文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信No.363

公開日: 

日本大学藝術学部文芸学科     2018年(平成31年)1月7日発行

 

文芸研究下原ゼミ通信No.363

 

BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN

編集発行人 下原敏彦

9/24 10/1 10/8 10/15 10/22 10/29 11/12 11/19 11/26 12/3 12/10 12/17 12/24 1/7 1/14 1/21

 

土壌館創作道場 2018年、読書と創作の旅

 

テキスト読み(志賀直哉作品等) &熊谷元一研究(写真)

 

テキスト=志賀直哉、ドストエフスキー。他の世界文学

討論会、テーマを決めて話合う。

社会観察 いま起きているニュース、話題になっていること。

熊谷元一研究(童画・写真観察)写真・童画展情報

1・7ゼミ

 

謹賀新年  2019年は、よい年でありますように

 

日大関係 箱根駅伝、今年もシード権とれず 毎年アフリカ留学生活躍のみ

テレビ観戦

悪いニュースばかりつづいた昨年の日本大学。その憂さをスカッと晴らして欲しかった箱根駅伝。スポーツ日大の意地を見たかった。だが、現実は厳しかった。恒例となった2区にアフリカ留学生がごぼう抜きの活躍をみせたのみで後はお定まりのシード権外。毎年、同じシーンが展開で14位。優勝は東海大、2位青山学院、3位東洋大。来年に期待…。

 

新聞観察  露 サンクト空港の冠名、人気1位はドストエフスキー

(サンケイ新聞 2018.12.25)

ロシア全土の空港に冠する各地ゆかりの歴史的人物らの名前を選ぶ投票イベントで、結果が決まっていなかった空港名が23日、発表された。それによると第2の都市サンクトペテルブルクの空港の候補1位はドストエフスキーだった。

 

 

目 次

□「日大関係」「新聞観察」――――――――――――――――――――――――― 1

□「新年6日間観察」「1~6日」――――――――――――――――――――――― 2

□テキスト「小倉百人一首」――――――――――――――――――――――――― 3

□初夢「一年生の肖像」刊行――――――――――――――――-―――――――― 7

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.363―――――――― 2 ――――――――――――――

 

謹賀新年観察    2019年、スタートの5日間

 

2019年がスタートして1週間がたちました。4日、熊本で震度6弱の地震があったが、大きな被害なし。予報された寒波も大事なく、比較的穏やかな新年スタートだった。そのように思います。新年最初の6日間の世相を読売・朝日新聞1面社会面から拾ってみた。

 

元旦 昭和天皇 直筆原稿見つかる 晩年の歌252首 推敲の跡も 朝日

「平成」4月末で幕 天皇陛下が4月30日に退位し、5月1日に皇太子さまが新天皇となる。「平成」から新しい元号に変わる。予定

4月30日「退位礼正殿の儀」

5月1日剣璽等承継の儀」 4月27日~5月6日まで10連休。

10月22日パレード「祝賀御礼の儀」11月14日~15日 「大嘗宮の儀」 朝日

 

インフラ機密 国内厳守 中国サイバー警戒 海外サイバー保管にリスク

16年前強盗致死で容疑者 コロンビア人代理処罰要請へ  読売

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3日 昭和天皇 心境映すメモ 「雪をみて二二六事けんを思ふ」  朝日

ブラジル新大統領が就任 ブラジルの新大統領に極右の元軍人、ジャイル・ボルソナーロ氏が就任した。過激な発言は「ブラジルのトランプの異名をとる。

原宿で車暴走21歳逮捕 「明治神宮で灯油まき火をつけようと」 朝日

 

新元号4月1日好評 国民生活に配慮 読売

平成最後 新年参賀 最多15万4800人 読売

 

4日 中国探査機、月裏側に着陸 世界初、宇宙開発競争激化へ 朝日

熊本 震度6弱 気象庁「熊本地震とは別」朝日

「やめたい」脅迫 でも前を向いた タックル被害選手 朝日

 

高校普通科を抜本改革 新学科や専門コース 読売

箱根駅伝 東海大初優勝 読売

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5日 首相「新元号4月1日公表」現天皇が署名5月1日施行 朝日

増える外国人の子 保育現場困惑も  朝日

ゴーン会長 8月出廷へ 朝日

 

昨年 交通事故死 最小3532人 愛知16年連続ワースト  読売

株 年明け452円下落 読売

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6日 社名公表 ルール化へ 裁量労働制 違法な適用  朝日

公営住宅 遺品放置1093戸 単身者死亡後 相続人捜し苦慮 読売

 

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※当然だが1面は新元号に関する見出しが多かった。他は様々。日本も世界も大見出しになる大きな事件、事故、災害はなかった。2019年は平穏なスタートといえる。

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名作紹介  明けましておめでとうございます

 

『小倉百人一首』

 

毎年、正月明けのゼミでは、「小倉百人一首」を紹介しています。が、カルタ取りをやったことがない人、存在を知らない人がいて驚かされます。昨今はスマホなどで、ゲームは沢山ありますが、『小倉百人一首』は、最も古典的なゲームといえます。

 

昔の正月の遊び、いま何処

 

最近の家庭は、どうか知らないが、私が子どもだったころは、正月の遊びは百人一首と相場が決まっていた。そのころは、まだ大家族で、どの家にも数人の子供がいた。実家の周辺はほとんど親戚だったことから、子供たちは、年賀に親戚の家々を泊まり歩いた。こたつで、花札、トラン遊びをした。大人が加わると百人一首大会となった。楽しさのなかに緊張があった。あの雰囲気、正月がくると、思い出す。

核家族になった現代では、都会ではむろん、田舎でもほとんど百人一首は遊ばなくなったようだ。従兄弟の数も減ったし、いろんなゲームが増えたこともある。毎年、ゼミでやったことがある人を聞くのだが、未経験の人が多い。2019年の今年はどうだろうか。

そんなわけで、後期後半最初のゼミは、百人一首をみてみましょう。

 

百人一首とは何か

 

天智天皇(平安末期)から藤原家隆・雅経(鎌倉)の時代までのもの

 

小倉山荘で藤原定家(1162-1241)が勅撰集から選んだ。男79名、女21名。

春夏秋冬の歌32首 恋歌43首 その他、旅など25首などで構成されている。

 

百人一首とは何か。カルタひろいから入れば、それほど縁遠いものではない。おそらく苦手とする人は、学校教育の一環、古典文学と考えるからと思う。昔の人が優雅に風景や、四季、恋、失恋を詠んだもの、文法ではなくリズムで思い描いてみよう。

百人一首とは、何か。HPでは、このように紹介している。

藤原 定家(ふじわら の さだいえ、1162年応保2年) – 1241年9月26日仁治2年8月20日))は、鎌倉時代初期の公家歌人。諱は「ていか」と有職読みされることが多い。藤原北家御子左流藤原俊成の二男。最終官位は正二位権中納言京極殿または京極中納言と呼ばれた。法名は明静(みょうじょう)。

平安時代末期から鎌倉時代初期という激動期を生き、御子左家の歌道の家としての地位を不動にした。代表的な新古今調の歌人であり、その歌は後世に名高い。俊成の「幽玄」をさらに深化させて「有心(うしん)」をとなえ、後世の歌に極めて大きな影響を残した。

摂関家藤原北家道兼流宇都宮蓮生宇都宮頼綱)が京都嵯峨野に建築した別荘、小倉山荘の襖色紙の装飾の為に、蓮生より色紙の依頼を受けた鎌倉時代の歌人藤原定家[1]が、上代の天智天皇から、鎌倉時代の順徳院まで、百人の歌人の優れた和歌を年代順に一首ずつ百首選んだものが小倉百人一首の原型と言われている。男性79人(僧侶15人)、女性21人

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の歌が入っている。成立当時まだ百人一首に一定の呼び名はなく、「小倉山荘色紙和歌」や「嵯峨山荘色紙和歌」などと称された。

いずれも『古今集』 、『新古今集』などの勅撰和歌集から選ばれている。歌道の入門書として読み継がれた。江戸時代に入り、木版画の技術が普及すると、絵入りの歌がるたの形態で広く庶民に広まった。より人々が楽しめる遊戯として普及した。関連書に、やはり藤原定家の撰に成る『百人秀歌』があり、『百人秀歌』と『百人一首』との主な相違点は「後鳥羽院順徳院の歌が無く、代わりに一条院皇后宮権中納言国信権中納言長方の3名が入っている」「源俊頼朝臣の歌が『うかりける』でなく別の歌である」2点である。現在、この『百人秀歌』は『百人一首』の原撰本(プロトタイプ)と考えられている。

名歌紹介         百人一首一覧

 

1.秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ    天智天皇

2.春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山       持統天皇

3.あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む 柿本人麻呂

4.田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士のたかねに雪は降りつつ 山部赤人

5.奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき      猿丸大夫

6.鵲の渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける      中納言家持

7.天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも     安倍仲麿

8.わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり    喜撰法師

9.花の色は移りにけりないたづらに我身世にふるながめせしまに  小野小町

  1. これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬもあふ坂の関   蝉丸
  2. わたの原八十島かけて漕き出でぬと人には告げよあまのつりぶね 参議篁
  3. 天つ風雲のかよひ路吹きとぢよ乙女の姿しばしとどめむ     僧正遍昭
  4. 筑波嶺のみねより落つるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる   陽成院
  5. 陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに    河原左大臣
  6. 君がため春の野にいでて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ    光孝天皇
  7. 立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む   中納言行平
  8. ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは   在原業平朝臣
  9. 住の江の岸に寄る波よるさへや夢のかよひ路人目よくらむ    藤原敏行朝臣
  10. 難波潟短かき蘆の節の間も逢はでこの世を過ぐしてよとや    伊勢
  11. わびぬれば今はた同じ難波なる身をつくしても逢はむとぞ思ふ  元良親王
  12. 今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな   素性法師
  13. 吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ  文屋康秀
  14. 月見ればちぢに物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど  大江千里
  15. このたびはぬさもとりあへず手向山紅葉のにしき神のまにまに  菅家
  16. 名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな  三条右大臣
  17. 小倉山峰の紅葉ば心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ     貞信公
  18. みかの原わきて流るるいづみ川いつ見きとてか恋しかるらむ   中納言兼輔
  19. 山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば    源宗于朝臣
  20. 心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花     凡河内躬恒
  21. 有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし     壬生忠岑
  22. 朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪     坂上是則
  23. 山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり    春道列樹
  24. 久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ       紀友則

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  1. 誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに       藤原興風
  2. 人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける     紀貫之
  3. 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ    清原深養父
  4. 白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける    文屋朝康
  5. 忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな    右近
  6. 浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき    参議等
  7. 忍ぶれど色に出でにけりわが恋は物や思ふと人の問ふまで    平兼盛
  8. 恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか  壬生忠見
  9. 契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波こさじとは     清原元輔
  10. 逢ひ見ての後の心にくらぶれば昔は物を思はざりけり      権中納言敦忠
  11. 逢ふことの絶えてしなくばなかなかに人をも身をも恨みざらまし 中納言朝忠
  12. 哀れともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな   謙徳公
  13. 由良の門を渡る舟人かぢを絶えゆくへも知らぬ恋の道かな    曽禰好忠
  14. 八重むぐらしげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり  恵慶法師
  15. 風をいたみ岩うつ波のおのれのみくだけて物を思ふころかな   源重之
  16. みかきもり衛士のたく火の夜はもえ昼は消えつつ物をこそ思へ   大中臣能宣朝
  17. 君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな     藤原義孝
  18. かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしもしらじなもゆる思ひを   藤原実方朝臣
  19. 明けぬれば暮るるものとはしりながら なほうらめしき朝ぼらけかな  藤原道信朝臣
  20. なげきつつひとりぬる夜のあくるまは いかに久しきものとかはしる  右大将道綱母
  21. 忘れじのゆくすえまではかたければ 今日を限りの命ともがな     儀同三司母
  22. 滝の音はたえて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞えけれ      大納言公任
  23. あらざらむこの世のほかの思ひ出にいまひとたびのあふこともがな   和泉式部
  24. めぐりあひて見しやそれとも わかぬまに雲がくれにし夜半の月かな  紫式部
  25. 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を忘れやはする       大弐三位
  26. やすらはで寝なましものをさ夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな    赤染衛門
  27. 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立         小式部内侍
  28. いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重ににほひぬるかな       伊勢大輔
  29. 夜をこめて鳥のそらねははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ     清少納言
  30. いまはただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならで言ふよしもがな   左京大夫道雅
  31. 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木     権中納言定頼
  32. うらみわびほさぬ袖だにあるものを 恋にくちなむ名こそをしけれ   相模
  33. もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかにしる人もなし       前大僧正行尊
  34. 春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなくたたむ名こそをしけれ     周防内侍
  35. 心にもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな     三条院
  36. あらし吹くみ室の山のもみぢばは 竜田の川の錦なりけり       能因法師
  37. さびしさに宿を立ち出でてながむれば いづくもおなじ秋の夕ぐれ   良選法師
  38. 夕されば門田の稲葉おとづれて 蘆のまろやに秋風ぞ吹く       大納言経信
  39. 音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ    祐子内親王家紀伊
  40. 高砂のをのへのさくらさきにけり とやまのかすみたたずもあらなむ 前権中納言匡房
  41. 憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを   源俊頼朝臣

75ちぎりおきしさせもが露をいのちにて あはれ今年の秋もいぬめり   藤原基俊

  1. わたの原こぎいでてみれば久方の 雲いにまがふ沖つ白波 法性寺入道前関白太政大臣
  2. 瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思ふ      崇徳院
  3. 淡路島かよふ千鳥のなく声に 幾夜ねざめぬ須磨の関守       源兼昌
  4. 秋風にたなびく雲のたえ間より もれいづる月の影のさやけさ    左京大夫顕輔

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  1. 長からむ心もしらず黒髪の みだれてけさはものをこそ思へ     待賢門院堀河
  2. ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただありあけの月ぞ残れる   後徳大寺左大臣

82思ひわびさてもいのちはあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり   道因法師

  1. 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる     皇太后宮大夫俊成

84ながらへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき   藤原清輔朝臣

  1. 夜もすがら物思ふころは明けやらで 閨のひまさへつれなかりけり   俊恵法師
  2. なげけとて月やは物を思はする かこち顔なるわが涙かな       西行法師
  3. 村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕ぐれ       寂蓮法師
  4. 難波江の蘆のかりねのひとよゆえ みをつくしてや恋ひわたるべき  皇嘉門院別当
  5. 玉の緒よたえなばたえねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする   式子内親王
  6. 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色はかはらず   殷富門院大輔
  7. きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む 後京極摂政前太政大臣
  8. わが袖は潮干にみえぬ沖の石の 人こそしらねかわくまもなし   二条院讃岐
  9. 世の中はつねにもがもななぎさこぐ あまの小舟の綱手かなしも    鎌倉右大臣
  10. み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣うつなり        参議雅経
  11. おほけなくうき世の民におほふかな わがたつ杣に墨染の袖      前大僧正慈円
  12. 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり     入道前太政大臣
  13. こぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くやもしほの身もこがれつつ    権中納言定家
  14. 風そよぐならの小川の夕ぐれは みそぎぞ夏のしるしなりける    従二位家隆
  15. 人もをし人もうらめしあぢきなく 世を思ふゆえに物思ふ身は    後鳥羽院
  16. ももしきやふるき軒ばのしのぶにも なほあまりある昔なりけり   順徳院

 

解説のなかで、注目される一つ

◇  32.山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり    春道列樹

 

この歌は、古注では「風のかけたるしがらみ」という表現をきわめて高く評価しており、応永抄では、「誠にはじめて言出したる妙処也」、頼孝本は「ことばあたらしくおもしろきうたなり」、上條本は、「粉骨也」、米沢本は「金玉なり」なりと絶賛している。

しかし、その表現内容の理解には微妙な相違がある。紅葉が間断なく散り落ちて流れもせきかえすばかり、と見る光景と、紅葉のながれる跡より吹き入れて、そこにもみじのたえぬしがらみ、と見る光景など。詳しくは『百人一首』(講談社)解釈参照

 

余興として、坊主めくりも面白い。僧侶は15名/79。

最近は、外国人が興味をもってカルタ大会に参加しているとのニュース。

 

60年前の山村の元旦

 

お正月元旦の賑わいは、いまも昔も変わらないが、内容は大きく違ってきた。昔の行事は各家々が個人的におこなっていた。いつのころからかイベント屋がしきるようになった。門松をわざわざ山にとりに行く必要も、料理を作る手間もいらなくなった。60年前の私の村はどうだったか。この時代、個人の誕生祝いはなく、12月31日がお歳とりといって家族全員の誕生祝いだった。この日は、そばではなく、山村では貴重な海の魚「焼きさんま」半分を食べた。実家は17軒からなる集落でほとんど親戚。元旦、早朝、部落の後ろ山にある部落だけの神社、百段以上の石段がある白髭神社を初詣。家に戻って雑煮を食べた後学校へ。来賓祝辞を聞いてみかん一つもらって帰る。それからが部落だけのお正月。

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2019年初夢  今年の初夢、「一年生」の写真展と『一年生の肖像』出版

 

ここ数年「写真家・熊谷元一研究」を進めてきた。そのせいか2019年は、こんな初夢をみた。熊谷の写真集『一年生』のルポ『一年生と写真先生』の出版。その関連から江古田校舎で「一年生」写真展を開催。

 

【一年生の写真展】岩波写真文庫『一年生』・熊谷元一写真保存会から「一年生」

日芸ギャラリーで(『黒板絵』は6月2日~6月16日)

 

【『一年生の肖像』出版】山村の小学校に入学した一年生のルポタージュ

1953年に入学した一年生たちの学校での様子をルポ。

『五十歳になった一年生』『還暦になった一年生』『古希になった一年生』と追う。

はじめに

 

2019年5月1日(仮称)大和元年がスタートした。10年ひとむかしというが、平成は30年だから昭和は3むかしもまえになる。まさに昭和は遠くなりにけり、である。昭和の思い出は、人それぞれだ。そのなかにあって、万人が懐かしむ共通の思い出は、誰もがはじめて体験する社会へのスタート点小学一年生ではないだろうか。

 

「一年生」の謎

 

2000年夏、東京両国にある江戸東京博物館は、「近くて懐かしい昭和」と題して戦後の昭和展を開催した。展示されたのは、戦後の昭和を代表するという有名な2人の人物とある山村の小学一年生だった。テレビ時代の幕開けとなった力道山の活躍。外人レスラーを次々打ちのめし敗戦国日本人の心を大いに楽しませてくれた。焼け跡の応援歌となった美空ひばりの歌声。だが、名もなき山村の小学生がなぜ。

力道山は、街頭テレビに群がって観たプロレス中継。人びとの昂奮と熱気に日本の復興を信じた。美空ひばりは、映像からの歌声に新しい時代を感じた。一年生は、なにを与えたのだろうか。何ゆえに戦後の昭和を代表する写真集として観られるのか。謎である。本書は、これまでの熊谷元一研究から、一年生が注目される理由を考察する。本書によって、その謎がいくらかでも解ければ幸いです。

本書を今は亡き熊谷元一先生に捧ぐ。

写真文庫『一年生』を愛読したすべての皆さまに捧ぐ。

 

2019年度ゼミⅢについて

 

2019年度、ゼミⅡの皆さんは、いよいよ3年生です。

 

現在のところ、下原ゼミⅢは、以下の曜日と時間を提出しています。

 

☆曜日 火曜日

☆時間 5次限目 16:20~17:50

 

目標 創作・エッセイ・評論など書くことを身につける。日記を習慣化。

内容 できるだけ多くの名作に触れる。新聞観察から社会問題を考える。創作に繋げる。

ゼミ合宿 記念館見学(南信州)Orマラソン朗読会(軽井沢)

下原ゼミ通信ⅡNo.363 ――――――――― 8 ―――――――――――――――――

 

ゼミⅡの記録

 

□  9日24日(月)晴れ 参加=村瀬、西村

夏休み報告 ゼミ誌原稿校正

□10月 1日(月)社会観察「なぜ幸福家族は分解したのか、海外事情

□10月8日(月・祝日)晴れ 暑くなる 図書館に寄る。マサリック2巻受け取り

参加=西村、村瀬、志津木「それぞれの夏休み」「ニュース観察雑談」

『にんじん』2作口演。感想・批評。

□10月13日(土)熊谷元一研究・熊谷元一写真賞コンクール選考会無事終了の報告。選考会場、今年から長野県・昼神温泉郷にある熊谷元一写真童画館にて実施。

□10月15日(月)晴れ 西村さん モーパッサンの作品、石川達三の話。

□10月22日(月)晴れ 西村さん 社会観察「南青山児童相談施設反対」「老夫婦殺傷15歳孫逮捕とその動機」について。

□10月29日(月)晴れ 西村 ゼミ誌『自主創造』校正。社会観察「17年度いじめ最多」

□11月12日(月)晴れ 西村、村瀬、「やまびこ学校」読み「いじめについて」レポート

□11月19日(月)曇り 村瀬、西村 「いじめ」「入管法改正」議論、「にんじん」読み。

□11月26日(月)文学フリマ、ドストエフスキー3短編(作家の日記))

□12月3日(月)テキスト読み、名作読み。レポート「2018年の記憶」「一日」

□12月10日(月)テキスト読み『灰色の月』レポート

◆12月15日(土)ドスト読書会(東芸劇)「キリストにー」「百姓マレイ」西村さん朗読

□12月17日(月)テキスト読み『日曜日』レポート「私の日曜日」

□12月24日(月)2018年を振り返る。西村、特殊詐欺の話。

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掲示板

 

お知らせ ドストエーフスキイ全作品を読む会・読書会

 

月 日 2019年2月16日(土)

時 間 午後2:00 ~ 4:45 懇親会5:00~

会 場 池袋・東京芸術劇場第7会議室

作 品 『カラマーゾフの兄弟』

報告者 野澤隆一さん 司会進行 :梶原公子さん

 

※参加 興味ある方はどなたでも、決まりはありません。自由です。

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「下原ゼミ通信」・「読書会通信」編集室

課題・投稿などの送り先メール toshihiko@shimohara.net

連絡 090-2764-6052

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