一般市民も使えるオープンアクセス
このサイトは追加・更新を終了しました。ご利用いただきありがとうございました。2023.3
作成者 :下原康子 開設:2015.5.27 最終更新日:2023.2.22
一般市民も学術情報(一次情報)が必要になるときがあります。たとえば、自分や家族が病気になったとき、災難に遭遇して法律などの知識が必要になったとき、科学や文学など関心のある学問分野についてより詳しく知りたくなったとき、などなど。近年、学術情報のオープン化は加速度的に進んでいます。このサイトは、元医学図書館員が、現在利用できるオープンアクセスサービスおよびオープンアクセスの動向をピックアプしています。
オープンアクセス open access
学術研究成果を誰もが無料でオンラインで利用できるようにすること、またその理念。商業出版社による学術雑誌の寡占化、価格の高騰化などによって引き起こされたシリアルズ・クライシスのなかで、研究成果を広く公開したい、あるいは公開するべきといった考え方から生まれた。2002年に設立されたBOAI(Budapest Open Access Initiative)では、オープンアクセスの方法として、セルフアーカイビングとオープンアクセス雑誌の二つが示された。セルフアーカイビングは、研究者自身が個人のウェブサイトやリポジトリなどで研究論文などを無料公開する方法、オープンアクセス雑誌は、誰もが無料で利用できるオンラインジャーナルを刊行する方法である。前者のリポジトリに関しては、大学など学術機関が機関リポジトリと呼ばれるシステムを構築し、実際の学術文献の収集と公開のための業務を図書館が担うケースが多い。
オープンサイエンス open science
公的研究資金を用いた研究成果である論文やデータ等について、科学界はもとより産業界および社会一般から広く容易にアクセスや利用を可能にする制度。知の創出に新たな道を開くとともに、効果的に科学技術を推進し、イノベーションの創出の効果が期待できる。2013年6月に英国で開催されたG8科学大臣会合で世界的に推進する議論が広がった。我が国では、2016(平成28)年1月に科学技術基本計画第5期において知の基盤の強化に向け推進体制が策定され、2016年(平成28)年7月に日本学術会議がオープンイノベーションに資するあり方に関する提言をまとめ、2017(平成29)年6月に科学技術振興機構が促進に向けた研究成果の取り扱いに関する基本方針を定めた。
オープンデータ open data
一定の決まりのもとで、誰でも自由に利用・再利用・再配布できるデータを公開する試み、あるいはそうしたデータの総称。最も多くを占めるのは行政や公共のデータだが、広義には民間事業者や個人が提供するものも含む。単にウェブ上で公開されているだけでなく、クリエイティブコモンズ等によるライセンス(著作権取り扱い方法)の明示や、RDFなど標準的なデータ形式を踏まえることが要件とされる。2019(平成31)年4月に国立国会図書館は自館が作成した書誌データをオープンデータとし、有料頒布から無償提供に変更した。
(典拠:図書館情報学用語辞典 第5版 2020.8) |
機関リポジトリ/オンライン・ジャーナルを利用する
NII(国立情報学研究所)提供
●CiNii Books その本を所蔵している大学図書館がわかります。
●CiNii Reseach 論文情報、図書、プロジェクト、研究データ、プロジェクト情報が横断的に探せます。(CiNii ArticlesはCiNii Researchに統合されました)
●CiNii Dissertations 日本の博士論文が探せます。
●NII-REO(OJA:電子ジャーナルアーカイブ) 大学等が契約する電子ジャーナルコンテンツが探せます。
●KAKEN 科学研究費助成事業データベース 研究課題・研究者から探せます。
●JDCat 人文学・社会科学総合データカタログ(Japan Data Catalog for the Humanities and Social Sciences)
学術機関リポジトリ構築連携支援事業 国内の機関リポジトリ一覧
IRDB 学術機関リポジトリデータベース
オープンアクセスリポジトリ推進協会
NIIオープンサイエンス基盤研究センター(RCOS) mihoチャンネル
JST (国立研究開発法人 科学技術振興機構) 提供
●J-STAGE 総合電子ジャーナルプラットホーム
日本国内の科学技術情報関係の電子ジャーナル発行を支援するシステム。国内学協会の電子ジャーナルをオンラインで読むことができます。資料の分野別に探せます。資料一覧 (J-STAGE登載誌)
●J‐GLOBAL(科学技術総合リンクセンター)
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営する情報提供サービス。たくさんの連携サイトと情報をリンクさせ、個別に存在していた科学技術情報をつなぎ発想の支援を目指します。
●日本の研究.com
国立国会図書館
●国立国会図書館サーチ
●Webサービス一覧
●JAPAN SEARCH
国立国会図書館のオンラインサービス一覧
書誌データの利用
●PMC (旧:PubMed Central)
PubMedを提供しているアメリカ国立医学図書館(NLM)内にある、生物医学および生命科学分野のジャーナルのオンライン論文アーカイブです。
PubMedに収載される文献は、厳しい審査を受けた信頼性の高いものに限られますが、PMCは、ある一定の条件を満たせば収載することが可能です。また、PubMedのデータの多くが書誌情報とAbstractであるのに対し、PMCでは全文がオープンアクセスとなっています。
●Semantic Scholar
AI搭載の無料の論文検索サービスです。PubMed, arXivなどから取得した論文を解析し、従来の検索サービスより高度な情報の提示を実現しています。 カレントアウェアネス-E
●Google Scholar
米グーグル社の研究者向けサーチエンジン。研究全分野が対象。PubMedのデータも多く含まれます。電子ジャーナルで全文が読めるものもあります。日本語の文献は日本語で検索できます。
●Googleブックス
書籍の全文が登録された世界最大級の包括的なインデックスを検索できます。
インターネット電子図書館
●青 空 文 庫 誰にでもアクセスできる電子本を作り、図書館のようにインターネット上に集めようとする活動。多くの文学作品の全文が自由に読めます。
●プロジェクト・グーテンベルク (Project Gutenberg、略称PG)著者の死後一定期間が経過し著作権の切れた名作などの全文を電子化してインターネット上で公開するという計画。1971年創始で最も歴史ある電子図書館。
●Project MUSE 人文社会系を中心とする学術雑誌の電子ジャーナルや電子ブックのフルテキストを提供するデータベースサービス。大学、公共、専門、学校などの図書館が加盟することにより閲覧できます。
●ウィキソース(多言語ポータル)
●ウィキソース日本語版
世界の電子図書館の一覧
オープンアクセスとその動向を知る
論文のオープンアクセス化を推進すべき7つの理由と5つの提案 日本の科学を考える2014.04.14 pickup
最近のOPACの動向 次世代OPAC、ディスカバリーサービスを中心に(林豊 2013年度岐阜県図書館・岐阜大学図書館研修会 2013.11.8)
オープンアクセスの早期実現のために Nature 495, 442-443 (2013.3.28)
オープンアクセスの理念と現状 (PDF) 倉田敬子 メディア教育研究 7(2)2011
|