ある医学図書館員の軌跡



情報よりもケアが先
 


2025年4月12日(土)朝日新聞朝刊15面の「売れている本」というコラムで、東畑開人『雨の日の心理学』が紹介されていた。さっそく、公共図書館のサイトを開けてみたら、今朝の新聞にもかかわらず、すでに31名の貸出予約が入っていた。新聞の書評おそるべしである。

私は今年の新年から夫の在宅介護をする身となり、図書館や書店に行けない状況なので、この本を読むことはできない。とはいえ、この書評にはおおいに共感を覚えた。

著者は心理療法・精神分析の専門家である。書評によれば「専門家は、自らの専門性をケアを担っている(担わされている)市井の人々へ「おすそわけ」すべきである、それにもまして重要なのは、専門家こそが、どこにでもあるありふれたケアから学ぶべきなのである」「ケアが先でセラピーが後なのである」うんぬんとある。

医学図書館員経験が長い私であるから、「おすそわけ」に関してはまずは「患者への情報提供」を連想しそうなものだが、在宅介護真っただ中の今の私は、むしろ、「情報よりもケアが先」というのが実感である。(2025.4.12)