図書館用語集 天邪鬼版


<医をめぐる言葉>

ドクターズルール425―医師の心得集
クリフトン・K・ミーダー【編】福井 次矢【訳】南江堂(1994/04発売)


医学では、起こりうることはすべて実際に起こる。

すべての医師は薬である。診察時の行動は、
・副作用を起こしうる。
・効果を持続させることができる。
・中毒をきたしうる。
・適応となるうる。
・禁忌となりうる。
・過量に与えられることがある。
・不足量になることがある。
・適切な間隔で与えられることがある。
そしてなりよりも
・プラセーボ効果をもたらすことができる
医師であることの薬理効果を学びなさい。

臨床医学で重要な診断はたった2つしかない:
この患者は病気である。
この患者は病気ではない。
臨床能力のうち、この2つを識別する能力が最も重要である。

臨床的証拠がないからといって病気が存在しないという証拠にはならない。

効果があるかどうか疑問に思った薬はおそらく無効である。

4種類以上の薬を飲んでいる患者は、医学知識の及ばない危険な状態である。

患者を治療するにあたって、あなたの性格は、あらゆる薬や治療法と同じくらい重要である。

医学のスタンダードと見なされている教科書を一冊購入しなさい。最新版が出るたびに購入すること。一生それを続けなさい。

患者に話すのではなく、患者と話すこと。

他のことをしながら患者の話を聞いてはいけない。全力を傾けて聞くこと。

医師として人生が終わる前に、多分一度は告訴されるでしょう。過ちを犯したからではなく、正しいことをしたから告訴されたと言えるだけの自信を持てるように努めなさい。

出会うすべての人を尊敬しなさい。特に、病院で縁の下の力持ちをしている人々を。そのような人々がいて初めてあなたは医師としての仕事ができるのだから。

病気のレッテルはすべて抽象的なものである。実在するのは患者のみである。

あなたが変えることができるのは何かを知りなさい。あなたが変えられないのは何かを知りなさい。その違いに気付くだけの知恵を持ちなさい。



「医をめぐる言葉の辞典」
ジョン デインティス、アマンダ アイザクス(編集)長野敬(翻訳)青土社 1993


もし人が全員、ひとりの人を癒すなら、全世界が癒される。
(無名)

現代医学の堂々たる殿堂は、有名なピサの斜塔に似たところがある。いくらかバランスを失っている。
(チャールズ皇太子)

人生はめいめいの人間にとって、壁を鏡で張った独房だ。
(ユージン・オニール『ラザロは笑った)

心の振子は正しいものと誤りの間ではなく、意味と無意味の間を揺れ動く。
(C.G.ユング『自伝』)

実践のための指針は以下の通り。自然と仲よくしよう。彼女が仕事の半分以上はやってくれる。
(エンリコ・フェルミ『家族のんばかの原子』)

我々には、なにかの物理法則が存在する、あるいは現在まで存在してきた、また未来において同様に存在を続けるだろうと仮定する権利はない。
(マックス・プランク)