文芸研究Ⅱ 下原ゼミ通信 No.407

公開日: 

日本大学藝術学部文芸学科     2020年(令和2年)10月13日発行

文芸研究Ⅱ下原ゼミ通信No.407

BUNGEIKENKYU Ⅱ SHIMOHARAZEMI TSUSHIN
                              編集発行人 下原敏彦
                              
9/29 10/6 10/13 10/20 10/27 11/10 11/17 11/24 12/1 12/8 12/15 1/12 1/19 1/26   
観察と創作

2020年読書と創作の旅

10・13下原ゼミ

10・6ゼミ報告  対面9名、zoom2名、11人全員参加

 10月6日(火)ゼミは、対面9人、ズーム2人でした。この日の配布資料は、1.テキスト「范の犯罪」2.提出課題、3.校正記号でした。
この日、対面とズーム参加者は以下11名全員の皆さんです。(順不同 敬称略)

鎌田泉  藤井智也  大野璃子  又野沙耶   野島至  篠崎真桃 小原遥夏

研菜々美 正村真一朗  zoom 参加は長内優紀、宇佐見花那

ゼミ雑誌について

・編集委員、小原遥夏さん、正村真一朗さんから報告、来週赤入れ予定。

・印刷所は、まだ。
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新聞観察   社会面 最近多い裁判ニュース 注目された大きな裁判

ひところコロナばかりだった新聞紙面だが、先週は、裁判記事が目についた。

・座間9人男女殺害事件裁判 被告「9人殺害同意ない」

 この事件は、2017年9月~11月にかけて自殺サイトのインターネットに誘われた若い男女(女性8人、男性1人)が被告白石隆浩(29)によって殺害された。被害者が自殺志願のメールを送っていたことが争点になっている。多数の被害者をだした相模原事件の植松被告と動機は違うが、惨忍性においては一致する。こんな人間が2人もいた恐怖。

・池袋暴走 無罪を主張 初公判89歳被告「車に異常」

この事件は昨年4月、乗用車で青信号で横断歩道を渡っていた自転車の母子をはねて死なせた事件。ブレーキとアクセルの踏み間違えが検証されているが、89歳被告は、一貫して「車の異常」を訴え「無罪」を主張しつづけている。
10・6ゼミ授業報告  テキスト『范の犯罪』読み 輪読で

10・6のゼミ授業のテキストは、志賀直哉の作品は『范の犯罪』をとりあげた。昭和48年(1975)岩波書店刊行『志賀直哉全集』からコピーしたもの。編集室で脚本化して現代文にしたが、登場人物が少ないため輪読でのテキスト読みとなった。
この作品は1913年10月発行の『白樺』で発表された。およそ100年も前の文体、漢字読みも当て字が多く、読み難かったと思います。が、順調に読み切りました。

裁判結果 「有罪」 作者の意向とは別な判決に
 
この事件、有罪か無罪か。どちらになっても納得できない難しい裁判だった。裁判員審理で揉めるかと思われた。しかし、ゼミⅡ裁判員の判決は、参加した9人全員「有罪」だった。被告の范が完全犯罪を狙った犯罪とみなした。オンライン参加2名の判決は入らなかったが、裁判の迅速化をはかるため多数決を採用して、これを最終判決とした。
被告には無罪となる状況証拠が多数あっただけに、初公判参加者9人の全員一致「無罪」は、少し厳し過ぎる感じがした。「無罪」とする控訴もほしかった。
ちなみに、作者志賀直哉は、この作品を「無罪」として書いた。作者の意向は現代では伝わらなかったようだ。

□事件概要
 20××年 1月15日、夜8時13分頃、豊島区南池袋4の21にある演芸場で范(ハン)という若い中国人の奇術師の妻が演芸中に死んだ。演芸は、板の前に立った人に当らないようにナイフを投げていく曲芸。奇術師は夫婦で、もう何年もこの芸をつづけていた。この夜、奇術師が投げたナイフが妻の首に刺さり頚動脈を切断。若い妻は、その場で亡くなった。即死だった。不意の出来事で、当初、演芸に伴う事故とみられた。が、夫婦間に不和があったため故意と疑われ奇術師ハンは1月20日、逮捕された。
 取調べで奇術師ハンは、「故意ではないが、(無意識に)故意があったかもしれない」と答えている。そして、妻の死を悲しむ心は、「全くない」とも話している。
 
ナイフ投げ奇術師美人妻殺害疑惑事件裁判

ゼミ裁判員の判決と量刑は、以下の通りです。()は判決

■裁判員審理 司会藤井智也(有罪)判決が分かれた場合は、議論します。
 
無罪になるために自らをあざむこうとした、ということが、被告(范)自身が自らを有罪かもしれない、故意的かもしれないという意見があった一番の理由になると思うから。つまり被告は殺してしまったと一度あやまちをみとめたということだから。

・求刑は、7年の懲役

■鎌田 泉(有罪)

 妻に対して愛していなかったのは事実であり、前日に殺そうとも考えていたので、これは故意の事故だと思った。

・求刑は、懲役15年。

■大野璃子(有罪)

 被告が認めないならまだしも、被告当人が「故意でやったようなきがする」とまで言っているし、実際殺してしまったのは確かだから。刑の軽い重いは置いておいても、有罪は有罪ではないか。

・求刑は、懲役6~8年くらい。

■又野沙耶(有罪)

 少しでも故意な部分があったなら有罪にするべきだと思う。私情は無関係。

・求刑は、妻にも原因は多少あるので一般的なかたちよりは減刑。8~10年。

■篠崎真桃(有罪)

 「故意ではない。いや故意かもしれない」みたいな曖昧なところとか、妻を殺した申し訳なさもない。自分にも言い訳するような性格が、今回の事件の決めて。仕事とプライベートは分けないといけない。

・求刑は、15年くらい。

■野島 至(有罪)

 殺してしまったことは事実。わざとではないかもしれないが、一人の人間が死ぬという(殺した)という罪は重い。

・求刑は、懲役8年。

■研 菜々美(有罪)

過失であれ、故意であれ、殺人したという事実は変わらないから。不和や不倫への有効対策をしていて尚起きたことなら無罪の可能性もあるが、しかるべき努力がなかったのは自己責任である。

・求刑は、懲役5-10年。

■正村真一朗(有罪)

 結果的に殺したのであるから有罪とせざるをえない。しかし妻は、旦那とは違う男と通じており、不義の子を孕んでいたことから、被告にも動機はある、と同時に汲むべき点であるともいえる。

・求刑は、殺人より業務上過失致死として問うべきではないか。殺人として処するのであれば、懲役10年。

■小原遥夏(有罪)

そこに感情があったにしろなかったにしろ、人を殺したことに変わりないから。感情があったかもしれないといっているので、有罪にしたい。

・求刑は、懲役5~8年くらい。

オンライン参加

長内優紀  判決と量刑は 

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宇佐見花那  判決と量刑は 

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裁判官   控訴はありますか?

「なければ、主文、被告人を有罪とします。」(作品では無罪)

前期をふりかえって

 「行く川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず」というがコロナは、いつまでも居座って動かないようだ。早く、去ってほしい。2020年、コロナ禍が吹き荒れた前期、ふりかえってみると、どんな月日でしたか。
 
【前期の大学生活は、どうでしたか】前期感想

□小原遥夏  あっというまだった。

気がついたら前期が終わっていました。そして、気がついたら夏休みも終わっていました。こんなに長い時間家にいたのは初めてです。楽しくはなかったけど、私は家にいることが好きで、家で一人で過すことが好きなので、そんなに苦しくはありませんでした。でも今日、久しぶりに友達に会えてうれしかったです。

□研 菜々美 夏休みあとは長かった

 夏休み前はあっという間。そのあとは長かった気がします。多分、課題が増えたり、サークルが忙しくなったせいだと思います。制約も多く、思い描いていたことのほとんどを実行できなかったので辛いなと感じる部分が大きかったです。
今後は、また元通りの生活を早く取り戻したいです。(ミュージカルに出演したいと云う目標が、達成できるメドが立ちません…。)

□正村真一朗 あっという間だった

 部屋に籠っているうち終わってしまった。いままで経験したあらゆる年のなかで、もっともあっけない半年間だった。読書する時間が十二分にもてたことはよかったが、そのほかのことが何もできなくなったのだから、決してよかったのだとはいえないし、いいたくない。

□野島 至 長かった

人と会えないのは苦痛で、早く終われって思いました。

□ 篠崎真桃 あっという間だった

 学校へ行ってないのにお金が高くて、日大だなと感じた。気づいたら夏休みだった。私はだらしがないので、授業のはじまる5分前に起きても間に合うオンラインの方が楽だったけど、でも人に会いたいと思った。やっぱり学校での授業の方がいい。

□又野沙耶  あっという間だった

 不慣れなシステムに苦戦しているうちにあっというまに終わった気がする。

□大野凛子  長かった

 ひたすら「やる気」「気力」を削がれていくような生活でした。パソコンに向かって一日作業する日々や、帰りがけに友だちと寄り道するようなことがないのはとても辛かったです。でも、外に出ないからこその過ごし方や、少しでも自分を奮い立たせるようなことを見つけるのは少し上手になりました。一年生に比べたら友人がいた分楽だったかもしれません。対面ゼミが始まって、人との関わり方を思い出したような気がしました。少し活動的な生活に戻していきたいと思います。

□鎌田 泉  長かった  辛かった

 家にずっといると気が病んだ。人間関係に悩むことが増えたからだと思う。一つのことをじっくり考えてしまうから。授業も対面の方が良いと思った。課題だけでは何も分からないと思う。後期は対面がはいるので、楽しく生活したい。

□藤井智也  長かった

なれないオンラインでの半年だったため、やることもなくひまだったため、長いとおもってしまった。
10・13 本日の対面ゼミ 
 
・全員対面参加だったら、2020ゼミ記念に写真撮影計画。
・ゼミ誌ガイダンス報告。7日(水)参加のゼミ誌ガイダンス。
・ゼミ雑誌制作作業実施か?
・国語 平成20年度埼玉県県立高校入試第二次試験。「子ども時代の思い出」観察
・テキスト家庭の家族観察 ジュール・ルナールの『にんじん』家族の観察。

コロナ禍と家族

 コロナは、これまで見えなかったもの、感じなかったものを見させ、感じさせています。とくに自粛生活では、家族との密接度が濃くなったので、よけいに感じたと思います。
 家族のありがたみを知ったという人もいれば、嫌な面を見てしまったという人もいるでしょう。そこで、この機会にある家族の観察をしてみましょう。はたして、この家族に問題はあるのか。どこにでもある普通の家族か。
不審な電話

イジメや虐待のニュースが後を絶たない。児相はじめ、学校、教育委員会、警察と子ども
救うべき公的機関は万全の法律的権限をもっている。
なのに子どもたちを救うことはできない。なぜか? 観察力、想像力のなさが要因のようだ。ジュール・ルナール(1864-1910)の『にんじん』の家族を観察しながら、この家族の問題点を探っていきましょう。

10月のある午後、文芸研究Ⅱゼミ児童相談所にこんな電話があった。

「ルピックさんの家族、おかしいんです」
「どこが、です ? 」
「さあ、どこといっても…」声の主は、戸惑い躊躇し受話器をおいた。
 電話を受けた職員は、報告する。
「ルピック家に家族問題があるという電話でしたが――」
「まさか、いたずらでしょう」一家をよく知る職員は、笑い飛ばした。
「お父さんとお母さんは厳格で教育熱心です。しっかりした家庭です。中学生の長男と長女は、勉強もできてクラス委員です。小学生高学年の末っ子は、いたずらっ子で元気がいいです」他の職員も同調する。
「ようするに、ルピック家は、模範的幸せ一家、家庭問題とは無縁です。不埒者がねたんだのでしょう」皆は、その意見に納得した。
「たぶん、そうでしょう。でも観察はしてみましょう」一人の職員が言った。
「そうですね」皆は、同意した。
 そんなわけでゼミⅡ児相では10月13日からルピック家の観察がはじまった。
 
ルピック家 →  郊外の一戸建て、畑もある 暮らしは中流上、5人家族。
ルピック氏 → お父さん セールスマン、亭主関白
ルピック夫人 → お母さん 口やかましい
フェリックス → お兄さん 中学3年生ぐらい 性格 長男の甚六 
エルネスチーヌ → お姉さん 中学2年生ぐらい 性格 調子いい
にんじん → 主人公、小学校4~5年 性格 わんぱく坊主
オノリーヌ → 家政婦(67)
ピムラ → 犬の名前
家畜 → ニワトリ、うさぎ

【ある日の観察】 「めんどり」

Qあなたの感想は →「普通」「幸せ」「厳しい」。「何か変」ならどこが

又野 どんな家族か
   何か変 → 

長内 どんな家族か
   何か変 → 

大野 どんな家族か
   何か変 → 

小原 どんなの家族か
   何か変 → 

鎌田 どんな家族か
   何か変 → 

宇佐見 どんな家族か
    何か変 → 
正村 どんな家族か
   何か変 → 

篠崎 どんな家族か
   何か変 → 

野島 どんな家族か
   何か変 → 

研  どんな家族か  
   何か変 → 

藤井 どんな家族か
   何か変 → 

この観察で、この家庭の問題点はみえたか。

みえた   みえない   わからない

2回目の観察 ある日 家族全員で野鳥の解体「しゃこ」「犬」「いやな夢」

Qあなたは、どう思いましたか  仲良し家族  イジメがある家族  普通だ

又野 どんな家族か      
   何か変 →  

長内 どんな家族か
   何か変 → 

大野 どんな家族か
   何か変 → 

小原 どんな家族か
   何か変 → 

鎌田 どんな家族か
   何か変 → 

宇佐見 どんな家族か
    何か変 → 

正村 どんな家族か
   何か変 → 

篠崎 どんな家族か
   何か変 → 

野島 どんな家族か
   何か変 → 

研  どんな家族か  
   何か変 → 

藤井 どんな家族か
   何か変 → 

この観察で、この家庭の問題点はみえたか。

みえた   みえない   わからない

「なんでもない一日」「社会観察」

10月の読書のススメ

北條民雄『いのちの初夜』

ドストエフスキーのススメ

2021年は、ドストエフスキー生誕200周年です、記念すべき節目の機会に読んでみませんか。ドストエーフスキイ全作品を読む会では、以下の活動をしています。

HP「ドストエーフスキイ全作品を読む会」興味ある人はのぞいてください。

読書会は、以下の要領でおこなっています。

読書会開催 偶数月の土曜日 午後2時 ~ 5時 
会場:東京芸術劇場小会議室 池袋西口 徒歩3分
次回は、10月31日(土)小会議室7
8月読書会で5サイクル終了、処女作『貧しき人々』に入る前に「私とドストエフスキー」の報告です。報告希望者は、お申し出ください。

toshihiko@shimohara.net 携帯090-2764-6052 下原

 2020年10月13日 下原ゼミ  提出課題   お名前

【家族観察】

□にんじん一家の「めんどり」「しゃこ」などを観察しての感想。

普通の家族だ   何か変だ

「なにか変だ」なら どこが
   
「めんどり」

「しゃこ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「犬」

「いやな夢」

                          裏面可

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