文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.356

公開日: 

日本大学藝術学部文芸学科     2018年(平成30年)11月12日発行

 

文芸研究下原ゼミ通信No.356

 

BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN

編集発行人 下原敏彦

9/24 10/1 10/8 10/15 10/22 10/29 11/12 11/19 11/26 12/3 12/10 12/17 12/24 1/7 1/21

 

土壌館創作道場 2018年、読書と創作の旅

 

テキスト読み(志賀直哉作品・他) &熊谷元一研究(情報)

 

テキスト=志賀直哉、他(世界文学)、エッセイ・評論の読み。

討論会、テーマを決めて話合う。

社会観察 いま起きているニュース、話題になっていること。

熊谷元一研究(童画・写真観察)写真・童画展情報

11・12ゼミ

 

社会観察            自己責任

 

シリアで拘束され3年4カ月ぶりに解放されたフリージャーナリストの安田純平さん(44)は11月2日、都内で記者会見を開いた。メディアの報じ方は下記の通り。

 

安田さん「迷惑かけた 批判は当然」11/2 朝日新聞1面

外国人記者「謝罪」に違和感 11/2朝日3面 フランスやイタリヤでは英雄視

 

拘束「完全に私のミス」11/2 読売新聞

 

自己責任の有無が論争されている。日本、韓国は有りとの考えが多い。欧米は、議論の対象にもならないとのこと。どのように考えますか。

□危険地帯に進んで行く人など僅か。拘束、解放、戦地の様子。それらをニュースで見せてくれている。それも取材報告、非難する問題とは思えないが…(編集室)

 

◆日本国に新たな難問題 外国人 単純労働に拡大 法案衆院提出(入管法改正案)

 

目 次

□2018年「社会観察」自己責任の有無  ―――――――――――――――――― 1

□10・29ゼミ報告、ゼミ誌「自主創造」訂正など――――――――――――――― 2

□11.12ゼミ議論テーマ「自己責任」「子供3人はダメ」など―――――――――――3

□「熊谷元一研究」黒板絵についてのブログ紹介――-―――――――――――――― 4

□新刊『オンボロ』に寄せての感想・批評―――――――――――――――――――8

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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10・29ゼミ報告    ゼミ誌刊行1番乗りか

 

ゼミ誌『自主創造』が、各ゼミの中でいち早く刊行されました。西村美穂編集委員長の尽力と努力の賜です。ありがとうございました。

 

ゼミ雑誌の訂正

 

10月29日のゼミは、主にゼミ雑誌の訂正。校正は、何度見直しても複数個所あるものですが、さすが西村編集長、訂正は1か所のみ、「度」の削除だけでした。

 

◆削除箇所 奥付 → 発行日 平成三十年度の「度」を削除。

西村編集長100部修正具で孤軍奮闘。

 

反対に「永遠の一年生」下原本人が校正したにもかかわらず下記にみる凡ミスと削除個所がありました。お詫び申し上げます。

 

◆目立つミス 仮名にしたつもりがP37では本名でした。正は 元一 → 貞一です

◆抜け字 P38プールの「ル」が抜けていた。

◆トル P40後ろから4行目の「畳の上に」をトル

 

 

もくじ

 

・対談 日大タックル事件って、実際どうだった??

・潜入 熊谷元一写真展へ

・悩んでるつぽん ・エッセイ「魅惑のお菓子バイキング」西村美穂

・評論 「文学の住人は五体満足か」「こびとの生態について」西村美穂

・小説 「手」志津木喜一 「青」村瀬琴 「永遠の一年生」下原敏彦

・創作落語 「むりむり」西村美穂

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11.12ゼミ

 

社会観察・私の意見、感想

 

テーマ1. 戦地で拘束されたジャーナリストについて

 

テーマ2. 外国人労働者の受け入れについて (入管法改正案)

 

単純労働者  技能労働者  期間限定  家族は  社会保険

 

※【新たな在留資格】「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類。1号資格は日常会話程度の日本語能力試験と、就業分野に関する試験に合格した人に与えられる。在留期間は上限5年で、家族の帯同は認めない。さらに難しい技能の試験に合格し、「熟練した技能」を持つことを確認できたひとには2号資格が付与される。定期的な審査を受ければ事実上の永住が可能で、配偶者や子も帯同できる。

 

テーマ3. 児童館に入館できるのは、親一人に子供二人まで。0歳児でも三人以上はダメ。規則は破れない。――についての感想と意見。

※この児童館のニュースをみていて、こんな出来事を思い出した。かなり前になるが、東北

のある町で似たようなことがあった。火災発生、119番通報で消防車がかけつけた。現場の

近くに公立の建物があって消火栓があった。使おうとすると、責任者は関係者以外は使用不

可だといって使わせなかった。火災は全焼。が、責任者のコメントは「規則ですから」。

 

テキスト読み  参加人数によって変更

 

□テキスト読み → 志賀直哉作品、『にんじん』

 

□テキスト口演 → 裁判の口演と判決について

 

同人誌観察 11月4日、日芸祭を見学した。〈江古田文人会〉で4冊購入、

その中の2018年秋発行『未成年』から西村さんの作品を読んだ。

 

「(そふ+からだ―からだ=?」西村美穂(『未成年』から)2018秋

 

若いころは、人の死はあまり実感がない。しかし、生命ある限り誰も死を避けることはできない。その人の人生において、アクシュデントがなければ寿命が尽きた順にというのが宇宙の法則だ。その意味で、祖父は作者にとって、順番ではあるが、はじめての死。感じるところも多かったに違いない。存在の有無に対する思い。それは人によって様々。祖父を亡くした作者の気持ちは、悲しみから、魂の行方に向かう。短編ですが、はじめての死者、親しかった祖父の死をしっかり観察できています。

編集室のはじめての死との対面は、友人だった。20代の終わり、昨夜まで、酒を飲み、くだらない話をしていた友。いきなり細君から「今朝死にました」と電話をもらった。遺体を見ても信じることができなかった。母が亡くなったときは、作者と同じ気持ちになった。母の遺体は単に物質で、魂はどこかにいった。そう感じた。(編集室)

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熊谷元一研究1 2015.5.30刊行、写真集『黒板絵は残った』をブログに書いた人がいた。

 

 

写真・熊谷元一 編纂・下原敏彦  文と詩・下原敏彦

 

高木圭介氏(フリーライター)のブログ紹介

 

なんとも珍しくも素敵な写真集を発見した

 

なんとも珍しくも素敵な写真集を発見した。小学校1~3年生の子どもたちが教室の黒板に好き勝手にチョークで描いた黒板絵のみを集めたという「黒板絵は残った」(写真&文=熊谷元一、編纂&文=下原敏彦、D文学研究会刊、発売・星雲社、税別1800円)なる写真集だ。

単なる子どもの落書きじゃないか? などと言うなかれ。本当にまごうことなき子どもの落書きばかりを集めてしまった写真集なのだ。

これは長野県内で小学校教師を務めつつ写真家、童画家としても活躍した著者の熊谷元一氏(2010年に101歳で死去)が、長野県下伊那郡の阿智村立会地小学校(現在は智里西小学校と統合されて阿智第一小学校に)の教員時代に撮りためてあった子どもたちの自由闊達な黒板絵を、その教え子であった下原敏彦氏(現・日本大学芸術学部講師)が編纂したというもの。

着目すべきは昭和28年4月に農村部の小学校に入学した戦後すぐ生まれ(昭和21年4月~昭和22年3月生まれの学年)の子どもたちの、生き生きとした姿が映し出されているところ。

つい最近(2015年3月)にも、国産チョークの老舗である「羽衣チョーク」(本社は愛知県春日井市)の廃業がニュースで伝えられたばかりだが、まだ物資が豊富でもなかったこの時代に、教員だった熊谷氏は休み時間に黒板を子どもたちに開放し、チョークを使って自由気ままに落書きをさせるという実験(?)を試み、それらを丹念に写真に収めていたというワケだ。
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最初は叱られるのでは? と恐る恐る黒板に絵を書き始めた子どもたちは、徐々にノビノビと黒板をキャンパス代わりに絵を描き始める。ノートや画用紙に描く絵と違って、黒板絵はすぐに消すことができるという点でも、より自由度が高まる。

この時代の子どもたちに、何のテーマも課題も与えずに好き勝手に落書きをさせた結果、黒板に描かれた絵はオバケ、動物(ヘビの絵が多い気がする)、虫、泥棒(リュックを背負っている)、電車(農村部ではまだ珍しい存在)、飛行機、カミナリ様、天狗、サーカス、西部劇、侍や殿様、灯台(海のない長野県内では憧れの存在か?)などなど。

これが、あと10年ほども時代が進んでしまうと、テレビの普及により、子どもたちの落書きの題材も、テレビのヒーローやタレントの似顔絵といったモノが中心となってしまう。昭和44年生まれである私の幼年期の落書きを思い浮かべてみても、やっぱり中心はウルトラマンや仮面ライダーといったテレビヒーローや漫画キャラクターの模写的なモノが中心だった。
この年代はまだギリギリ、そういった洗礼を受けていない様子で、この写真集に収められた落書きの中で唯一、模写的なモノを上げるとしたら、時の首相・吉田茂の似顔絵ぐらいか。

著者も記しているが、小学校も3年生ぐらいになると、絵は上手になるが独創的ではなくなるそうな。他人の目を気にし始める、人間としての成長が絵の中の自由闊達さを奪い取ってしまう。単なるデタラメともメチャクチャとも違う、人目など気にしない「自由な絵」というのは、やっぱり幼少期のこの時期にしか描けないモノであるような気がする。

吉田拓郎が初期の名曲「イメージの詩」の中で「♪自然に生きるってわかるなんて なんて不自然なんだろう」と歌っていたが、オトナになって「子どものような自由な絵を描いてみよう」ったって、そこにはある種の打算も働いてしまうし、穴があったら入りたくなってしまうほど気恥ずかしい「あざとさ満点!」といった何かになってしまう。

人目など気にしない「自由な絵」とはかくも難しい…。この名著「黒板絵は残った」は、そんなことをオトナたちに思い知らせてくれる写真集だ。

 

・熊谷元一先生にほめられた

下原の黒板絵

 

・てんぐの怪獣

 

・1955年(昭和30年)

4月9日

 

・しもはらとしひこ

 

会地小学校3年東組教室黒板

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新刊・批評と感想 この夏、下原は『オンボロ道場は残った』刊行した。

 

本書は、柔道の道場という特異性から、はじめのうち敬遠されていた。が、読み終えた人から「よかった」といった感想が、すこしではあるが届いている。そんなことから、ネット、手紙、メールなどであがった感想、批評などを紹介したい。

 

横尾和博(文芸評論家・テレビインタビュアー)「週刊・横尾和博」HPから

第416回【 町の柔道場の一代記『オンボロ道場は残った』を読む 】

編集部:「今週の気になる?」のコーナーは?

横尾 : 先月刊行された下原敏彦『オンボロ道場は残った』(のべる出版企画)を

     ご紹介したいと思います。

編集部: どのような本でしょうか?

横尾 : 著者は町の柔道場主として33年間、地域の子どもたちや、

     大人たちも含めて柔道を教えてきた人です。

     ドストエフスキーにも造詣が深く、日大芸術学部で講師もしていまして、

     文武両道の偉才です。

編集部: いまどき町の道場というのは珍しいですね。

横尾 : 柔道場だけでなく町場のソロバン塾や個人経営の学習塾もなくなりました。

     塾も大手チェーンなどが席捲しています。

編集部: ホントにそうですね。

横尾 : その様な時代にあって町の道場や学習塾は、先生の個性で持っているのですね。

 

 

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つまり体を鍛えるだけでなく精神の修養や、

     社会的規範を教える教育機関でもあるわけですね。

編集部: 大手学習塾チェーンは精神修養や道徳観を教えませんね。

成績アップだけで。

横尾 : 昨今のアマスポーツの不祥事はみな勝利至上主義からきているものですね。

     今年の甲子園でも秋田の金足農業高校がスポットを浴びたのも、

     公立校なのに準優勝したことで、

     また一段と勝利至上主義に批判が強まるでしょう。

編集部: 甲子園フィーバーは凄かったですね。

横尾 : だから町の道場から立派な人材が輩出されるような世になればよいですね。

     そのためにこの本は、柔道主の一代記という枠を超えて、

     世に一石を投じています。

     ぜひ読んでみてください。

     書店にない場合は版元ののべる出版企画に直接連絡してみてください!

 

【著者】

※柔道に関わった自分(我が家)と道場の記録を書きました。

 

・1965年、日本大学農獣医学部柔道部入部

・1984年、オンボロ道場と出会う。

同道場の師範代を引き受ける。

・1996年、土壌館下原道場設立。

・2002年、日本テレビ、オンボロ道場を再建。

・2018年、現在継続中。

 

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※冬の貨物駅青春群像と依存(透明の存在)との闘いの記録は、全編まとめてから発表します。

 

ゼミⅡの記録

 

□  9日24日(月)晴れ 参加=村瀬、西村

夏休み報告 ゼミ誌原稿校正

□10月 1日(月)社会観察「なぜ幸福家族は分解したのか、海外事情

□10月8日(月・祝日)晴れ 暑くなる 図書館に寄る。マサリック2巻受け取り

参加=西村、村瀬、志津木「それぞれの夏休み」「ニュース観察雑談」

『にんじん』2作口演。感想・批評。

□10月13日(土)熊谷元一研究・熊谷元一写真賞コンクール選考会無事終了の報告。選考会場、今年から長野県・昼神温泉郷にある熊谷元一写真童画館にて実施。

□10月15日(月)晴れ 西村さん モーパッサンの作品、石川達三の話。

□10月22日(月)晴れ 西村さん 社会観察「南青山児童相談施設反対」「老夫婦殺傷15歳孫逮捕とその動機」について。

□10月29日(月)晴れ 西村 ゼミ誌『自主創造』校正。社会観察「17年度いじめ最多」

□11月12日(月)

 

レポート提出 「曲芸師美人妻殺人事件」裁判 判決 まだ

「いじめ」について まだ

「シリア拘束の安田さん解放・自己責任」について まだ

「自分のある日の記録」

 

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掲示板

 

 

ドストエーフスキイ全作品を読む会・読書会

 

月 日 12月15日(土)

時 間 午後2:00 ~ 4:45 懇親会5:00~

会 場 池袋・東京芸術劇場第5会議室

作 品 『作家の日記』から短編3作

「キリストのヨルカに召されし少年」「百姓マレイ」「百歳の老婆」

報告者 : 熊谷暢芳さん 司会進行 :小野口哲郎さん

 

※参加 興味ある方はどなたでも、決まりはありません。自由です。

 

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「下原ゼミ通信」・「読書会通信」編集室

課題・投稿などの送り先メール toshihiko@shimohara.net

連絡 090-2764-6052

 

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