文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.353

公開日: 

日本大学藝術学部文芸学科     2018年(平成30年)10月15日発行

 

文芸研究下原ゼミ通信No.353

 

BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN

編集発行人 下原敏彦

9/24 10/1 10/8 10/15 10/22 10/29 11/12 11/19 11/26 12/3 12/10 12/17 12/24 1/7 1/21

 

土壌館創作道場 2018年、読書と創作の旅

 

テキスト読み(志賀直哉作品・他) &熊谷元一研究(情報)

 

テキスト=志賀直哉、他(世界文学)、エッセイ・評論の読み。

討論会、テーマを決めて話合う。

社会観察 いま起きているニュース、話題になっていること。

熊谷元一研究(童画・写真観察)写真・童画展情報

10・15ゼミ

 

テキスト読み  『范の犯罪』の口演と判決

 

この作品は1913年(大正2年)10月1日発行の『白樺』第4号に発表された。

【創作余談】支那人の奇術で、この小説に書いたようなものがあるが、あれでもし一人が一人を殺した場合、過失か故意か分からなくなるだろうと考えたのが思いつきの一つ。ところがそんなことを考えて間もなく、私の近い従弟で、あの小説にあるような夫婦関係から自殺してしまった男があった。私は少し憤慨した心持で、どうしても二人が両立しない場合には自分が死ぬより女を殺す方がましだというやうなことを考えた。気持ちの上で負けて自分を殺してしまった善良な従弟が歯がゆかった。そしてそれに支那人の奇術をつけて書いたのが『范の犯罪』である。レポートは、この犯罪の判決の有無。

 

ゼミ授業 社会観察 ニュースの相撲ネタは、次から次と生まれるようだ。貴乃花問題がネタ切れになってきたと思ったら、今度は元天才横綱「輪島」の死。70歳。学生横綱初の大相撲横綱。日大相撲部の星。破天荒な人生。

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▽後期・テキスト = 志賀直哉作品『出来事』『正義派』『灰色の月』『にんじん』

▽後期・口演 = 志賀直哉『氾の犯罪』、ルナ―ル『にんじん』

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目 次

□2018年「10・15ゼミ」について――――――――――――――――――――― 1

□10・8ゼミ報告「それぞれの夏休み」「にわとり」「しゃこ」――――――――――2

□ドストエフスキー作品の脚本「ぼた雪」―――――――――――――――――――3

□レポートについて、依存記録次回に―――――――――――――――――――――4

□ゼミ日誌・掲示板―――――――――――――――――――――――――――――8

 

 

 

 

 

 

 

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.353―――――――― 2 ――――――――――――――

 

10・8ゼミ報告  全員揃う、夏休み報告「それぞれの夏」

 

久しぶりに全員揃う。ゼミ誌報告と「それぞれの夏休み」報告。

とりわけ暑さ厳しかった2018年の夏でしたが、無事に過すことができたようです。

 

新聞記事から、「虐待」について

 

このところスポーツ界の暴力問題で隠れてしまったが、幼子への虐待のニュースも、後を絶たない。なぜ虐待はつづくのか。

 

「にわとり」「しゃこ」の二作を口演

 

虐待とは何か、その本質を探るために、テキスト読みの合間に名作世界文学からジュール・ルナール(1864-1910)の『にんじん』をみていくことにしました。

※この作品は、読む人によって感想、受け取り方は様々。ゼミでときどき口演することで、自分なりに少しでも謎が解ければと期待します。訳は高野優、窪田般彌を編集室編集。

 

口演者 → 志津木喜一  村瀬 琴  西村美穂

 

10月8日、初回は「にわとり」(めんどり)「しゃこ」(ヤマウズラ)を取り上げました。口演の配役は下記の皆さん。

 

【設定】 ルピック家

パリ郊外の持ち家、野菜畑の農地持ち、家畜は鶏とアンゴラウサギ。犬。

父親はセールスマン、両親と子ども二人、お手伝いさんもいる。中流上の家庭。

 

登場人物

 

ナレーション(状況説明)――――――――――――――― 西村美穂

 

ルピック氏(ルピック一家の主・父親)――――――――― 志津木喜一

 

ルピック夫人(ルピック一家の主婦・母親)――――――― 村瀬 琴

 

フェリックス(ルピック家の長男)――――――――――― 志津木喜一

 

エルネスティーヌ(ルピック家の長女)――――――――― 村瀬 琴

 

にんじん(ルピック家の次男、末っ子)――――――――― 西村美穂

 

【口演後の感想】

 

『にわとり』…「普通の会話」「なぜ、末っ子のにんじんに、といった疑問は残る」

 

『しゃこ』…「父親も母親も、あきらかに、にんじにたいして厳しい感じ」

「嫌な仕事をやらせて、なぜ、残酷だと非難するのか」

―――――――――――――――――― 3 ――――――文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.353

 

10・15ゼミ   ドストエフスキー作品について

 

前回のゼミ終盤に、ドストエフスキー作品が話題になった。以前、ゼミ合宿で実施したマ

ラソン読書会の話をしたら拒否反応にも似た驚きの声。『罪と罰』『地下室の手記』を読んだ

らしいが、愛読書とはならなかったようだ。ドストエフスキーの作品は、ハマらないとなか

なか読めない。とくに『地下生活者の手記』は、好きか嫌いかに分かれる。

そんなわけでこの作品を紹介するとき、編集室では、脚本化している。

たとえば「ぼた雪」の章は、このようである。(<>は米川正夫訳)

 

脚本 ぼた雪 2018.10.14 改訂・加筆

 

19世紀ペテルブルグ地下室男対現代の風俗嬢

 

19世紀ロシア・ペテルブルグの娼婦リーザに敗れた地下室男。懲りることなく21世紀にタイムスリップして極東のちっぽけな国の風俗嬢に闘いを挑んだ。

果たして彼は、現代の風俗嬢の深層心理に迫ることができるだろうか。彼女たちに<子供が自分の大好きな人に、物をねだるような目つき>をさせることができるだろうか…。<宝物のように、大事にしまっていた>恋人の手紙をとりに駆けださせることができるだろうか。

 

2018年冬、ここは雪降る夜の新宿歌舞伎町。ある、風俗店前。19世紀ペテルブルグからタイムスリップした地下室男、突然現れる。黒犬も。

 

地下室男 なんだ、なんだ、ここはどこだ?!

黒犬   アジア一の歓楽街、極東のセンナヤ市場でっさ。

呼び込み どこからきたんだ、この野良公は(黒犬をけっ飛ばして)社長さん、いらっしゃい!いい娘いますよ。

地下室男 しゃちょう!?なんのことだ?

呼び込み 先生でしたか、先生、いい娘いますよ。(無理に風俗店に引き込む)

風俗嬢  あら、いらっしゃい。センセイ。

地下室男 あ、ぼくは先生なんかじゃない。

風俗嬢  いいのよ、いいのよ。ここにくるのは、みんなセンセイか社長さん。

 

地下室男、小部屋に押し込まれ、風俗嬢と向き合って座る。地下室男、落ち着きなく小部屋の室内を見まわす。ちいさなベッドがある。

 

地下室男 (つぶやく)ふむ、ここが未来の娼婦館か。ベッド一つあれば商売繁盛か。ペテルブルグとたいして変わりないな。

 

風俗嬢  外人さんだから不安なのね。大丈夫、世界中、どこに行ってもこの商売同じよ。

地下室男 (あわてて)言葉は大丈夫。この通り話せます。

風俗嬢  そうみたいね。ウフフ…

地下室男 さて、あの話…どのように切り出すか、<それは愛情もなく無恥粗暴な態度で、本当の愛の栄冠となるべき行為から、いきなりことを始めるのだ。>

風俗嬢  なにもじもじいってるの。わかんない。

(じっと、地下室男を見据えて笑う)

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.353 ―――――――― 4 ―――――――――――――

 

<彼女はわたしの視線を受けながら、目を伏せようともしなければ、その眼差しも変えもしなかった...>

 

地下室男 <お前の名はなんというんだい?>

風俗嬢  まだ、決まってないのよ。何かないかしらいい名前。

地下室男 なんだ、なんのことだ?!

風俗嬢  だから名前よ。いい名前ないかしら、考えてるの。

地下室男 な、なんだって、まだはじめたばかりなのか!!

風俗嬢  そうよ。それで考えてるの。最初が肝心でしょ。姓名判断でみてもらおうかしら芸名。だって、女優の名前って難しいから。

地下室男 じ、女優だって! だれが?

風俗嬢  わたしよ。きまってるじゃない。この体験、女優への一歩でしょ。

地下室男 何なんだ、その論理。少しも卑下していない。風俗嬢から女優になれる。本気でそう思っているのか。

 

地下室男、慌てたが、気を取り直して)リーザにした話をはじる。

 

地下室男  <どこから来たの?>

風俗嬢  いやだ、身元調査なの。いいわ、原宿からってことにしとくわ。わたしって都会の娘に見えるでしょ。フフフ、遊びに来たらたらスカウトされたの。芸能プロダクションの人に。ちょうどヒマしてたから、面白そうだし。冷やかしにちょっとやってみようと思ったのよ。

地下室男 <えっ、それでいきなり(客を)とったのかい。>

風俗嬢 そうよ。別に演技いらないっていうから。

 

地下室男、口をあんぐりあけた。

 

地下男 (恐る恐る)<前(いつ)からここへ釆てるの?>

風俗嬢 昨日からよ。この世界、新しい娘の方がもてるんだって。やたら褒められちゃったわ。わたしそんなに魅力あるかしら。フフフ…

地下室男 うっ、この明るさ、この陽気さは何なのだ...これでは<いっこうに無愛想な調子に、だんだんぶっきら棒になって>いかないではないか。

 

早くも地下室男に焦りの色があらわれた。

 

地下室男 <お父さんお母さんはいるかい?>

風俗嬢  いるわよ、二人とも元気よ。どうして、そんなこと聞くの。わかった! わたしが風俗嬢だから、ちゃんとした両親がいないと思ったのね。わたし一人暮らしはじめたけど、両親は元気してるわ。

地下室男 <どこにいるの?>

風俗嬢  東京よ。田舎かも知れないけどフフフ、訛りがないのね、あたしの言葉。

地下室男 <いったいどういう人なんだい?>

風俗嬢  ちゃんとした人よ。地位があって教養があって、教育者とか聖職者みたいな。

地下室男  そ、そんな家庭の娘さんがなぜなんだ?!

<親の家に暮らしていたら、どんなにいいかもしれないじゃないか!>

<なぜきみは親もとを離れたんだい?>

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風俗嬢 きまってるじゃない。一人で住みたかったからよ。干渉なんかされたくないわ。もう大学生でしょ。だから自由に生活したいのよ。自由に…

地下室男 (独り言)ム、ム、ム、ム...自由と風俗、それに大学生とどんな関係があるんだ。<娘たちの中には、家で暮らすのが愉快でたまらないというのがいるよ!>そんな娘がいるのに。この娘は一体何者だ。

 

風俗嬢の理解不能な言動。地下室男、早くも形勢危うしである。

 

地下室男 こうなったら...そうだあの話をしてやれ、これなら少しはこたえるぞ。

<きょうあるとこで棺を担ぎ出していたが、あやうく取り落とすところだったよ>

風俗嬢 棺って、葬式の?!エーッ見たかったわ。死体転がり出たの?めったに見られないんじゃない」

地下室男 めったに見られない、だって! どんな性格してるんだ!ここは堪えて

<...いやな臭いがしてね。胸が悪くなるようだったよ>

風俗嬢 あら、いやだ。腐ってたの。

地下室男 そうさ、夜の商売で一人で暮らしていたからね。あの売春婦、もしかしたらエイズにかかっていたかも知れないな。頬が痩せこけていて顔じゅう班点だらけで、そりゃあひどいものだった。

風俗嬢 ふうん、物好きね。そんなに詳しく見るなんて。悪趣味ね。

地下室男 <今日あたりの埋葬はいやだなあ!>

風俗嬢  どうして?

地下室男 雪が降ってるだろ、こんな日に限って葬式が多いんだ。道路は渋滞するし火葬場は満杯だ。どうせ身元不明の遺体なんか一番最後に回されるから運搬していった市の職員なんか不満たらたらさ。そのうち遺体にだって当たりだすよ。帰りが遅くなるだの、パチンコする時間が減るとかいってね。それとも以前その女の子、買ったことあるとか、何とかいってみんなでげらげら笑いあうのさ。

風俗嬢  フン、死んでしまえば他人が何いおうが勝手よ。

地下室男  <いったいきみはどうだってかまわないのかい。死ぬってことが?>

風俗嬢  そうよ。だって、なんのためにわたしが死ぬのよ。そんなこと考えなきゃいけないのよ。

地下室男  <そりゃ、いつかは死ぬさ。ちょうどさっき話した死人のように、あれと同じ死に方をするのさ。あれもやはり...きみと同じような女だったんだ...>

風俗嬢  「ちょっと! 違うわよ。あなたの見たのは商売女でしょ。わたしは女優のタマゴよ。そのうち映画やお芝居に出るわ。

地下室男  <現在、きみは若くて、奇麗でいきいきしているからうんと高く買ってもらえるけど、こんな生活をもう一年つづけていたら、きみもすっかり変わってしまって、しなびてくるに決まってる>

風俗嬢  おあいにくさま、わたしだってこの仕事、長くやるつもりないわ。

地下室男 そうかい<いずれにしても一年たったら、きみの相場は下がってくるよ>次々と新しい女の子たちが入ってくる。きみはもっとハードな風俗を要求されるようになる。そして、結局のところこの商売から抜け出せなくなる。こんな商売やっててテレビや映画に出れる娘なんて、殆どいやしないさ。たいてい場末の風俗営業店の方に流れていくんだ。新宿から上野、北千住とね。そのあとは…、月百万、二百万とってた娘が、堅気の十万、二十万の仕事なんかできっこないからね。よくてストリッパーでドサ回り。ソープランドか立ちんぼさ。

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.353 ―――――――― 6 ―――――――――――――

 

そうやって<だんだんと低みに落ちてゆく。七年ばかり経ったら、いよいよセンナヤ広場の穴蔵まで行きついてしまうわけさ。それだけならまだしもだけれど、そのほかに何か悪い病気でも背負いこむとか...こんな生活をしていると、病気はなかなか早く癒らないから、とっついたら最後、もう離れないかもしれないぜ。 こうして、とどのつまりは死んでしまうのだ>

きみは一年間に身元不明死体が何体でると思う。

風俗嬢  知らないわ。

地下室男  二万以上さ。そのうちの半分が女性だ。誰も知らず引き取り手もなく死体置き場のプールの中にぷかぷか浮かんでいるのだ」

風俗嬢 「あ、そう。そうなったら、そうなったよ。心配なんかしてないわ。平気よ」

地下室男 まったくどんな神経をしてるんだ。あの女の場合、リーザのときなんかもっと深刻だった。沈黙、深い沈思があった。

 

<彼女はもうすっかり毒々しい調子で>答えていた。

 

風俗嬢  死んでしまえば、なんだって同じよ。

地下室男  それはそうだが・・・<だってかわいそうじゃないか>

風俗嬢  だれが?

地下室男  命がさ。<命がかわいそうなのさ>

風俗嬢  命? なによ、それ?

地下室男  <魂さきみの。体とは別なものだからね>

風俗嬢  なにそれ、意味がわかんない。

地下室男 心だよ。心は肉体とは別なんだ。いくら肉体が汚れても心がきれいなら美しい人なんだ。

風俗嬢  あ、そう。なんだかわかんないけど、わたしそんなこと全然思わないわ。肉体が

どうの、心がどうのなんか。

地下室男  なんということだ? 人がこんなに優しくしてやっているのに、この女は

<いったいきみは、どんな気でいるんだね? まっとうな道を踏んでるとでも思っているのかい、え?>

風俗嬢 どんな気って、関係ないでしょ。風俗がなんで悪いのよ。じゃあ、ヌード写真集

を出版したタレントや女優はご立派というわけ。裸で勝負してるわ。おんなじよ。違うっていえるの」

地下室男  なんだ。ああいえば、こう云う。いっこうにリーザのように素直にならない。

 

地下室男、たじたじとなって額の汗を拭う。どうも、まっとうな道の定義が変わってきているようだ。お国柄かご時世の違いかも...

 

地下室男 しかし<きみはまだ若くて、器量もいいんだから、恋をすることもできようし、結婚することもできる。幸福な身の上にもなれるというものだ...>」

風俗嬢  あきれた、まだそんなこといってるの。<お嫁にいったものが、みんな幸せだとも限らないわ> 第一わたし女優になる夢があるんですから。

地下室男  思わずかっとなって怒鳴る。

きみは本気で思ってるのかい。はなっから女優になれるって。それを目指すんな

ら道が違うんじゃないのかい。まずはじめは演劇の練習からだろ。

風俗嬢 バカじゃない、知らないの、テレビに出ているタレントや役者のほとんどは、皆いきなりスカウトされるのよ。それから女優や歌手になる勉強するのよ。

―――――――――――――――――― 7 ――――――文芸研究Ⅱ下原ゼミNo.353

 

下積みなんてないわ。あなた時代遅れよ。頭が古いわ。

 

地下室男 時代遅れだって! いいかい人間の心は文明のように進歩しないんだ。

風俗嬢  あっそう。もしかして立派な人間ぶってるの。それでごちゃごちゃ説教たれるのね。そうでしょ<まるで本でも読んでいるような話し方をするんですもの>」

地下室男  <よしてくれ、本がどうのこうのと、いってる場合じやないよ。いったい、いったい、きみ自身こんな所にいるのが、いまわしくはないかい?>

風俗嬢  男なんかみんな同じね。<なんでもわかる一段えらい人間だと思>われたくて偉そうなことを言うだけよ。本当は、欲望だけのかたまりのくせして。

地下室男 きみ、そ、そんな..欲望だけじゃない人間だっているんだ。

(独り言)リーザのときは、最初はうまくいったのに。教えた住所に訪ねてきたんだ。おれの言葉を信じて…それが、彼女は、はじめから信じない。

 

地下室男、しどろもどろになる。図星だったようだ。

 

風俗嬢 どうだか。勝ち誇って、いいわよ。あなたにその気があれば、つき合ってあげてもいいわよ。たっぷりサービスするわ。

 

風俗嬢は勝ち誇ったように席を立って妖しく歩み寄る。

 

地下室男 (がっくりと肩を落としてつぶやく)21世紀においては<ダイヤモソドにも等しい処女の宝>である愛は道化に過ぎないのか…

失敬する。ふらふら立ち上がる。

風俗嬢  あら、もうお帰り、つまんない。でも二時間分のお支払いは、いただくは。

呼び込み ありがとうございました。

地下室男、店の外に出る。

黒犬 (走ってくる)だんな、どうでした未来のリーザは。自分の宝物、見せてくれましたか。

地下室男  ペテルブルグのリーザが懐かしいよ。

黒犬   ここでもやり込められたんですね。小娘に。最初から

地下室男 そうかもしれん…

 

この言葉を残して、映画『哀愁』の「別れの曲」が流れる深夜の雪の街に消えていく。

 

※小説『地下生活者の手記』の主人公は、最初のくどきで娼婦リーザを落とせたことに自惚

れて自宅住所まで教えてしまう。まさか彼女が真実の愛を信じて訪ねてこようとは。

 

 

 

レポート提出 テキスト読み口演『范の犯罪』「奇術師美人妻殺害事件」

 

◆この事件の裁判で自分が裁判員だったら  被告范の罪は 「無罪」なら、なぜ

「有罪」なら、なぜ 量刑は

 

 

依存との闘い記録を校正しながら小説にする 校正3は次回

あるシンポジュウム会場に置き忘れていたノート。「透明な存在」との闘い

 

下原ゼミ通信ⅡNo.353 ――――――――― 8 ―――――――――――――――――

 

ゼミⅡの記録

 

□  9日24日(月)晴れ 参加=村瀬、西村

夏休み報告 ゼミ誌原稿校正

□10月 1日(月)社会観察「なぜ幸福家族は分解したのか、海外事情

□10月8日(月・祝日)晴れ 暑くなる 図書館に寄る。マサリック2巻受け取り

参加=西村、村瀬、志津木「それぞれの夏休み」「ニュース観察雑談」

『にんじん』2作口演。感想・批評。

□10月13日(土)熊谷元一研究・熊谷元一写真賞コンクール選考会無事終了の報告。選考会場、今年から長野県・昼神温泉郷にある熊谷元一写真童画館にて実施。

□10月15日(月)

 

土壌館日誌

 

10月12日(金)午後、久しぶりに江古田校舎に。図書館に新刊寄贈。Y先生と会う。立ち話。今日は用事あり。階段で院生のS君とぱったり。11月にペテルブルグで研究発表とのこと。資料館前で約束してあった4年のT子さんに新刊、資料室も。A先生と話す、14日AM10時30分からラジオ文化放送「浜美枝(昔ボンドガール)と対談。岩波写真文庫『一年生』のことも話題にとのこと。(14日、道場でラジオ聞く)。中国料理店同心房で金曜会。清水教授はじめY教授、古文のAさん、漫画家のHさん、Iさんのいつものメンバー。

20時過ぎ、江古田駅付近で人身事故。駅、乗客であふれる。タクシーで脱出。11月23日開催の清水正ドストエフスキー論展のチラシもらう。10時30分頃自宅。

 

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掲示板

 

ドストエーフスキイ全作品を読む会・読書会

 

月 日 10月20日(土)

時 間 午後6:00 ~ 8:45 懇親会9:00~

会 場 池袋・東京芸術劇場第7会議室

作 品 『未成年』3回目

報告者 : フリートーク 司会進行 :小山 創さん

 

※参加 興味ある方はどなたでも、決まりはありません。自由です。

 

10月読書会は20日土曜日 時間は、都合で夕方6時00分~21時

 

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「下原ゼミ通信」・「読書会通信」編集室

課題・投稿などの送り先メール toshihiko@shimohara.net

連絡 090-2764-6052

 

レポート提出 2018.10.15   お名前

 

テキスト・志賀直哉『范の犯罪』から

 

「ナイフ曲芸師美人妻殺害事件」裁判(裁判員裁判)

 

自分が裁判員だったら、無罪・有罪ならどんな感想、どんな判断か

 

□無罪なら → なぜ無罪か

 

 

 

 

 

 

 

■有罪なら → なぜ有罪か

 

 

 

 

 

 

 

◆その場合、量刑は

 

 

 

 

 

◆その理由は

 

 

 

 

 

□■主文は(裁判長としての見解)

 

 

 

 

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