩りならぬ日大生狩りをおこなっていた。日大生の集会を見回っていた。応援団、右翼、体育会混成の日本大学を守る会「桜嵐会」。彼らに追われて居酒屋「養老の滝」の看板に身をかくす若者。天野健太郎。何年か前に放映されたテレビドラマ「高杉晋作」の主題歌の替え歌を口ずさんでいる。

 

 

ここ東京、神田の三崎町に夕闇が漂いはじめたていた。桜は、すでに終わったが、街は、まだお花見気分の賑わいがあった。この時刻、日本全国、いずこも同じ高度成長まっただ中

―――――――――――――――――― 11 ―――――文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.320

 

の風景である。赤ちょうちんやバーやスナックが軒を並べる路地裏は、早くも仕事帰りの勤め人やコンパの学生たちで溢れていた。大通りの歩道は、駅に向かう人波がつづいていた。

その人混みを、逆流する一団があった。黒い上下のジャージを着た十二人の青年たちだった。皆、体格がよく、見るからに体育会系の学生を思わせた。先頭の青年は、長髪をオールドバックに整えた端正な顔立ちだったが、その眼は、獲物を探す鷹のように鋭かった。彼だけが紫色のジャンパーを着ていた。背に桜志会とピンクの刺繍。リーダーらしかった。

彼らは、まるで兵士のように一糸乱れぬ足取りで直進していた。手に木刀を持っているものもいる。その異様さに、仕事帰りの人々は道をあけた。彼らは、道すじにあるスナック、居酒屋を軒並み覗き回っていた。ニコライ堂を過ぎて、古本屋街に向かう横町の居酒屋の前にさしかかると、リーダーは、いきなり踵を返して命じた。

「捜索してみろ!ここもよく使うらしい」

三人の若者が「オス!と叫んで、飛びこんでいった。残りの若者は、応戦体制で入口をかためた。リーダーは、数歩、離れたところから、入り口に視線を釘付けていた。獲物はいたのか。ぴりぴりした空気が張り詰めた。何事が起きるのかと、通行人が遠巻きに見ながら通り過ぎていった。一分、二分、三分が過ぎても平穏だった。店の戸が開いて、入っていった若者たちがでてきた。一人が、リーダーに向かって両腕でバッテンした。

「じゃあ、次の店だ」

リーダーは怒鳴った。若者たちは、一列になった。

そのとき、向かいの喫茶店から数人の若者がぞろぞろでてきた。彼は目にするや、矢のようにすっ飛んで彼らの前に立ちふさがった。

「な、なんだよ、いきなり」

学生らしい若者たちは、ぶ然としていった。

「ちょっといいですか、学生さんですか」

隊長は笑みを浮かべて聞いた。

「だったら、なにか用」

「どちらさんの学校か知りたくて」

「なんだあ」

「なんでそんなことを

彼らは怒りだした。

「どこの学生かって、そんなのおまえに教える義理がー」

そう言って居丈高な口調でリーダーに詰め寄った。が、そのときになって黒ジャージ姿の若者たちに気がついた。すぐに察したようだ。

「教えてくれないと、」

隊長格の青年は、ささやくように言った。

ドスのきいた声面倒になりますよ。人を探しているだけなんですから

と丁寧な口調が彼らを怯えさせた。その学生たちは、結局一人一人学生証をみせることになった。全員が他大の学生だった。

「オス!失礼しました」

リーダー格は、大げさに頭を下げた。

「なんだよ、内輪もめを外でやんなよ」

 

60余州を ゆり動かして

桜を咲かせる 夜明けがちかい

のぞむところだ 学園 あらし

 

桜旗 なびかせ

いくぞ 日大騎兵隊

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.320 ―――――――― 12 ―――――――――――――

 

 

口ずさむかれの脳裏に、藤沢にある八会校舎のことが思い浮かんだ

 

湘南の夜風

 

場面 夜8時過ぎ 藤沢郊外にある小高い丘の雑木林、人家はない。遠くに藤沢の街の光、青赤にぎやかなネオンは飲食街「小鳥の町」わずかに街灯の明かりがある県道に人影5人。

近くにある日本大学の学生のようだ。森のなかにある元兵舎に、ことし新設された新学科海外農業協力学科の学生たち。45名定員だが、名簿上の学生数は150名、実際の三倍数を採用していた。網にかかった魚は一匹も逃さぬ。農場実習で意気投合の7人、今夜、宴会という話になったが、酒がない。酒の調達はかつあげ。かつあげの手口

路上に立って車を止める。怒って車から出てくる。土手に潜んでいた4人が飛び出して囲む。酒のおごりで手打ち。湘南不良グループとの対立

オンボロ校舎の学生たち

 

場面 車座で宴会。この学科にきた、それぞれの理由。補欠、縁故、裏口と様々。語り手馬賊一角竜との出会い。木曽山中。伊勢湾台風の孤児。五島主任教授紹介。

 

満州国の失敗

 

五島総一教授の回想、ソ連参戦、吉林での苦い思い出。一角竜脱出協力、敗戦後の日本。元関東軍への怒り、

 

江の島大橋での逆襲

 

決着 江の島けんかエレジー

 

八会の森、一人で行く 遠くから近づいてくる日大の応援歌「水の覇者」の口笛。いつのまにか森のあちこちから聞こえてきた。加勢にきてくれていたのだ。

 

三年後 日大生起つ 激動のなかへ

 

是清大介助手の協力 密約 大逆転、

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

前期は、本日で終わります。ゼミ合宿8月16日に会いましょう。何かあったら連絡ください。

047-475-1582 090-2764-6052 toshihiko@shimohara.net

 

夏休み課題

 

  1. 「なんでもない一日の記録」 2.テキスト読書感想

シェアありがとうございます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

コメントを残す

PAGE TOP ↑