患者図書室挑戦の記録
にとな文庫通信 No.23 (2012.12)


にとな文庫 ある日の光景


男女3人の患者さんが歓談。
期せずして闘病に関する「男の言い分、女の言い分」のミニ討論となる。

『死をみつめる心』『生きがいについて』を貸し出した乳がん再発の母に
「こういう本を読む母の気持がわからない。ますます落ち込むのでは」と娘さん。

「今は本を読む勇気ないよ」という夫に「治りかけたら読もうね」と妻。

肺がん闘病中の男性「夫婦でスイスに行ってきました」と元気そう。
携帯待ち受けにマッターホルン。

実習中の医学部5年男子。男女3名の患者さんと歓談。
「いいドクターになってね」とエールを送られ「いい勉強になりました」とにっこり。
「読書したいけど時間がなくて」とポツリ。

大腸がん検査の男性。
初診で「たばこを吸う患者は診ない」と主治医に言われ、外来ホールのごみ箱に捨てた。
それから5年。たばこはきっぱり止めたが、酒は増えた。

検査が終わって立ち寄ったイケメン君。
「がんになったのが家族でも友人でもなく自分でよかった。思ったより打たれ強いと我ながら思った。見舞いにきた友だちが仕事のグチを言って帰る。抗がん剤治療がもう一山ある。退院したら発病前に決まっていた会社に行く(待ってくれた)これだけの体験をしたのだから、もうたいていのことは平気だ」

検査待ちの男性、センターニュースで主治医の執筆箇所を読み「書かれたものを読むと安心します」

闘病記の書架を携帯で撮影する男性。
「夫婦でがんになった。妻に読ませたい」。蔵書リストを提供。

70代の乳がんの女性
「身辺のモノの始末に悩みます。片づけ始めると捨てがたいものばかりで」

放射線治療に通う男性の一言。
患者図書室スタッフのモデルは「銀座の高級クラブのママ」その心は「幅広く人の話が聞ける」