ある医学図書館員の軌跡
佐倉図書室通信 No.153/ 2005.7
朝日新聞 医療面 連載コラム (2005.6.20)
支える 17:00 医学図書館司書 現場に最新の情報を
反響をくださったみなさまありがとうございました。一部を紹介させていただきます。
◆大学病院時代には図書館にはいつもお世話になっていましたが、現在開業医をしていると本がたくさんあっていつでも見ることが出来る環境は本当に幸せだと今になって気が付きます。下原さんのような医療を縁の下で支えている人が認めらられることは大変良いことですね。(医師)
◆すばらしいことだと思います。研究支援までする先進国の図書システムとは、まだ、較差がありますが・・・・これからもご活躍下さい。(医師)
◆こうことをMRさん(元・プロパーさん)にばかりやらせていたから、日本の医療は腐った面もあると、ぼくは考えています。ですから、こういう医療に直接関与しなくても、底上げをする職種の人に、もっともっと資源を回して、活躍して欲しいですね。(医師)
◆医療の質に関する研究会と言うところで、日野原重明先生から「今後は図書館司書が医療の中で大きな役割を果たして行くであろう。米国で、回診に司書がついていき、文献の提供や検索方法を提案していて、EBMに貢献している」と言うお話を伺っておりまして、下原さんのことを思い出しておりました。いつも良い情報をいただいておりましたが、下原さんは今後の司書さんのあり方を示して下さっていたのだと思いました。まだ下原さんのように働く司書さんは少ないと思いますので、後輩を是非とも育てていただけると、多くの医療者が支えられることになるのではないでしょうか。応援しております。(看護教員)
◆このようなご活動がしっかり認知されて今後ももっと評価されるようになるとみながHappyになれるような気が私もしています。どうぞ今後もよろしくお願いいたします。英国では図書館の方が、EndnoteやReference managerの使い方を教えてくださる半日のWorkshopがあって、大変重宝しました。(研究者)
◆下原さんのご活躍が紹介されていて、うれしく思いました。図書室にも拡大コピーして貼りました。
認定制度がもう少し発展するといいがと思います。そして、病院図書室の患者さんへの公開も。(病院図書室司書)
◆今朝の朝日新聞医学・健康欄をみました。病院のスタッフとして医学図書室司書がちゃんと紹介されていました。しかも、医療の質を支える医学文献の重要性について分かりやすくまとめてありましたね。病院図書室司書の仕事はこの部分が原点ですので、嬉しい記事でした。(病院図書室司書)
◆医学図書館員の果たす役割の重みを改めて感じました。ことに、病院図書室は医療の現場が、毎日すぐそこにあるという臨場感が更に仕事にも直接影響することでしょう。(看護学校図書館司書)
◆下原さんは図書館に蓄積されたぼう大な情報を、必要な医療者にすばやく提供することで、患者に貢献しようと考えた。そして医学文献のぎっしりと詰まった、この倉庫のずっしりと重い扉を、なんとか押し開こうとうんうんと汗を流している。下原さんは大学職員だが、その視点はただ一点、「患者に役立つ情報を提供する」ことにぴたりと照準が合わされている。病院図書室自体は一般者の閲覧はできない。だが下原さんは病院図書室のホームページを充実させることによって、この壁を突き崩してしまった。つまり東邦大学佐倉病院図書室のホームページにアクセスすることによって、どうすれば欲しい医療情報が手に入るのかを知ることができる、そういう仕組みを作ってしまったのである。「医者と同じ情報を患者が得ることによって、さらに良い治療が受けられるはず」自らも乳がん体験のある下原さんは、図書館司書としてできることの可能性を熟知しているからこそ、医療文献データベースの無料一般公開を訴える。(フリーライター)
◆医学図書館司書の記事ということで、去年お世話になったことを思い出しながら読みはじめましたら、なんと!下原さんの記事でした。本当に有意義な、そして貴重なお仕事をしておられると、また、ひとしお感心しました。その節は本当にありがとうございました。一番苦しいときに情報をたくさんいただいて、救われました。本当に、患者も専門情報を簡単に検索できるようになると良いですね。精神的にらくになれますので。(知人)
この知人の「その節」について
「病気についての情報とご近所の名医の情報が欲しい」と頼まれました。病気の情報については耳慣れない病名だったので医中誌Webで検索したリスト、名医については認定医が公開されている学会のホームページを紹介しました。折り返し届いた返事には「文献リストの中に近所の病院で診て貰ったことのある医師の名前をみつけた。ついては、この医師の他の文献が知りたい」とのこと。著者名で検索してみると関連領域の論文が数多く出てきました。その事実を自分の目で確認したことがこの方の気分を大きく好転させました。まさに情報がクスリであることを実感したエピソードでした。