康子の小窓
医学図書館員・病院図書館員のための
図書館用語集 天邪鬼版
旧:「悪魔が耳打ち 図書館用語集」
          
悪魔のつぶやきに乗せられて開設したページです。作成者 
2004年開設。2021年新型コロナ自粛中に改題して大幅に追加・更新しました。


 引 用 文 献
A.ビアス『悪魔の辞典』(1911)(複数訳者) 
稲田英一、LiSA編集部『悪魔のささやき医学辞典』新訂増補版(2019)
能勢仁『出版業界版 悪魔の辞典』(2019) 
は当HP主の提案/提供。(2021〜)

附:まじめな<医をめぐる言葉集>

ア行  カ行  サ行  タ行  ナ行  ハ行  マ行  ヤ行  ラ行

ア行

アイエスビーエヌ【国際標準図書番号】ISBN International Standard Book Number 
大陸間弾道弾
(ICBM)にあらず本籍地を記した本の「マイナンバー」のこと。

アイシーティー【情報通信技術】ICT, Information and Communication Technology 
いまどき、IT(Information Technology)というと、若い図書館員に軽くみられる。

アウトソーシング【外注】 outsourcing  
しごとの外注を言う。下請けより聞こえがよい。


アクマ【悪魔】Devil  ★
われわれ人間のあらゆる災いを創始した者。この世のあらゆる良きものを所有する者。

アワレミ【憐み】pity ★
対照いちじるしい相手を見ているうちに、気が弱くなって勘弁してやること。

イガク【医学】medicine 
サイエンスになろうと、もがいている学問領域の一つ。しかし、それが正しい方向であるか否かには議論がある。医学の将来に見切りをつけ、阿部公房や渡辺淳一のように文学の道を目指す者もある。ときには、個人的あるいは組織的殺人を目的とした非人道的領域に踏み込む輩もいる。


イガク【医学】medicine  
アルガン
「なに? おまえは世界中で認められ、昔から尊敬されてきたものを真実だとは思わないのか?」
ベラルド「真実と思うどころか、ここだけの話ですが、医学なんて人間世界に存在する最大の気違い沙汰のひとつだと思いますよ。ものごとを哲学者ふうに考えれば、人間が身のほどもわきまえず、ほかの人間の病気をなおそうなんて、こんなばかげたことは絶対ありませんよ。」(モリエール『病は気から』より)

イガクザッシ【医学雑誌】medical journal

明らかに生命をもつ物体である。行動形態からみて草食動物と思われる。すなわち、こちらが求めていないときにはそのあたりをうろうろしているが、こちらが欲するときには、どことなく消え失せている。あきらめて別の獲物を求めたあとになると、またどこからともなく現れる。
近年ではインターネットに生息域を移し始めたので、体を動かさなくても探せるようになった。

イガクショシュッパンシャ【医学書出版社】medical book publisher 
ヒトのふんどしで相撲を取るのが上手な会社。「世のためヒトのため、学問進歩のため」とヒトをおだてるが、締め切り日を過ぎると、血も涙もない真の姿を現す。いい本であるかどうかの判断を何部売れたかという数値ではかる点は、患者そのものよりもモニターからの数値を好む医師に近いところがある。
医学図書館(員)の最大のステークホルダーだが、ヒトのふんどし(学術情報)で相撲を取るのが上手という共通点がある。

イガクトショカン【医学図書館】medical library  
大学の医学部や医科大学、歯学部、歯科大学等に設置された図書館。医学教育のほかに、一般にも開放され、インフォームド・コンセントを提供する場にもなっている。
(ウィキペディア 2021)

イガクトショカンイン【医学図書館員】medical librarian  

アカデミック倉庫に住まうネズミ属。都会ネズミと田舎ネズミに大別される。ITに強く英語ができる都会ネズミは、「医療チーム」や「研究チーム」に参加して生息範囲を広げつつある。一方、田舎ネズミはといえば、仲間たちみんなにおいしいチーズのありかをタダで教えてくれる。 メディカルライブラリアン


イシャ【医者】physician ★ 
病気になると希望を託し、元気な時は犬をけしかけたくなる奴。
医学においてあまりにも頭がいいことは不必要──ことによると危険ですらある。
(サー・ロバート・ハッチソン(Lancet 1938)『医をめぐる言葉の辞典』より)
「医師のもっとも大切な資質は?」気の置けない医師に聞いてみた。一瞬思案して発した答は「優秀すぎないこと」
モリエール『病は気から』より
ディアフォワリュス先生「素直に言って、われわれの職業は、高貴な方のお相手をつとめると、あまり愉快なものではありません。やはり、一般大衆のなかにとどまっていたほうがいい、とわたしはかねがね考えております。大衆というものは便利なものですよ。われわれは自分たちの医療行為について、だれに責任を負う必要もなく、医学の一般法則さえ守っていれば、なにごとが起ころうとも、決して心配する必要はありません。高貴なかたがたをお相手にした場合は、病気になられたとき、医者に向かってぜひなおしてくれとおっしゃるもんで、その点、どうにも具合が悪いんですよ」

トワネット
「先生がたお医者さまに病気をなおしてもらおうなんて、どうかしているんじゃないでしょうか。先生がたは、何も治療するためにおそばについていらっしゃるわけじゃないんですもの。先生がたは年金をお受け取りになって、薬の処方をなさればいいんですわ、病気がなおるもなおらないもすべて患者の責任でございますもの」

イシャ【医者】doctor,physician 
 
病気に職業的興味のある人のこと。他人の病気については厳格であるが、自分の健康管理には無頓着であることが多い。良かれと思って治療するが、治療結果が良いとは限らない。

イショ【医書】medical book 

出版物の中でも異常に正味期限の短い一群の書籍。足が早いものでは一年ともたない。したがって版元は不良在庫を抱えぬように発行部数を絞り、一方で利益を確保するために価格は高めに設定
する。

イチュウシウェブ【医中誌Web/医学中央雑誌Japana Centra Revuo Medicina Web 
唯一無二の国内医学文献情報データベース。夏目漱石の家庭医だった尼子四郎が1903年にたった一人で創刊した。1879年刊行の「Index Medicus→PubMed」に続き、現存するものでは2番目に古い。医中誌Webの存在を知る人なら、だれしも無料公開を望むはずなのに、いまだ実現しない理由がわからない。

イービーエム【EBM】
 9個追加しました。2016.4.6
問題:以下からEBMの正解をみつけてください。

Each Based Medicine 個別
Ears Based Medicine 傾聴
Easement Based Medicine  安楽
Ecology Based Medicine 生態学
Economy Based Medicine 経済
Education Based Medicine 教育
Effect Based Medicine 効目
Effort Based Medicine 努力
Egoism Based Medicine 利己主義
Either  Based Medicine  どちらか 
Electronics Based Medicine 電子工学
Elite Based Medicine エリート
Emergency Based Medicine 危急
Empiricism Based Medicine 経験主義
Emotion Based Medicine  感情
Encouragement Based Medicine 励まし
Endurance Based Medicine がまん
Engagement Based Medicine 契約
Enjoyment Based Medicine 喜び
Enlightenment Based Medicine 啓発
Environment Based Medicine  環境
Episode Based Medicine エピソード
Equality Based Medicine 平等
Esprit Based Medicine ウイット
Estimation Based Medicine 推定
Ethics Based Medicine 倫理
Etiology Based Medicine 病因論
Evaluation Based Medicine 評価
Everyone Based Medicine  だれでも
Evidence  Based Medicine 根拠
Evolution Based Medicine 進化
Examination Based Medicine 検査
Example Based Medicine  症例
Exception Based Medicine 例外
Explanation Based Medicine  解説
Expectation Based Medicine 期待
Experience Based Medicine 経験
Experiment Based Medicine 実験
Expression Based Medicine  表現 
EBMのパイオニア サケット医師のことば (2015.5)
EBMとともに「ダメでもともと医学(ダメもと医学)」があっていい、とにかくお金がかからず無害なことならなんでもいい。
(中井久夫)

イリョウ【医療・薬】medicine

ブロードウェイ(歓楽街)の犬を殺すために投げたのに、バワリー街(場末)に落ちてきた石。


イリョウ【医療】medical  
 
医療とは長い人生の中でたまたま歩き続けることができなかった人が立ち寄って休む場所です。そしてすべての人はだれでもいつかは病気にかかる。だから、医療とは自分が元気なときは他人を助け、自分が病気のときは遠慮せずに世話になる、みんながいっしょにつくってみんながいっしょに守る、みんなの場所なのでしょう。
(中田力『アメリカ臨床医物語』)「いのちの停車場」

インサツブツ【印刷物】print 
羽のはえた鳥みたいなもの。その羽の中身はお粗末な考えであり、そいつがふんぞり返って歩き、得意げにわめき散らすといった具合であるが、そもそもそんな生きものが生まれてきたこと自体、間違っていたのだ。

インゼイ【印税】 royalty  
出版社が決める作家の価値。流行作家に言わせると、雑誌の原稿料はおこづかい、印税は月給、単行本はボーナス、文庫本は定期預金、選集・全集は養老年金だという。

インターネット【霞網】internet 
エロ本業界の独占的なマーケットを打ち破った、新規参入のアダルト・メディア。
ディストピア的イメージ
・蜘蛛の巣。濁流。積乱雲。深海魚。愚民の群れ。パンドラの箱。バベルの塔。『華氏451度』。
・インターネットが意図的に遮断される近未来世界(今?)。

インパクトファクター 【文献引用影響率】 impact facter  
*第一に、インパクトの高いジャーナルに論文を掲載することは、必ずしも引用される可能性が高いことを意味しない。第二に、トムソン・ロイター社の計算方法が不透明という問題がある。(Lucas Carey)
(以下、ウイキペディアより)
*論文数とかインパクトファクターとかで学術・学問が判断されることになると、地道に長い年月かけてよい成果が出るということがだんだんに無くなってくるのではないかと気になります。
(秋篠宮文仁殿下)
*若手は論文の数や、雑誌のインパクトファクターで研究テーマを選ぶようになってしまった。自分の好奇心ではなく、次のポジションを確保するための研究だ。自分の軸が持てないと客観指標に依存することになる。一流とされる科学雑誌もつまる所、週刊誌の一つだ。インパクトファクターの高い雑誌に掲載することが研究の目的になってしまえば、それはもう科学ではないだろう。
(大隈良典)
*インパクトファクターなるものは極めて良くない。論文の中身が分からない人が使う。未だにそれが使われているということは、ほとんどの人が論文の価値を分かっていないということを意味している。こういう習慣はやめなければいけない。
(本庶佑)
*サッカーの選手と野球の選手の価値をその選手が取った得点で比較するようなものであり、ほとんど意味がない。
(日本数学会)

インフォームド・コンセント【情報相互交換後受諾】informed consent 

患者に因果をふくめ、納得してもらうこと。成人すべてに自己決定権がある、という幻想に基づく流行思想。


インフォームド・コンセント【説明と同意】informed consent 

医者の勝手にはさせない(李啓充)
まな板の鯉に念仏(がん患者)

インヨウ【引用】quotation 
他人の言葉を繰り返す行為。繰り返される言葉。
近年ではコピペともいう。   

エイゴ【英語】English ★
きわめて高慢ちきで、よそよそしいので、ほとんどの作家が親密な関係にまではいたらない言語。
医学図書館員の世界の下剋上に一役かっている。

エージェント【代理店】agent  
横の文章を縦の文章に直してくれる代理人。法人になるとエージェンシーと言う。

エス・エヌ・エス【SNS】social networking system 
イェルネのネットワーク理論とは異なる。自然免疫、獲得免疫に次ぐ三つ目の免疫系。人と人との関係が希薄になった社会で生き抜くための自己防衛システム。重要なのは非自己の認識ではなく、仲間であるか否か。そのため、その日のランチの写真など、しょうもない情報を提示し、踏み絵のごとく「いいね!」ボタンを押させて仲間の輪を形成していく。友達の友達は友達と広がるが故に、そこには非自己(仲間にあらず)をも取り込む恐れがある。

エビデンス【根拠】evidence 
「歴史」は過去の出来事の一つ一つの積み重ねではなく、歴史家による取捨選択、意味づけである(上村静)。ならば、個々の科学的データが意味を発しているわけではなく、エビデンスに意味を与えるのは「歴史」同様、それを発表する者である。
エビデンス【根拠】evidence
エビデンスは、それがエビデンス
であることによってではなく、それがエビデンスと呼ばれることによって威力を発揮している。(今井康雄「教育にとってエビデンスとは何か」)

エビデンス【根拠】evidence
「エビデンスに基づいた説明責任」は、実践家の専門的判断を意気阻喪させ掘り崩す。(Hammersley)

オクヅケ 【奥付】imprint  
本の本籍地謄本である。図書館が一番欲しがる書誌的事項。古書店を喜ばせるページで、奥付の有無で〇〇万円違うこともある。

オーパック【オンライン蔵書目録検索シ:Online Public Access Catalog 
公共図書館の貸出を飛躍的に伸ばし、司書のしごとを不可逆的に変貌させたシステム。
 カード目録

オープンアクセス 【インターネット無料公開】 open access 
知る権利と知らしめる権利の保証。そのためのアクセス向上とその交流(場所)のこと。ふつうの人々と研究者が手をたずさえて人類未来の幸福を目指すのが目的。しかし、そのシステムを悪用して研究者を食い物にしようするハゲタカが増殖している。

カ行

カイカク【改革】reform 
ある運動の宣伝に使われるスライド・ショー。目的を果たすとすぐに捨てられる。

ガイドライン【ガイドライン】guideline
これまで普通にやってきたことに根拠があるかどうかを確認しようとしたら、何ら疑問をもたずに行なわれてきた(そもそもの前提であった)だけに、肯定的な根拠はもちろん否定的な根拠すら見つからず、根拠がない根拠をまとめることになったもの。

カイワ 【会話】conversation ★
できのよくない頭の中身を陳列しあう共進会。出品者は、お互いに自分の商品の配列に夢中で、隣人の陳列した商品を眺める余裕を持てずにいる。

ガクシキ【学識】learning ★
書物から空っぽの頭蓋骨の中にふるい落とされたほこり。
学問に打ち込む人に特有なたぐいの無知。

ガクジュツザッシ【学術雑誌】academic journal 
例えば「キャベツ」
学術雑誌:堆肥の長期連用が黒ボク土の理化学性ならびにキャベツとダイコンの収量に及ぼす影響
商業雑誌:とことんキャベツ100レシピ
悪魔の辞典:大きさも、かしこさも、ほぼ人間の頭くらいの、家庭菜園でとれるおなじみの野菜。


ガクモン 【学問】learning ★
文明開化した諸民族を冒し、またそれによって冒されているたぐいの無知であり、野蛮人がはまり込んでいるたぐいの学問である。

ガッカイ【学会】society meeting

学ぶことと、宴会が合わさったもの。お祭りの一種。大手を振って病院や大学を休む口実。発表者にとってはお金を払って恥をかきに行くところ。全国に散らばった友人たちと会うアカデミックな口実。

カードモクロク【カード目録card catalog
目に見え触れることができた司書の仕事の証。
ある図書館好きは、カード目録検索には、ブラウジングにも似た想像的愉楽があったと回想する。それにしても、図書館の原風景だったあの目録カードケースは何処にいった?

ガン【癌】
cancer 
(自分を除く)二人に一人がかかる病


ガンカンジャメイゲンシュウ【がん患者名言集】quotations of cancer patients 
*おれはブレーキとアクセルを同時に踏んでいる。
*医者は「どうですか」と聞くけど、どうなってるか知りたいのはこっちだよ。
*おれはなにかと運の悪い男だから必ず再発すると思う。だから放射線はそのときのためにとっておく。
*寿命と競争だな。
*治療をほかるか、自分を捨てるか。
*「この経験を生かして」とはあまり言われたくない。好きでなったわけではないから。
(少年)
*「乳がんは美しくて賢くていい人がなるのよね」「そうそう」。
(乳がん仲間)
*「千の風にのって闘病中に聞くにはつらい歌だ。ユーレイになったような悲しい気持ちになる。
*患者さんから「優しくしていただいてありがとう」と言われた。何もしていないのに・・・。
(ナース)
*主人の介護じゃお金にならないわ
。(ケアマネ勉強中の奥様)
*思いきったおしゃれができるようになって楽しいわ。(茶髪ロングウイッグの女性)
*看護師さんがいたれりつくせりで、家で女房の顔をみているより快適だよ。
告知されてすぐ遺言を書いた。毎年更新している。
がんが治った人の闘病記はないの?。
治療前に医師に質問すると「そのとおりです」という返事が多く、転移してからは「わからない」の返事が多い。
*ここ(患者図書室)で勉強して医者になるぞ。
*肺がんで生き返り、こんどは胃がんで若返った。
*ナースは美人ぞろい。まったく、マスクがじゃまだよ。
*今日はとりあえず執行猶予になった。
*転移を告げられた夫が高級ウィスキーを買ってきました。
*エンディングというネーミングは不適切。死までのスタートです。
そろそろ人間商売辞めたいのに、医者も商売だからついつい乗せられた。余命3年と言われたが7年生きた。
子どもはどんな状況でも成長する。我が子ながら偉い
主人が主治医から「今、この病気になってどんなお気持ですか」と聞かれてすごく喜んでいる。
*何の本を読んだらいいのか、そもそも読みたいのか、読みたくないのかもわからない。
*どの本を読んでもがんになった原因が書いてない。先生に聞いてもわからないという。
*目を合わせた瞬間でウェルカムの気持は測れる。
*このまま低空飛行でいきたい。
*まあまあいい人生だったかな。

カンゴシ【看護師】nurse 
*どの男も、医師でさえも、看護婦がどうあるべきかの定義といえば、決まって「献身的で従順」それ以外に言うためしがない。この定義なら、門番にも通用する。あるいは、馬にも通用するかもしれない。警官には通用しないだろうが。
*看護については「神秘」などまったく存在しない。よい看護というのは、あらゆる病気に共通するこまごまとしたこと、および、ひとりひとりの病人に固有のこまごまとしたことを観察すること、ただこの二つだけで成り立っている。
*自分自身では決して感じたことのない他人の感情のただなかへ自己を投入する能力を、これほど必要とする仕事は他に存在しないのである。
(フローレンス・ナイチンゲール『看護覚え書』第7版 現代社 )

カンジャ【患者】patient
形容詞になれば、忍耐強い、辛抱強いの意味。患者と病人の区別は、前者が収益のもとになるのに対し、後者はただの厄介者になること。治療費が払えなくなると、患者は病人となり、医者との関係は清算される。逆に、お金があれば病気でなくても患者となることができる。

カンジャトショシツ【患者図書室】patient library
病院の中のオアシス。患者図書室を持つ病院に悪い病院はない。しかし、その基盤はたよりなく、その存続は常に危うい。

カンセンショウ【感染症】epidemic ★
社交的な傾向があり、ほとんど人ぎらいをしない病気。

カンレンボン【関連本】 related books  
恰好良く聞こえるが、実際は “柳の下のドジョウ本” のこと。
ビールの銘柄よろしく中身よりもネーミングで勝負。

キカンリポジトリ【業績保管庫】institutional repository 
大学図書館員の新たなフィールド。所属機関の成果の保存・管理およびそれらのオープン化によって、オープンアクセスに寄与している。一方で「余計な仕事を押し付けられた」と考えるむきもある。また「機関ジポジトリ
プレプリント(査読前論文)リポジトリ」と理解するむきもある。

キホントショ【基本図書】standard books  
何が基本なのか、その基本が分からない不思議な本の集団。

ギム 【義務】duty  ★
欲望の線を踏み外さず、利益の方向へとわれわれを厳しく駆り立てるもの。

キヨウ【紀要】bulletin 
学会論文発表が難しい、または評価されにくい学際的研究者(人文・社会学系など)の発表の場である。彼らが、機関リポジトリへ紀要が収録されることの意義と効果に気づいたことによって、図書館員の存在が浮上してきた。

キョウイク【教育】education 
双方とも理解力に欠けていることを、利巧者にはあばいて見せ、愚か者には隠して見せないようにさせるためのもの。

キョウカショ【教科書】textbook 
著者がどの派閥に属しているかを示した本。ときには専門領域も参考にされるが、あまり当てにはならない。

ギョウセイキカン【行政機関】administration  ★
政治において巧妙に仕組まれた実体のない存在。

キョウヨウショ 【教養書】educational book 
人が一番欲しがる品性を、オブラートに包んで提供しようとする本。品性のある人は読まず、品性の悪い人も読まない本。

クリティカルパス【臨床経過管理法】critical pathway 
最小経費で効率よく医療の質を落とさずに最大の効果を上げるための方法。

クリニカルパス【退院までの行程表】clinical pathway 
クリティカルパスとは似て非なるもの。入院患者のバイブル。

ケンコウシンダン【健康診断/定期健診】 medical examination 
何も気にせず健康でいた人を定期的に診察して病人にするもの。「異常というわけではないのですが、ちょっと血圧が高いようですね」とか、「わずかに異常ですが、日常生活には問題ありません」などと、正常値という統計学を巧みに用いて、何ら問題がなかった日常生活に不安を植えつける。

コウロウショウ【厚生労働省】Ministry of Health, Labor and Welfare
国の中央行政機関の一つ。国民の健康増進、ときには疾病増加に直接関与する官僚組織。一説によると、医学部出身者でも何とか務まる省庁であるという。書類の審査にはこの上もなく慎重を期し、懸案の決裁も担当者一人の判断に任せるようなことは決してしない。

コクリツコッカイトショカン【国立国会図書館】 National Diet Library, Japan 
国会法第130条に基づき、議員の調査研究に資するため、国会に置かれた我が国唯一の国立図書館。議員閲覧室・研究室が6階に18室ある。2020年4月までは喫煙室もあった。日本国内で出版されたすべての本を半値で買い上げてくれる。


コンプライアンス【法令遵守】compliance adherence 
言いつけどおり薬を服用する患者は「コンプライアンス意識が高い」、納得して薬を服用する患者は「アドヒアランス意識が高い」という。「結果責任」が裏の意味。“信頼” 以外のいかなる方法でも実現しえない理想。

サ行

サイコウスル 【再考する】reconsider  ★
すでになされた決定を正当化する理由を、[これから]捜し求める。

サーチエンジン【検索発動機】 search engine 
一つの言語(思想)が自由に成長していくのを妨げ、弾力のない固定したものにしようとして、悪意をもったXXが案出した工夫。(「悪魔の辞典」の“辞書”のもじり)

サマリー【まとめ】summary 
本文を読む手間を省いてくれる。

サンコウブンケン【参考文献referencec 
引用を隠したがる著者には無縁なもの。反対に「これだけ読みましたよ」と示威する著者が掲げるリスト。
本文の評価はともかく論文を飾る花である。

シ【死】death
病院から退院する理由のひとつ。人が死ぬということは誰でも知っている。そして、多くの人が死を体験している。にもかかわらず、その体験を語る者はまだ現れない。したがってそれが何であるかは、いまだに解明されていない。人には知られたくないほどいいものかもしれない。

シショ【司書】librarian 
ショシ(書士)と呼ばれることはあってもヒショ(秘書)と混同されることはない。まれにだが、ズショ(図書?)とも呼ばれる。文学少女から「眼鏡の気難しそうな女史」に変貌するタイプが多いと一般的には思われているようだが、このタイプは概してコンピュータに弱く、ITへの順応性が司書能力のバロメーターとみなされる昨今では自然淘汰されつつあり、男性の進出を許している。行政職ではないので、出世には縁がない。
*ウェブの中には、司書は見当たらない。どこにもいない。むしろ検索エンジンやウェブユーザーやブロガーたち自身が司書であり、司書群そのものなのである。(松岡正剛の千夜千冊『司書』より )

シショ【司書】librarian・bibliothekar 
(典拠:『司書 宝番か餌番か』ゴッドフリート・ロスト著 石丸昭二訳 白水社 2005)
*司書の歴史は、もし書かれていれば、伝統にしばられ責任に苦しむ優柔不断な男から、その日その日の気分まかせの御仁にまで、人類に喜びをなす文藝愛好家から形式的な手続きにこりかたまったお役人にまでおよぶ、多種多様な行動パターンをあきらかにするだろう。
(ゴッドフリート・ロスト)
*保管することと利用することが別物であることは一般に認められ、経験によっても証明されている命題です。活動的な学者はよい司書ではなく、勤勉な画家は良い美術館監督官ではありません。(ゲーテ
*未来の司書は、人とあふれる本の間のフィルターであるだろうと思う。
(ホセ・オルテガ・イ・ガセット)
*不細工な女司書はいない。美人の司書はどのみち美しい。だが一般的に見て美人でない司書は精神の魅力と品の良さをもっている。
(フレッド・ロドリアン)

シショノハツユメ【司書の初夢】the nightmare of a librarian 
関心のある方はここをクリック

シチズンサイエンス【市民科学】
citizen science 
例えば、患者・家族参加型(医学図書館員サポート付き)の臨床研究。
ヒント:「戸塚洋二さんのメッセージ」

ジユウ【自由】liberty ★

想像が所有しているものの中で最も貴重なものの一つ。

ショウサン 【賞賛】admiration ★
他の人が自分自身に似ていることを、いんぎんに認めること。

ショウレイホウコク【症例報告】case report 
患者管理の失敗を学問的に説明すること。学会や雑誌に発表した場合には業績となるが、法廷で発表した場合には有罪となることが多い。

ショウロク【抄録】abstract 
論文の顔。ゆえに本文以上に入念なお化粧が必要である。

ショホウ【処方(箋)】prescription 
患者にはできるだけ悪影響を与えないようにしつつ、できるだけうまく現状を長びかせるにはどうしたらいいかについての医者の当て推量。死刑執行令状。

ジョウホウリテラシー【諜報技能】information literacy 
情報を自分の都合のいいように使いこなす能力のこと。図書館員にとっては、“ご印籠” の価値を有するありがたい言葉。

ショヒョウ【書評】 book review 
一部の読者を対象にした、偉そうな文章のかたまり。出版業界だけに存在する販売促進薬。

シンジツ【真実】truth 
科学者が終生追い求めるもの。知ってしまってから、知らなければよかったと思うもの。

シンリ【真理】truth 
望ましさと外見とをみごとに混合してつくり出したもの。
科学一般について真理(真実)に到達することはまずありません。
(山中伸弥)

シンリョウガイドライン【診療ガイドライン】practice guideline
酸いも甘いも浜の真砂の数だけある経験に基づく治療法を駆逐すべく、治療のスタンダードを示したもの。

シンリョウガイドライン【診療指針】clinical practice guideline 
EBMの波止場または墓場。「日米防衛協力ガイドライン」よろしくしばしば見直される。
実践のための指針は以下の通り。自然と仲よくしよう。彼女が仕事の半分以上はやってくれる。そして料金の請求はなし。
(エンリコ・フェルミ)

スイセントショ【推薦図書】recommended books  
推薦者不明のことがある不思議な本。選定図書と同じく統制本の一種。


スイリスル 【推理する】reason ★

願望の天秤にかけて、見込みの目方を計る。

スキルアップ【技能向上】skill up 
スキルアップの能力とキャリアアップの能力は別物。勝負は推して知るべし。

スマホ【スマートホン】smartphone 
一億総活躍社会を促進するうえでの必需品。現実社会では活躍できずとも仮想現実で大活躍できる。

セイカクサ 【正確さ】 accuracy 
人間の供述からは慎重に除外されている、ある種の面白くもおかしくもない特質。

セイカツノシツ【生活の質】QOL quality of life 
「生きたい」という短絡的な考えを排除して、それまで一度だってそんなことを考えたことがない人に「いかに生きるか」という哲学的問題を差し出し(問う側だって考えたことはない)、治療としては何もできないことを正当化する言葉。ターミナルケアと対になって語られる。
親友Sを看取った若い医師
「SさんにステレオタイプのQOLを言ったら叱られました」。

セカンドオピニオン【第二診断】second opinion  
3回目からドクターショッピングといわれる。

セキニン 【責任】 responsibility 
取り外し可能な重荷のことで、たやすく《神・天命・地運・運勢・隣人》の肩に積みかえることができる。

セケン 【世間】public ★
不特定多数の個人。

センテイトショ【選定図書】 selected books  
とにかく選定しなければならないので、選定された本。一種の統制本である。

ソウゴタイシャク【相互貸借】interlibrary loan , ILL
 ◆
図書館界において長く続いている民主的で文化的な相互シェアシステム。「みんなの図書館」の証。

タ行


タイショウリョウホウ【対症療法】symptomatic treatment ≒ palliative therapy 
「姑息的療法」のこと。迷うための時間を作る治療。

チシキ【知識】knowledge 

これがあることで、役にたつか、邪魔になるかのどちらかにしかならないもの。たまたま社会的に評価される場合には知識人といわれ、あまり評価されない場合には耳年寄り、耳年増などといわれる。非常に深い知識を持っていても、単に「おたく」と軽んじられることもある。

チテキショユウケン【知的所有権】 intellectual property rights 
物書きが生活をかけてたたかう権利。一部の国では不在の国もある。こうなると無敵所有権となる。

チョウジュ【長寿】longevity ★
死にたいする恐怖が異常に引き延ばされること。

チョウジュシャ【長寿者】macrobian ★
神々に忘れられ非常に高齢まで生きている人。

チョサクケン【著作権】copyright  
著者の生命線。死後50年間続く家族の生命・財産を守る権利。

チリョウ【治療】therapy 
放っておいても治るものを多くの薬と専門用語を駆使し、もっともらしく治す行為。たくさんの薬を出すことが患者の満足度を上げ、待合室での病気自慢に貢献する。

ツィッター【つぶやき】twitter 
「さえずり・興奮」「無駄話」「なじる人・嘲る人」。

データベース【資材庫】database 
○○データベース、××データベースなど、データベースと名づけられたとたん、中身は問題ではなくなる。図書館員はこの言葉を口にするとき、なぜか得意げな笑みを浮かべる。

デンシジャーナル【電子雑誌】online journal 
雑誌受入の手間が省け、書架スペースが空き、来館者が減少するので、図書館の省エネに貢献している。一方で、“現物”のないことに対する心もとなさへの懸念や、ブラウジングの楽しさやその効用を惜しむ声もある。


デンシトショカン【電子図書館】eletronic library
新型コロナ禍は人々の読書欲をおおいに刺激して、図書館の利用が制限される中でも、対面せずに本が貸し出せる「電子図書館」が飛躍的に伸びた。古今東西の名画に描かれた読書スタイルは、パソコン・スマホ読書に取って代わりつつある。10年後の図書館は書架が消え、司書はロボットかもしれない。

デンワ【電話】telephone 
悪魔の発明である。不愉快な人物を遠ざけておく便利さを、いささか阻害するものだ。

トウケイガク【統計学】statistics 
関係のないことを関係があるという学問。実際に関係があるものについては統計は必要ない。数学やグラフを用いて嘘をつくための方法。わけのわからない研究ほど聞いたこともない統計方法が用いられる。

ドクショ【読書】reading  
*出てきてから一年と経たない本は決して読まない。(エマーソン)
*ある人々にとっては、書物は境界である。他に人々にとっては書物は梯子である。
(グールモン)
*我々は、我々の批評することのできない書物からのみ学ぶ。(ゲーテ)
*良い本を読むためには悪い本を読まないことだ。そのためには読まずにすます技術がきわめて必要だ。(ショーペンハウエル)
*書物はそれ自身として誠に結構である。しかしそれはひどく血の気のない人生の代用物である。
(スチブンソン)
*科学では最新の研究を読め。文学では最古のものを読め。古典文学はつねにモダンなのだ。(リットン)
*ある種の本は、代理に読ませること。(ベーコン)
*読書ほど安価にして永続的な快楽はない。(モンターギュー夫人)
*書物を濫用すれば学問は死ぬ。(ルソー)
*論語読みの論語しらず。(日本のことわざ)
*ある天才物理学者がいた。山を歩いていてころんだ拍子に一握の草をつかんだら、その草が知られざる新種であった。読書の上手な人々も、これに類した不思議なことが、ありそうに思われる。(寺田寅彦)
*生活習慣病の一種である。(能勢仁)
がんで死ぬのも悪くない。こういう本に出会えるのだから。(がん患者)
本をがんがん読んでいるうちに以前より死ぬのが怖くなくなってきました。(がん患者)
いい本がいっぱいあるね。生きている時間が少なくなって残念だよ。(がん患者)

トショカン【図書館】 Library  
図書館は成長する有機体である。(S.R.ランガナータン)
ライブラリーは生きたバンクです。司書のみなさんは有能で親切なバンカーになりなさい。
(日野原重明)
*かっては司書職の職員なども存在したが、現在では業務委託や指定管理者の導入が進み、選書などの運営にかかるノウハウが失われれつつある。(『公務員版 悪魔の辞典』)
*今のニューヨークで一銭も払わず安心して時間を過ごせる場所というのは図書館くらいしかありません。
(キャリー・ウェルチ/ニューヨーク公共図書館)
俺が自殺者、銀行強盗、妻に手を上げる男、冷血漢あるいは警察のバイク野郎になるのを回避させてくれた場所。
(チャールズ・ブコウスキー/『書物の破壊の世界史』
(以下は『司書 宝番か餌番か』より)
*図書館は生者が死者に対して目をひらく静かな学舎である。
(ザンクト・ガレンの図書館の標語)
*図書館は学問研究組織の中枢である。
(ゲオルク・ライ)
*蔵書は星空を眺めるときの感情にも似た感情を呼び起こすことがある。
(トーマス・マン)
*図書館はその国の文化のインデックスである。
(レーニン)

ナ行

ニジシリョウ【二次資料】secondary source 
「一次資料」に到達するより、むしろ遠ざけかねない。

ニンゲン【人間】flesh ★
俗界の三位一体のうちの第二位格であり、第一と第三は、それぞれ世間と悪魔である。

ニンゲン【人間】man ★
自分で考えている自分の姿に有頂天に見入って、明白な自分のあるべき姿を見落としてしまう動物。

ハ行

パソコン【個人的電脳】PC  personal computer
指先の運動に役立つが、慣れないものは左右の指1本ずつの運動しかできない。鼠(マウス)の住み家。もっていることと、使っていることはまったく別の概念であることを証明するのに最適な現代人の必需品。
パソコン【個人的劣等感】personal complex 

パブメド【PubMed/MEDLINEMedical Literature Analysis and Retrieval System On-Line ◆
インターネットで公開されるまでは医学中央雑誌と並んで医学図書館員の専門性の証とされていた超有名なデータベース。「自分の病気なんだから自分で調べなさい」というのがアメリカ式。患者に勉強させて無駄な治療を受けさせないようにし、医療コストを抑えようという戦略。ダダより怖いものはない。

ビョウイン【病院】hospital 
病人が、通常、二種類の処置を受ける場所 ─医者による治療と管理者による虐待と。

ビョウイン【病院】hospital 
サービスを行う側の人間のほうが、サービスを受ける側の人間より威張っている特殊な場所。ただし、料金を払っている本人には、できるだけ不快な真実が知られないように家族にのみ真実が伝えられるという、最低限のマナーは忘れられていない。

ビョウイントショシツ【病院図書室】hospital library 
よい図書室を持つ病院に悪い病院はない。
(牧野永城)
冬は暖房でのぼせた頭を冷やすために、夏は冷房から暖まるために逃げ込む場所(某図書室特有の現象かもしれない)。その他の理由で隠れることもあるかもしれない。「病院機能評価」受審のとき、つかのまの脚光をあびる場所の一つ。

ビョウキ【病気】disease ★
自然の女神が寄付してくれた医科大学への基金。

ビョウキ【病気】illness、sickness 
「病は気から」というのを略して作られた言葉。人間の分類法のひとつ。人間は健康、病気かのどちらかに分類される。

ブログ【インターネット公開日記】weblog 
生き残るための発信場所です。(ブロガー)

プロフェッショナル【誇自己職】professional
自分の好きなことをしてお金を稼げる人のこと。その職業領域は広く、医療、スポーツ、モデル、寿司職人、戦争、殺人などいろいろある。

マ行

マニュアル【取扱説明書】manual 
治療の手順を示す手引き書。マニュアル通りにいかない患者がいれば、それはマニュアルが悪いのではなく、その患者が悪いのである。

ムガクシャ【無学者】ignoramus ★
君がよく知っているある種の知識には暗いのに、君が全然知らない、別種の知識を持ち合わせている人物。 

メディカルライブラリアン【医学図書館員】medical librarian 
(提供:アメリカではのぼり氏)
Bioinformationist
Clinical informationist
Clinical Medical Librarian
Consumer Health Librarian
Content Management Librarian
Continuing medical education librarian
Data Services Librarian
Deta Management Librarian
Digital librarian
Disaster informationis
Emerging technologies librarian
Grants development librarian
Health Agency Librarian
Health Education Librarian
Health Science Librarian
Hospital Reference Librarian
Informationist
Instruction librarian
Liaison librarian
Metadata librarian
Nursing School Librarian
Outreach librarian
Patient Information Librarian
Pharmaceutical Company Librarian
Public health informationist
Research Administrator 
Scholarly communications librarian
Science Communicator
Subject Librarian
Systematic review librarian
Translational research librarian
図書館員の役割はどう変化してきたか:健康科学分野を例に  カレントアウェアネス-E No.249 2013.11.21
エンベディッド・ライブラリアンにみる図書館環境の変化 (2018)

モクテキ【目的】aim ★

われわれが希望を注入する仕事。

ヤ行 

ヨウヤク【要約】abridgement 
誰かある他人の文章の簡潔な概要。ただし、要約する者が抱いている確信と異なる部分は省略される。

ユウイサ【有意差】significant difference 
統計を用いなければ出てこないような、あいまいな差。そのくせ、わずかでも有意差があると、100%真実のように錯覚させる力を持つ。(鰯の頭)

ラ行

リソース【資源】resource 
人・物・金のこと。医学図書館では電子リソースのことしかこう呼ばない。


リテラシー【読解記述力】Literacy 
本来 “読み書きの能力” という意味だが、相手を煙に巻くための呪文として使われている。

リモートワーク【在宅勤務】
remote work 
会社には来るなと上司行けと妻 (サラリーマン川柳 2021 第1位)
リモートで便利な言葉 “聞こえません” (サラリーマン川柳 2021 第3位)


リョウ 【量】 quantity 
腹をすかせている時には、立派に質の代用をしてくれるもの。

リヨウシャ【利用者】user 
好もしくない利用者:難題をしごくあっさり頼む人。
好もしい利用者:「さすが餅は餅屋だね」などと評価はするが決して無理難題を言わない人。

リョウショ 【良書】good book  
書いた人、作った人がこの本は良書だといった時に、良書の価値は地にめり込む。

レファレンス・サービス【参考業務】reference service 
図書館を利用しようとする人を援助すること以上でも以下でもないが、めんどうな仕事はなるべく避けたいので、わかりにくい用語をあえて使っている。サービスとは「ただでやってあげるのだから有難く思え」という意味。

ロンブン 【論文】paper, article 
知名度を上げたり、地位を上げたり、博士号をもらうための必要書類。何名かの連名でだされることが多いが、そのうちの数名は、その論文の存在さえ知らないことがある。原稿料をもらう論文の価値は低いとされる一方、原稿料をもらわない論文の価値は高いと考えられている。原稿料と論文の価値は反比例し、「原稿料×論文の価値=一定」と表される。掲載費(つまりマイナスの原稿料)を払って掲載される論文は、論文の価値もマイナスとなる。ただし、論文の価値を何で評価するかについては議論がある。医学論文の場合、その論文を読んだために何人の人間が救われたか、医療の質が向上したかなどを評価すべきであるが、適切な評価法はない。現在、比較的高く評価されるのは、自国語ではなく、外国語、特に英語で書かれた論文である。


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