医学図書館員・病院図書館員のための


作成者 作成期間:2003〜2006 その後も時折気まぐれに追加 

康子の小窓

          
『悪魔のささやき医学辞典』にそそのかされて作成したページです。
印は各図書からの引用、その他は当HPのオリジナルです。

悪魔のささやき医学辞典 稲田英一、LiSA編集部 メディカル・サイエンス・インターナショナル 1996 ¥1,200
続悪魔のささやき医学辞典 稲田英一、LiSA編集部 メディカル・サイエンス・インターナショナル 1997 ¥1,300
新選・新訳 悪魔の辞典  A.ビアス著 奥田俊介訳  講談社  2000 \1,500  

あいうえお配列。



アレルギー【拒絶反応】allergy
身体的、あるいは精神的に受け入れがたいこと。ある薬物の投与を受けたくない場合には「アレルギーです」と答えればよい。

イガクザッシ【医学雑誌】medical journal
 
明らかに生命を持つ物体である。行動形態からみて草食動物と思われる。すなわち、こちらが求めないときにはそのあたりをうろうろしているが、こちらが欲するときには、どこともなく消えうせている。あきらめて別の獲物を求めたあとになると、またどこともなく現れる。

イガクショシュッパンシャ【医学書出版社】medical book publisher 
ヒトのふんどしで相撲を取るのが上手な会社。「世のためヒトのため、学問進歩のため」とヒトをおだてるが、締め切り日を過ぎると、血も涙もない真の姿を現す。いい本であるかどうかの判断を何部売れたかという数値ではかる点は、患者そのものよりもモニターからの数値を好む医師に近いところがある。最近の医師は本を買わなくなったと嘆くが、そういう出版社の人間がキオスク以外で本を買っている姿は見たことがない。

イガクチュウオウザッシ【医学中央雑誌】☆
「イチュウシ」と呼ばれる。「それ何科の雑誌?」などとうかつに医学図書館員に聞いてはいけない。不勉強の烙印を押され、以後大きい顔をされるようになる。しかしながら、PubMedのように、医中誌Webがインターネットで提供されるようになったから、もう図書館などにわざわざ行く必要もなくなり、せいせいしている人も少なからず見受けられる。この際(どの際?)、国はこのデータベースをPubMedと同様に一般公開したらどうだろうか。おのずと賢い患者の養成になるし、情報公開の方法としても「病院広告の規制緩和」より手っ取り早く、情報内容も確実で信頼性が高いと思われる。

イガクトショカンイン【医学図書館員】☆

学者とか研究者を尊敬し、彼らの業績(論文やデータベース)に対して深い愛着を抱いている。えてして似非アカデミズムにも迎合しがちな職種かもしれない。得意とする検索能力で利用者(医療関係者)を信用させ、文献を入手して恩を売り、仲良くしながらその後の彼らの生態を観察し、その言動を見張っていたほうがずっとおもしろいと思わないでもない。


イシャ【医者】physician  
病気になると希望を託し、元気な時は犬をけしかけたくなる奴

イービーエム【EBM】☆  9個追加しました。2016.4.6
Each Based Medicine 個別
Ear Based Medicine 傾聴
Easement Based Medicine  安楽
Ecology Based Medicine 生態学
Economy Based Medicine 経済
Education Based Medicine 教育
Effect Based Medicine 効果
Effort Based Medicine 努力
Egoism Based Medicine 利己主義
Either  Based Medicine  どちらか 
Electronics Based Medicine 電子工学
Elite Based Medicine エリート
Elusion Based Medicine 言い抜け
Emergency Based Medicine 危急
Empiricism Based Medicine 経験主義
Emotion Based Medicine  感動
Encouragement Based Medicine 励まし
Endurance Based Medicine がまん
Engagement Based Medicine 契約
Enjoyment Based Medicine 喜び
Enlightenment Based Medicine 啓発
Environment Based Medicine  環境
Episode Based Medicine 物語
Equality Based Medicine 平等
Eroticism Based Medicine エロティシズム
Esprit Based Medicine エスプリ
Estimation Based Medicine 見積もり
Ethics Based Medicine 倫理
Etiology Based Medicine 病因論
Evaluation Based Medicine 評価
Everyone Based Medicine  だれでも
Evidence  Based Medicine 根拠
Evolution Based Medicine 進化
Examination Based Medicine 検査
Example Based Medicine  実例
Exception Based Medicine 例外
Explanation Based Medicine  説明
Expectation Based Medicine 期待
Experience Based Medicine 経験
Experiment Based Medicine 実験
Expression Based Medicine  表現 
Extension  Based Medicine  拡張 
EBMのパイオニア サケット医師のことば (2015.5)

インサツブツ【印刷物】print
 
羽のはえた鳥みたいなもの。その羽の中身はお粗末な考えであり、そいつがふんぞり返って歩き、得意げにわめき散らすといった具合であるが、そもそもそんな生きものが生まれてきたこと自体、間違っていたのだ。

インサツキ【印刷機】printer 
原稿をがつがつとむさぼり食う悪鬼であり、もっともっとよこせといつも叫んでいる。

インターネット【霞網】internet ★
自分以外の人はみんなやっているのだと錯覚させ、コンピュータを使えない人間に疎外感を与えるもの。

イントラネット【地引き網】 Intranet ★
組織内ネットワークなどとも呼ばれる。多くの病院で普及し、薬のオーダーからレントゲンの予約まで、これなしには仕事が進まない時代になりつつあり、処方箋を万年筆で書いている医者を嘆かせている。本来、業務の効率を上げることを目的としていたが、「どうやって取り消したらいいの」「新しいオーダーの仕方はどうしたらいいの」など、尽きせぬ疑問とトラブルに、仕事は渋滞する一方である。若い医者ほど簡単に使いこなすので、医者の世界の下剋上にも一役かっている。

エイゴ【英語】English 
平仮名、カタカナに加え、数千字の漢字を駆使して物事を表現する日本語に対して、たった26文字で対抗しようという無謀な言語の一つ。しかし、その単純さゆえに多くの国で用いられる。日本人のくせにちょっと英語ができるだけで大きな顔をしている人がいるのは、納得がいかない。英語の表現力の貧困さを表す一例に、人称代名詞 ”I”がある。 I が、その行動の主体が自分であるということを示しているにすぎないのに対して、日本語の場合には、「僕、私、俺、儂、我、余、おいら、あたい、あちき、拙者、...朕」など多くの言い方があり、性別、年齢、教養程度、地位までも予測できるだけでなく、時には個人を特定できさえする。また、I という単語が常に大文字で書かれていることで、英語が自己中心的な言語であることが推測できる。これに対して、ドイツ語は控えめに小文字を用いて ich と書かれ、謙譲の言語である日本語の場合には、しばしば省略される。

エイゴ【英語】English ★
きわめて高慢ちきで、よそよそしいので、ほとんどの作家が親密な関係にまではいたらない言語。

ガクシキ【学識】learning ★
学問に打ち込む人に特有なたぐいの無知。

ガイドライン【指針】guideline ☆
EBMの行き着く先。防衛問題に限らず、警戒すべきものである。

キョウイク【教育】education  
双方とも理解力に欠けていることを、利巧者にはあばいて見せ、愚か者には隠して見せないようにさせるためのもの。

キョウカショ【教科書】textbook 
著者がどの派閥に属しているかを示した本。ときには専門領域も参考にされるが、あまり当てにはならない。10〜20年前の知識の集大成。歴史的価値をもつ知識の宝庫。一言一句が重要なので、1ページの校正に数ヶ月を費やされることもまれではない。催眠作用をもつ。夜になって、布団にもぐりこみ、目覚まし時計をセットしてから読み出すのが望ましい。不眠症の治療にも用いられる。著者の家計を潤すことは稀である。

コウフク【幸福】happiness 
度重なる不幸の合間に存在するごく短時間の状態。人生の小春日和。

コンピュータ【金銭吸収的電脳】computer 
薬物と同様、アレルギーと中毒の存在が知られている。アレルギーは比較的高年者に多く認められるが若年者を侵すこともある。性差は不明であるが、女性に多いという説も有効。原因の大部分はキーボードにあると考えられており、新しい入力方法の必要性が叫ばれている。特効薬はなく難治性であるが、原稿用紙と鉛筆さえあれば症状は改善する。さらに算盤や方眼紙、定規などが有効な場合もあり、準備しておくとよい。中毒はアレルギーと異なり、若年男性に多く認められるのが特徴である。原因はゲームにあるとされているが、必ずしもそうとは言えず詳細は不明。ゲームが原因の場合には、キーボードのテンキーあたりが黒ずんでいるので診断は容易である。やはり有効な治療法を欠いているが、究極的にはシステムフォルダをゴミ箱に捨ててしまえばよい。

ザッシ【雑誌】journal  
毎月、ときには毎週送られてくる種々の記事を含んだソフトカバーの本。いつか読もうと思い、はじめは机の上に重ねておくが、スペースをとるようになると次第に机のわきに置かれ、年末になると、くずかごに入れられるもの。女性週刊誌の場合は、見出しを見ればすべてがわかるが、医学雑誌の場合は中身まで読んでも内容がわからないことが多い。警察や税関の検閲を受けるような雑誌ほど熱心な読者が多い。

シショ【司書】Librarian ☆
ショシ(書士)と呼ばれることはあってもヒショ(秘書)と混同されることはない。まれにだが、ズショ(図書?)とも呼ばれる。文学少女から「眼鏡の気難しそうな女史」に変貌するタイプが多いと一般的には思われているようだが、このタイプは概してコンピュータに弱く、ITへの順応性が司書能力のバロメーターとみなされる昨今では、自然淘汰されつつある。

シショ【司書】Librarian・Bibliothekar
(典拠:『司書 宝番か餌番か』ゴッドフリート・ロスト著 石丸昭二訳 白水社 2005)
司書の歴史は、もし書かれていれば、伝統にしばられ責任に苦しむ優柔不断な男から、その日その日の気分まかせの御仁にまで、人類に喜びをなす文藝愛好家から形式的な手続きにこりかたまったお役人にまでおよぶ、多種多様な行動パターンをあきらかにするだろう。(ゴッドフリート・ロスト)

保管することと利用することが別物であることは一般に認められ、経験によっても証明されている命題です。活動的な学者はよい司書ではなく、勤勉な画家は良い美術館監督官ではありません。(ゲーテ

不細工な女司書はいない。美人の司書はどのみち美しい。だが一般的に見て美人でない司書は精神の魅力と品の良さをもっている。(フレッド・ロドリアン)

シショノハツユメ【司書の初夢】the nightmare of a librarian ☆
関心のある方はここをクリック

ジテン【辞典】 dictionary★
一つの言語の成長を阻止し、その言語を固定して融通のきかないものにするために工夫された悪意のこもった文筆にかかわる装置。 

シメキリ【締め切り】deadline ★
そろそろ原稿を書き始めようかと思うとき

ショホウ【処方】prescription  
患者にはできるだけ悪影響を与えないようにしつつ、できるだけうまく現状を長びかせるにはどうしたらいいかについての医者の当て推量。

スィカツノシツ【生活の質】quality of life ★
「生きたい」という短絡的な考えを排除して、それまで一度だってそんなことを考えたことがない人に「いかに生きるか」という哲学的問題を差し出し(問う側だって考えたことはない)、治療としては何もできないことを正当化する言葉。ターミナルケアと対になって語られる。

チシキ【知識】knowledge ★
これがあることで、役にたつか、邪魔になるかのどちらかにしかならないもの。たまたま社会に評価される場合には知識人といわれ、あまり評価されない場合には耳年寄り、耳年増などといわれる。非常に深い知識をもっていても単に「おたく」と軽んじられることもある。

データベース【材料倉庫】database ☆
○○データベース、××データベースなど、データベースと名づけられたとたん、中身は問題ではなくなる。図書館員はこの言葉を口にするとき、なぜか得意げな笑みを浮かべる。

デンシジャーナル【電子雑誌】online journal ☆
来館者が減少するという理由から、図書館員には歓迎されている。 

パソコン【個人的電脳】
personal computer の略。カラースライドを作成するための電気器具。指先の運動にも役立つが、慣れないものは左右の指1本ずつの運動しかできない。鼠(マウス)の住み家。半年で価格が半額になる可能性のあるリスキーな投機の対象物。中高年のコンプレックスのもと。「パソコンをどう使うか」という本が売れる原因。病的マニアも出現し、医療を放棄する者も出てきているという。

ヒニン【避妊】contraception,birth control ★
責任のある男は避妊し、無責任な男は否認する。(非人)

パソコン【個人的劣等感】persocom ★
個人的な悩み。personal complex の略称。

ビョウイントショシツ【病院図書室】hospital library ☆
冬は暖房でのぼせた頭を冷やすために、夏は冷房から暖まるために逃げ込む場所。(某図書室特有の現象かもしれない)その他の理由で隠れることもあるかもしれない。「病院機能評価」を受けるとき、にわかに脚光をあびることになる場所。

ビョウキ【病気】illness、sickness 
「病は気から」というのを略して作られた言葉。人間の分類法のひとつ。人間は健康、病気かのどちらかに分類される。上品な病気の場合には、「お病気」という。そうでない場合には「あの人、病気」というように表現する。重大な疾患の場合には、「病魔に犯される」といったオカルト的な表現がなされる。

ホウドウキカン【報道機関】press  ★
「われわれ」と自称する社説執筆者と印刷用インクの助けを借りて、虫も殺せないネズミ一匹のか弱い鳴き声を社説でのライオンのほえ声のような立派な意見に変身させてしまう強力な拡大マシーンである。そのご高説に対しては、国民こぞって息を殺して聞き入るばかりである。

マニュアル【取扱説明書】manual ★
治療の手順を示す手引書、マニュアル通りにいかない患者がいれば、それはマニュアルが悪いのではなく、その患者が悪いのである。

ムガクシャ【無学者】ignoramus ★
君がよく知っているある種の知識には暗いのに、君が全然知らない、別種の知識を持ち合わせている人物。 

メドライン(パブメド)【MEDLINE(PubMed)】☆
インターネットで公開されるまでは医学中央雑誌と並んで医学図書館員の専門性の証とされていた超有名なデータベース。「自分の病気なんだから自分で調べなさい」というのがアメリカ式。患者に勉強させて無駄な治療を受けさせないようにし、医療コストを抑えようという戦略。ダダより怖いものはない。

リメイク 【再作成】remake ★
@美容整形手術に失敗して、再び整形手術を受けること。
A以前作られた映画やテレビドラマの名作を、新たにキャストを変えて作り直すこと。ここではAの例をいくつか掲げる。
[老婆の休日] 年老いた老婆が、元新聞記者だった青年とゆっくりと休日を楽しむという映画
[かさばらんか] モロッコから脱出を図る昔の恋人。荷物が多くてかさばらんか?
[失認の侍] 頭を叩かれ、失認になってしまった七人の侍の物語
[そこのけ姫] 強引なお姫様の物語
[乱暴] 元グリーンベレーであった筋肉もりもりな勇士の孤独な反逆を描く
[グロッキー] チャンピオンになり損ねたボクサーの物語
[君の名は?] アルツハイマー病にかかった女性、真知子の物語
[ロフト・ワールド] 屋根裏部屋のひそかな楽しみ
[思い出ぼろぼる] 失恋の悲しい思い出をつづったオムニバス
[子連れ女将(おかみ)] 甲斐性のない旦那と別れ、子どもをけなげに育てている女将の物語


リヨウシャ 【利用者】user ☆
好もしくない利用者: 難題をしごくあっさり頼む人
好もしい利用者  : 「さすが餅は餅屋だね」などと評価はするが決して無理難題を言わない人

レファレンス・サービス【参考業務】 reference service ☆
図書館を利用しようとする人を援助すること以上でも以下でもないが、めんどうな仕事はなるべく避けたいので、わかりにくい用語をあえて使っている。サービスとは「ただでやってあげるのだから有難く思え」という意味。

ロンブン 【論文】 paper, article★
知名度を上げたり、地位を上げたり、博士号をもらうための必要書類。何名かの連名でだされることが多いが、そのうちの数名は、その論文の存在さえ知らないことがある。原稿料をもらう論文の価値は低いとされる一方、原稿料をもらわない論文の価値は高いと考えられている。原稿料と論文の価値は反比例し、「原稿料×論文の価値=一定」と表される。掲載費(つまりマイナスの原稿料)を払って掲載される論文は、論文の価値もマイナスとなる。ただし、論文の価値を何で評価するかについては議論がある。医学論文の場合、その論文を読んだために何人の人間が救われたか、医療の質が向上したかなどを評価すべきであるが、適切な評価法はない。現在、比較的高く評価されるのは、自国語ではなく、外国語、特に英語で書かれた論文である。


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